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NoLifePrincess  作者: 墺離
10/11

幼姫のゆううつ

短め。

 こんにちわ、小鳥さん。いいお天気ね。


 あなたもお散歩?私もなのよ…っていうのは嘘。本当はお勉強の時間なんだけどちょっと抜け出して来ちゃったの。

 だってこんなにいいお天気なんですもの、お散歩しなきゃソンだわ。


 ねぇ、小鳥さんせっかくだから少しお話をしない?

 え?口下手だから私の話を聞くだけでいいって?


 そう…そうね、じゃあ私の家族の話聞いてくれる?



                       *



 私にはね、66人のお兄さまと5人のお姉さまがいるの。


 ふふ、多いでしょう?そうね、お兄さまの中にはお会いしたことがない方もいるわ。

 だって私が物心つく前には「王位争い」が始まってしまっていたのだもの。

 会おうにも、もうお墓の下だったりしたら無理な話よね。


 まぁでも、あまりお会いしたいとは思わないわ。

 「王位争い」をしているお兄様たちと下手に”かかわりあい”をもつと”きけん”なのよって、マリアンヌお姉さまたちがいっていたもの。


 あっマリアンヌお姉さまはね、私の二番目のお姉さまよ。

 他のお姉さまたちとちがって私をいじめないし、やさしいし、とても強くってすてきなお姉さま。

 それにスタイルもよくって…いつか私もあーんな体になれるかしら?特にお胸とか…とっ、とにかく大好きなお姉さまのお一人よ!


 それにそれに!何といってもあのミリアンお兄さまと双子なの!性格は全然違うのに顔がすごく似ていらして…え?ミリアンお兄さま?


 ミリアンお兄さまは、お兄さまたちの中で一番一番いっちばーーーーん大好きな方!

 ふふ、みせてあげたいわミリアンお兄さまのこと。いつもね優しい顔をしていらして、金色の目がきらきらしてるの。


 あなただって一度でもお会いしたらぜったいミリアンお兄さまのことが大好きになるんだから!


 マリアンヌお姉さまには申し訳ないけど、お姉さま以上に素敵なのよ!

 次の「めいおう」にはぜったいミリアンお兄さまがなるに違いないわ。

 だってあの方以外には考えられないもの。そう思ってるのは私だけじゃないわ、あのレティお姉さまだってあつく語っていらしたから間違いなしよ。


 他のお兄さま方なんて足元におよばな……あー、力だけならミリアンお兄さまにひけをとらない方もいるけど…あーぁ、どうして思い出しちゃったのかしら。


 え?いえ、そのね…私の中では絶対にお会いしたくないお兄さまナンバーワンな方なんだけど。

 ディムロス兄さまっていうんだけどね。

 うん、なんていうかなぁ…一言で言えば”こわい方”。


 面と向かってはお会いしたことがないんだけど、その姿を見るだけで息苦しくなるというか…前にレティお姉さまのとこに遊びに(?)いらしているのを遠くから見たことがあるのだけれどもう怖くて怖くて泣いてしまったわ。

 マリアンヌお姉さまやレティお姉さまも「あれを見たら見つかる前に全力で逃げなさい」っていわれてるし。

 

 そうそう、そのディムロス兄さまに一番めいわくをかけられているのがレティお姉さまなの。

 マリアンヌお姉さまと同じぐらい大好きな、五番目のレティシアお姉さま。


 「王位争い」を「くだらない」って一抜けしたしちゃったすごいお姉さまよ。


 なにがすごいって?


 だって、たくさんのお兄さまたちがころしあってでものぞんでいる「めいおう」のお嫁さんになれるチャンスをあっさりと捨てたのよ?


 イジワルな他のお姉さま方はライバルが減ってよろこんでいたみたいだけど「愚かな妹姫」と鼻で笑ってたし、王座にとりいろうとするレティお姉さまの親族や、周りの方たちはすごくあわてたみたい。

 

 でもね、私そんなレティお姉さまにすごくあこがれたの。


 私もね、本当は「王位争い」なんてどうでもいいの。

 「ださん」や「ぼうりゃく」でもない、ただ普通に遊んでくれる、優しくしてくれるレティお姉さま、マリアンヌお姉さま、ミリアンお兄さまたちといっしょにいれればいいなって、思ってたの。

 でも「いやだ」なんていえなかった。だって正直あのころはよくわかっていなかったし、なによりも周りのおとなたちが怖かったから。

 

 でもね、レティお姉さまが「一抜け」宣言をなされてこちらへ来たと聞いたとき、すごくすごく勇気をもらったの。

 このままじゃいけない、私も動かなきゃダメなんだ、って思ったわ。だからレティお姉さまの元へきたのよ。  

 私をみてびっくりした顔をしてたけど、すぐに「好きにしなさい」っていって頭をなでてくれたの。

 ね?素敵なお姉さまでしょ?


 多分あのまま、あちらにいたら私もうしんじゃっていたかもしれないわ。

 今の私があるのはレティお姉さまのおかげなのよ。


 だからね、レティお姉さまには誰よりも幸せになって欲しいんだけど…色々と、ね?


 やっぱりディムロス兄さまにちょっかいをかけられてるのがレティお姉さまの一番の不幸なのかしら。

 もうっ、ミリアンお兄さまももっと積極的にうごいてくれればいいのに。

 ちなみに「いまどき王子様ヅラした輩は流行らないのにほんっとミリアンってば嫌な奴ー」っていうのはマリアンヌお姉さまの言葉よ。


 え?なんで私がそんなにヤキモキしてるかって?

 だって見てればわかるわよ。レティお姉さまって本当こういうことにはおくてっていうかニブイってうか…

 



 …あ、大変。ぬけだしちゃったのがバレちゃったみたい。

 お屋敷のほうから道の声がするわ。もう、ウェイツったらすぐにバレちゃうんだから。


 じゃあ、私もういくわね。

 お話聞いてくれてありがとう、小鳥さん。お散歩楽しんでちょうだい。


 あっ、そうだ!もうひとつだけ聞いてくれる?


 いろいろあるけど、私、今とても幸せよ!

 だからあまり心配しないでって、お母さまに伝えて頂戴ね。


 ふふ、バレてないと思った?

 私、いつまでも子供じゃないのよ。




 


 

 




子供なので話がすぐにかわります(笑



小鳥さんは娘思いのお母さんからの使い魔でした、てきなオチで。

アンジェラのお母さんは争いを好まない人です。レティシアの元へいく手伝いをしたのも母親。



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