表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説級の精霊ですが、今日もただ遊んでいます  作者: トイレットペーパーの芯
4章 : 正体バレたら即終了!?偽りの転校生は最強でした☆
53/74

第53話:ティアラと秘密の放課後☆少しだけ、心が近づいた気がした

放課後って、自由な時間だよね〜。

好きなことして、好きな人と話して、ちょっとだけ現実を忘れて。


──そんな時間を、一緒に過ごせる相手ができたって、ちょっとだけ嬉しいかも。



「ルネア、ちょっと寄り道していかない?」

ティアラがそんなことを言ってきたのは、授業が終わった帰り道だった。


「ん? どこ行くの?」

「ふふ、秘密♪ でも、すっごく綺麗な場所だから」


彼女に誘われるまま、私は学園の裏手にある小道を歩いていく。

ふわふわした風が、制服の裾を揺らした。

途中で見かけた猫に、ふたりして小さく笑って──そんな瞬間がなんだか心地よかった。


「……うわぁ、ここ……」

開けた丘の上。

遠くに王都が見渡せて、夕陽がすっごく綺麗に染めてる。

雲の切れ間から、オレンジ色の光が差し込み、風に揺れる草が金色にきらめいていた。


「でしょ? 私、ここでよくひとりでお弁当食べたりしてたの」

「ふ〜ん、でも今日からはふたりだね☆」

「……ふたり、か」


ティアラはびっくりした顔をして、すぐに笑ってくれた。

──それだけで、なんかあったかい。


「ねぇ、ルネアって……時々、寂しそうな顔するよね」

「……え?」

「強いし、明るいけど……たまに、誰にも見せない顔してる」


私は答えなかった。なんて返したらいいのか、ちょっと分からなかったから。

でも、ティアラの言葉は刺さらなかった。むしろ、ふわっと包まれた感じ。


「でも、私にはそういうの……隠さなくていいよ」

「……じゃあ、ティアラも。今度はそっちの話、聞かせてね」

「うん。実はね……私、家ではけっこう大人しくしてる方なんだよ」

「え〜!? こんなにハキハキしてるのに?」

「学園では、ちょっと頑張ってるだけかも……」


そんな話をしながら、私は気づいた。

この子と話してると、なんか「らしく」いられる。

無理にテンション上げなくてもいいし、気を使いすぎなくても大丈夫って思える。


「ルネアは……なんていうか、“不思議”だね」

「それ、褒めてる?」

「うん。私、ルネアみたいな子、初めて」


「私も、ティアラみたいなの……初めてかも」

「え? それ、いい意味?」

「もちろん☆」


彼女の笑顔を見てると、心の奥がくすぐったくなる。

私はこの世界に来てからずっと、こういう時間が欲しかったのかもしれない。



秘密の場所、秘密の会話、秘密の時間。

こういうの、悪くないかもね。

明日もまた、ティアラと一緒にいられたら──それだけで、少しだけ安心できそう☆



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここまで読んでくれてありがと〜! 今日もふわふわルネア、元気に生きてます☆ 「面白いかも!」って思ったら、 評価ボタン(★)とブクマしてくれたら嬉しいよ〜! 感想も気軽にどうぞっ♪ 全部、ちゃ〜んと読んでるからねっ! 次回もお楽しみにっ☆ るねあより♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ