お披露目当日
お披露目の日は朝から大忙しだった。ユティシアはディリアスと最終的な打ち合わせを終えて自室に戻った。
すぐにミーファにドレスを着せられ、髪を結われる。しかし、今日はさすがに一人では準備が間に合わないので、リーゼも協力してくれた。陛下の傍に控えていなくていいのかと問うと、陛下は他の侍女を持っているから問題ないのだと言われた。
リーゼとミーファは驚くような速さでユティシアの身支度を整えていく。二人とも侍女としての能力は高い。ユティシアは二人にされるがままになっている。
「御髪はどうしましょうか?」
「そうですね、全部結い上げてしまうのは惜しいです」
ユティシアの髪は、日の光で輝き、風を受けてなびくのが美しい。そのため、ミーファはユティシアの髪を結い上げたことはほとんどなかった。
その後、ミーファとリーゼは何度も話し合いを重ねてやっとのことでユティシアの準備は整った。その頃にはユティシアはくたくたになっていた。
「準備は出来たのか?」
ディリアスがドアから覗いて様子を伺う。
ユティシアは返事をしてディリアスの前に姿を現す。
ユティシアはディリアスの服装を眺めた。
ディリアスは濃い色の金糸の装飾をされた服を着て、マントを羽織っていた。腰には装飾用の剣を佩いている。
こんなに格好良いと、今日のお披露目に出席する令嬢たちはディリアスを放っておかないだろう。そして、その妻であるユティシアも放っておいてはもらえないだろう…出来れば彼女たちの嫉妬は買いたくない。
こちらを見つめてくるユティシアにディリアスは思わず見とれていた。
ディリアスがユティシアに選んだのは瞳の色に合わせた、薄い水色のドレス。裾の部分には何枚か布を重ねていて、水色から白へのグラデーションが見事である。ドレスには銀糸によってたくさんの美しい刺繍が施されている。
ユティシアにはあまり濃い色は似合わない。薄い色は清楚な感じを引き立て、彼女をより美しく見せる。
髪型は左の側頭部の髪だけを結い上げ、残りの髪は背中へ流している。髪留めとして大きな花が付けられている。薄く施された化粧は彼女の美しさを損なうことはなかった。
「綺麗だ」
ディリアスはそう言いながらユティシアをぎゅっと抱きしめた。
「ドレスがしわになってしまいます」
困った表情をしながら、ユティシアはディリアスの腕の中にいる。
「そろそろ行くか」
やっとユティシアを解放したディリアスは、笑みを浮かべながらユティシアに手を差し出した。差し出された手の上にユティシアは自分の手をそっと重ねた。
二人の姿にリーゼとミーファは満足げな表情を浮かべて見守っていた。
更新遅れて申し訳ないです。
どんどん書き上げていてWordには溜め込まれていますが、どうやらインターネットの接続が悪いようで、なかなか更新できません。
…そろそろこのパソコンも寿命でしょうか。購入してから10年以上たっています。
正直、このパソコンおかしくなっていると思います。
今もまさに画面上で右上に表示されている最大化のマークが“1”になっています。ちなみに最小化は“0”、閉じるは“a”です。
どなたか、私と同じ状況におちいっているという方、いらっしゃいませんか?




