第十六章:六人での幸せな同居生活?
ついに六人?のカオスな共同生活が始まります!
シアンは仲良く出来るのか……
それとも……
ガランドを除いた壮大な夕食会が開かれる。
アスタロテはアリシアの隣の席に座り、
くっついている。
ベアトリスの隣の席には、ヒーラーのクララが座り、
真面目に働くシアンを見つめている。
「良いではないか~」
「アリシア」
アスタロテは隣の席といいつつ、
もはやゼロ距離で離れない。
頬をスリスリしたりと、
好感度が振り切れている。
「もうちゃんと座ってよ!」
アリシアは退ける素振りをするが……
内心では満更でもなかった。
「お!」
「怒ったか?」
「余を叱れるのはお主だけだぞ」
「もうドラゴンさん」
「行儀が悪いですよ!」
ほっぺたをつまみ始める。
「嬉しいの~」
「もっと叱ってくれ」
「逆効果じゃない!」
「はぁ……」
「騒々しいわね……」
「胃が痛くなってくるわ」
ベアトリスはため息が止まらない。
「大丈夫ですか?」
ヒーラーのクララは、
この滅茶苦茶な空間に、
まだ適応できていないはずだった。
「ええ……」
「ここで生活する上で……」
「大切なことを教えておくわ」
ベアトリスはステーキを、
フォークで刺しながら警告する。
「はい」
「何でしょうか?」
クララは覚悟して聞く。
「常識を捨てなさい」
「ここにいる奴らは……」
「皆怪物よ」
「まともなのは……」
「私とあなた、アリシアだけよ……」
「シアン様は?」
「あいつは一番ヤバい奴よ!」
「アリシアがストッパーに、」
「なってるだけで……」
「セカイを滅ぼしかねないわ」
一生懸命に真実を伝えるが……
「でもカッコいいですよね?」
クララは惚れ惚れとした表情で、
働くシアンを見つめている。
「え?」
ベアトリスは凄まじく、
嫌な予感がして身震いした……
「あのしなやかでたくましい腕……」
「あたしより長身だし……」
「綺麗な茶色い瞳」
「整えられた短髪」
「素敵……」
クララはすっかり目がとろけている。
「あ、ダメだわ……」
「シアン!」
「酒を持ってきてちょうだい!」
ベアトリスは諦めて酒に逃げ始めるが……
「ババア飲みすぎですよ」
シアンは気にして一応注意する。
「普段そんなに飲まないわ」
「もはやこんな生活では、」
「飲まないとやっていけないわよ」
ベアトリスは諦めたかのように、
ワイングラスを掴んで豪快に飲み始めた。
「クララ様は何かいりますか?」
「あなたが欲しいです……」
クララは完全に自分の世界に入り込んでいる。
「はい?」
シアンは困惑した表情を浮かべる。
「ご、ごめんなさい」
「えっと……」
「お肉のおかわりが欲しいです」
クララは慌てて話を誤魔化した。
「そういうことでしたか」
「お部屋はどうぞご自由に使ってください」
鈍いシアンは全く気づいていない。
「ありがとうございます……」
クララは複雑な気持ちで、
シアンを見つめ続けた。
「アリシア」
「今日は余とキャンプするか?」
アリシアに撫で回されて、
すっかり上機嫌なアスタロテは、
食後のデートを提案する。
「えー!?」
「火事になっちゃうわ!」
アリシアは冗談半分で笑いながら、
目の前の皿に盛り付けられたステーキを、
ほおばっていく。
「問題ない!」
「余は火と雷を吸収できるからな」
「そこのしょげて酒を飲んでる女も、」
「参加してよいぞ」
アスタロテは上機嫌でベアトリスを指さす。
「ベア良かったわね!」
「今日は三人でキャンプファイヤーよ!」
アリシアはテンション高めに、
アスタロテを撫で回し続ける。
「わかったわ……」
ベアトリスは自分に、
拒否権がないとわかり諦めてしまう。
「クララ」
「せいぜい頑張って……」
ベアトリスはもう諦めの境地に、
達している。
「はい……」
「シアン様」
「お部屋まで案内してくださりますか?」
何か言いたげな表情で、
クララはシアンをみつめ続けて……
「かしこまりました」
「おい、トカゲ」
「セカイを消し飛ばすなよ」
試しに煽ってみるが……
効果はなさそうだ。
「お主ではないのだから……」
「それくらいの分別はわきまえておる」
「挑発にはのらないのね……」
「助かったわ」
ベアトリスは内心、
本当に安堵していた。
「余裕たっぷりね」
「アスタロテ!」
「余は五千歳じゃぞ!」
「これくらい問題ないわ」
二人は立ち上がり、
ベアトリスの側まで行く。
「ちょっと……」
アスタロテはベアトリスを、
無理矢理立たせて、
腕を組んで歩き始める。
「三人で腕組んで行くのは恥ずかしいわ」
「何を言っておる」
「お主も共に戦った仲間ではないか」
「卵を取り戻すために〜」
アリシアが真ん中で、
上手くバランスを取っていた。
「このドラゴン」
「愛嬌ありすぎでしょ……」
「どっかの執事と違って……」
「コミュ力高いわね」
「あなたが姪っ子の将来の妻に、」
「なるなら好きになれそうだわ」
ベアトリスは食堂を出る前にわざとらしく言う。
その目線の先にはシアンがいた……
「ちっ……」
「トカゲとババアめ……」
不機嫌になったシアンは、
二人をにらみつける。
「だ、大丈夫ですか?」
クララはそんなシアンを見て、
少しだけ動揺してしまう。
「はい、問題ございません」
「行きましょう」
こうして夕食会は修羅場に、
ならずに済んだのであった。
アスタロテが余裕の正妻ぶりを発揮していましたね。
次回はキャンプファイヤーです!
楽しみに待っていてくださいね!




