第52話:実験発表でバレかけた!?精霊の力がつい…☆
昨日の実験、まあまあ楽しかったし、
セリスちゃんもツンツンだけど悪い人じゃなかったし……
でもね、今日の「発表会」って、何かが起きそうな予感しかしないんだけど!?☆
教室の前には魔力測定装置がズラリと並び、生徒たちは緊張した面持ちで準備をしていた。
「今日は昨日の成果を、みんなの前で発表してもらう。
装置の説明と、魔力の流れがどう変化したか。順番に前へ出て」
先生の声に、何人かがざわざわとした。
そして——
「ルネア・フェルディナ、セリス・アイゼン、前へ」
(うわー……トップバッター!?)
セリスは落ち着いた様子で装置を運び、私はそれを後ろからそっと支える。
「……壊さないでよ」
「失礼な☆ 私だってやるときはやるのよ〜!」
装置の前に立ったセリスが、説明を始める。
「我々は、“魔力の相互循環”に着目して実験を行いました。
一方が流した魔力が、他方にどのように影響するかを測定しています」
「難しいこと言ってるけど、やったことは簡単だよ〜☆」
私は笑って、魔力を装置に流す。
その瞬間、結晶がピカーンとまばゆく光った。
「えっ!? ま、まぶしっ……!」
教室が一瞬ざわめく。
「ルネアさん、その魔力量……異常です!」
「えへへ、照れるな〜☆」
「いや、照れるところじゃ……っ!」
先生も目を見開いて驚いていた。
「その量、普通の精霊とは思えんぞ……」
(や、やば……ちょっと出しすぎた!?)
「す、すみませんっ! 設定ミスですっ!☆」
私は慌てて魔力を引っ込める。結晶の光がすっと収まり、空気が静まり返る。
セリスが小さくため息をついた。
「あなたって……ほんと、騒がしい存在ね」
「いいじゃん、賑やかなのは元気な証拠☆」
すると、ティアラが小声でささやいた。
「ルネアさんって……もしかして、ただの精霊じゃない?」
「う、うん? 気のせい気のせい〜☆」
(ティアラ、鋭い……!)
ちょっとだけ、いや、かなり目立っちゃったかも!?
でも大丈夫、まだ正体はバレてない☆……はず!
次はもうちょっと静かにしておこっかな〜、たぶん!




