第69話:ついに視線の主に話しかけてみたら、まさかの無言ガチ睨み!?☆
最近ね〜、ず〜っと私のこと見てる子がいてさ。
気になっちゃって、つい話しかけたんだけど……なんで無言で睨まれたの!?怖ッ!?
……って、もしかして私、なんかやらかした?え、模擬戦の件?う〜ん、それはまぁ……うん☆
廊下を歩くルネアの後ろから、かすかな足音がついてくる。
(まただ……今週で五日連続。てか、今日もか!)
曲がり角でふと立ち止まり、クルリと振り返る。
「はい、そこのあなた〜。ストーキングは犯罪ですよっ?」
予想通り、そこにいたのは白衣姿の女生徒だった。
前回と同じ、感情の読めない顔。そして、完全に無言。
「……やっぱ君、私のこと見てるよね? 好きなの? それとも憧れ?」
ルネアが一歩近づくと、彼女の眉がぴくりと動いた。だが、やはり口は開かない。
「え、無言? なんで? ガチ睨み……!? ちょ、こわっ!?」
まるで心を読まれているような、冷たい目。
ルネアは軽く笑ってその場をやり過ごすように見せつつ、内心では警戒を強めていた。
(この子……普通の生徒じゃない。情報機関系、確定)
そんな彼女の勘は当たっていた。
その白衣の少女、リゼットは、王国魔導調査局直属の特級観測官。
現在、“対象L”の行動パターンを分析する任務に就いている。
「……本当に、笑ってるのが逆に怖い」
リゼットは小さく呟いたが、ルネアには聞こえない。
しかし、ルネアは目を細めながら微笑み、こう告げた。
「君さ〜、もうちょっと可愛げある反応してくれない? せっかく話しかけてるのに〜」
その軽口の裏にある意図。
“気づいてるけど、泳がせてるよ”――という、ルネアなりの牽制だった。
その後、ルネアは図書館の裏階段へと足を運ぶ。
調査したい資料へのアクセスが封じられ、正面からのアプローチは難しい。
だが、裏ルートは存在する。
(ここに、まだ見落とされた巻物があるはず)
手に取った古文書には、“動力結晶”という語が繰り返し出てくる。
それは、かつて村を襲ったマドウ兵器の中心部に使われていたものと酷似していた。
「……やっぱり、これだ。間違いない」
彼女の目が一瞬だけ、赤く光る。
だが、その光はすぐに消え、またおどけたように笑った。
「さて〜、これ見つけちゃったら、さすがに誰か焦るんじゃない? ふふん☆」
その笑顔の裏で、誰にも見えない“何か”が、静かに動き始めていた。
わー、びっくりしたー! ガチ睨みって、リアルでやられると超こわいんだけど!?
私、何も悪いことしてないのに〜(たぶん)
でも……ちょっと楽しくなってきたかも☆
次回、「見つけた巻物、やばい内容すぎた件について」に続くよ〜!絶対見てね〜♪




