第47話:また見られてる!?転校生、注目の的です☆
今日は絶対に“何も起きない日”にしたかったのに。
なのに……なんで私、また誰かに見られてる気がするの〜?☆
学園生活にも少しずつ慣れてきて、
私は毎日“平和に、目立たず、のんびり”を目標にしていた。
……の、はずだった。
「最近、ルネアさんの周辺で小さな魔力干渉が観測されてるんです」
「へぇ〜? それって、私のせいじゃないといいな〜?」
同じクラスの観測担当・シルクが、小声で言った。
「ルネアさん、誰かにつけられてる……かもしれません」
「えっ、マジで!? 私、変なファンクラブでもできた!?」
「そういう軽さが……心配なんですけど……」
* * *
昼休み、私は校庭の端っこに座って空を見上げていた。
さっきから、ず〜っと感じるのよね……ぴりぴりした視線。
「まさか……また“誰か”が?」
私はちょこっとだけ瞬間移動して、木の陰へ。
すると。
「……やっぱりいたっ!」
そこには黒い外套の人物が、木の上からこちらを観察していた。
「わっ、まさか本当にいたとは……!」
私の存在に気づいたその人は、慌てて逃げようとする。
でも、その前に私は目を合わせてしまった。
「……あ、ごめん。また気絶しそう?」
足をもつれさせて地面に落ちた彼は、目をぐるぐる回しながらぶつぶつ言っていた。
「確定……特異個体……クラスA、視線による精神干渉……」
「う〜ん、やっぱり私って、見つかっちゃうタイプ? 隠れられない星の下に生まれたのかも☆」
私はその人を木の根元にそっと寝かせて、ポケットから取り出したキャンディーを渡した。
「はい、甘いもの食べて回復してね☆ 見なかったことにしてあげる!」
* * *
午後の授業。
私はあくびをしながら席に着いた。
(今日は静かに過ごすって決めたのに〜、なんでこうなるの〜)
でも、心のどこかでちょっぴりワクワクしている自分がいた。
(まあ、退屈よりはマシかな♪)
その日の帰り道、私は空を見上げながらふと思った。
「こういう小さな事件が続くと……何か、大きな波が来る前触れだったりして?」
リシャやナリがいたら、きっと「それはフラグです」って言うだろうな。
でも私はただ、今日という一日をのんびり終わらせたかっただけ。
それだけ、なのに――
「……また、誰かの気配?」
すぐに笑顔を取り戻して、くるりと一回転。
「や〜めた! 明日からは絶対に静かに過ごすって決めたんだから☆」
私は足取り軽く、寮の方へと歩き出した。
また監視されてたっぽいけど、
まあ、害はなかったからOK☆
次こそは……もう少し平和な一日になりますように〜!
……なんて言ってると、また何か起こったりして?☆




