第43話:転校生の正体って何!?噂が先行しすぎて超注目☆
ふつう、入学二日目って「ちょっと慣れてきたかも?」くらいじゃない?
なのに私、朝から廊下でガン見されてるんだけど……☆
昨日は元気よく挨拶しただけのはずなのに、なんでこんなに注目されてるの!?
朝の校門をくぐった瞬間、なぜか周囲の空気がピタリと止まった。
耳に入るのは――ヒソヒソ、ヒソヒソ……噂話のオンパレード。
「昨日の転校生、やばくない?」
「目が合っただけでビリッとしたって……」
「実は王家の隠し子説、マジであるかも……」
「いやいや、異国の精霊族とかいう噂もあったぞ」
(お、おかしい……私、ただ笑ってただけなのに!?)
私はなるべく自然体で歩くことにしたけど、視線がどこまでも追ってくる。
そして一人が囁けば十人が騒ぐ。学園って、こういうとこだったっけ!?
「ルネア、おはよう!」
元気な声とともに、肩をポンっと叩かれた。
振り返ると、同じクラスの陽キャ風少女・ユミナがにっこり。
「昨日の自己紹介、すっごく印象的だったよー! 友達になろ!」
「うん、もちろん☆ よろしくね、ユミナちゃん」
テンポの良さと明るさで、私たちはすぐに打ち解けた。
彼女は流行に敏感で、ちょっとおしゃべり。でも悪気はなく、純粋なタイプ。
一緒にいると、なぜか騒がしいけど楽しい。これ、案外悪くないかも?
「それよりさー、あの銀髪の男子……ちょっとルネアのこと見てなかった?」
「え、誰?」
私は教室を見渡し、彼を見つけた。
静かに本を読んでいる姿は、なんだか浮いてる。いや、ただの読書男子……ではなさそう?
「彼、名前はユルクって言って、学園でも上位の成績らしいよ。ちょっと無愛想だけど、優しいときもあるって噂」
(ふーん……要チェックだね☆)
そんな彼の視線を気にしつつ、私は教室に入る。
でもその途中、目に飛び込んできたのは、図書室の前に貼られた一枚の紙だった。
『魔導史研究同好会:新入部員募集中』
「おお……“魔導史”って、ちょっと興味あるかも」
マジで。情報、あるかもしれないじゃん? 遺物とか書物とか。
私はそっとポスターを剥がし、懐にしまった。行動は早めに☆
その直後、後ろからひそひそとした声が聞こえた。
「昨日、あの子が教官にタメ口だったって本当?」
「いや、それどころか、教官が一瞬ビビったって話だよ?」
「もしかして、あれって……魔眼持ちとか?」
「ねえ、それ私の話!? やめてよ、どこまで話盛ってるのよ〜っ☆」
私は即座に振り向いて、ツッコミを入れたけど、噂の火はすでに炎上中。
しまいには「次元の狭間から来た説」やら「神の使い説」やら、もう好き放題☆
(なんでこうなるの!?)
でも――そんな騒ぎの中でも、ユルクの視線だけは変わらなかった。
鋭く、静かに、でも明らかに私を“測って”いる。
「……何か?」
「いや……見たことのないタイプだなと思って」
彼の言葉に、私はニヤリと笑った。
「そりゃそうだよ。私は“偽りの転校生”だからねっ☆」
謎を撒き散らしつつ、学園二日目はまだまだ波乱の予感しかしない!
友達ゲット、新しい部活のターゲット発見、そして……謎の男子登場!?
この学園、情報だらけで最高かも☆
次回は、こっそり部活に潜入……のはずが、まさかのニアミス発生!? お楽しみに〜♪




