第5話:森の密命!?喋る木の実のナリくん現る!
前回は目力で魔物撃退! ふふっ、これが“伝説級の精霊”ってやつ?
……って思ってたら、今度は実がしゃべった!?
「よーし、今日のおやつ発見〜〜っ!」
森の中をふらふら歩いてた私は、
ふかふかの苔の上に、まるで宝石みたいな木の実を見つけた。
つやつや、まんまる、真っ赤に熟してて……まさに森の恵みって感じ!
「見た目100点、香りも最高! これはいただくしかないでしょ〜!」
テンション高めで、さっそく口に運ぼうとした——その瞬間。
「ちょ、ちょっと待ったぁあああああっ!!」
「……へ?」
突然聞こえた大声に、私はピタッと手を止めた。
でも周りに誰もいない。
「や、やめてください! まだ熟しきってないんですってば〜っ! 食べたらお腹壊しますよぉ!」
「……え、誰?」
私の手の中の木の実が、ぷるぷる震えていた。
「……えっ!? 木の実が喋ってる!? そんなファンタジーあったっけ!?」
私は驚いて、両手で実を持ち上げてじっと見た。
すると、中から小さな目と口、さらにちっちゃな王冠がぴょこっ!
「ごきげんよう、ルネア様! 私、森の監視担当ナリと申しますっ! 精霊本部からの密命でここに……って、わあっ! 潰さないでください〜っ!」
「ちょちょちょちょ!? なんでおやつからスパイ出てくんのよっ!? やばっ、国家機密レベルじゃんコレ!」
私は驚いて、実をそっと地面に置いた。
ナリは涙目で肩(?)を震わせながら言った。
「あと数秒で私、丸かじりされるところでした……」
「ご、ごめんってば〜〜〜っ!!」
そして、ナリが落ち着いたところで事情を説明してくれた。
どうやら、私が昨日放った“謎のエネルギー”(=目力)が本部にまで感知され、
その調査と監視のために送り込まれたんだとか。
「……それってつまり、私の力、もうバレてる感じ?」
「はい、結構ガッツリと……」
「うわ〜、完全に本部にマークされてるやつ〜!」
その後、ナリは“変装して潜入中”だったのがバレてしまったので、
もう隠れるのをやめて、堂々と私たちの仲間になった。
「ま、仲間が増えるのは楽しいことだし、オッケーオッケー!」
「ええ!? そんな軽いノリで決まるんですか!?」
「だってさ〜、私ひとりじゃ寂しいし。もふとナリと、3人チームってことで!」
「もふ〜っ!」
ナリはしばらく苦笑いしてたけど、
そのうち空中にふわっと浮かび、私の肩の近くに来た。
「じゃあ……よろしくお願いします、ルネア様」
「うん、よろしくナリ!」
そして。
「さーてと、仲間も増えたし、次はお昼ごはんだね〜☆」
「まーた食べ物っ!? さっきまでおやつって言ってたじゃないですか〜!」
「ルネアおねーちゃん、ほんとに食べるの好きだね〜」
「……このチーム、ほんとに大丈夫なんでしょうか……」
ナリのそんなつぶやきは、森のそよ風にふわっと流れていった。
でも私はちゃんと聞こえてた。
「だいじょーぶっ☆ 私たち、最強だもん!」
まさかのおやつがスパイ!? 国家機密を口に入れるとこだった〜〜!
新キャラ・ナリくん加入で、ますますにぎやかに☆
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