第二十三話:えっ、これも私が作ったの?前世チート発明、爆誕☆
「ナリ、この残骸……ちょっと貸して〜☆」
森に残されていた謎のドローンの破片。
それを手に取った瞬間——私の脳内に“カチッ”と何かが繋がった。
なんていうか、すっごく懐かしい。
だけど、確かに初めて見るはずの構造なのに……。
「なんか……うずうずしてきた☆」
私はドローンの外殻を外し、中の構造をじっと見つめた。
回路、動力、魔力伝導盤。
「……見たことないはずなのに、懐かしい気がする」
ナリが首をかしげる。
「ルネア様、それ……前世の記憶ですか?」
「うん、たぶん☆」
私の手は勝手に動き始めていた。
近くの素材、村で集めた部品。
木片、魔石、熱伝導鉱、回収したマナ結晶。
「この流れ……これはもう、作るしかないでしょ〜!」
リシャが驚きながら問いかける。
「ルネア様、何を作ろうとして……」
「“生活快適自動化装置”☆ 名付けて『ルネ式エネルギーアシストくん1号』!」
「長いっ!」とナリとロボが同時にツッコミ。
私は笑いながら、構造体をぐるぐると組み上げた。
仕組みは簡単。
村の井戸に接続すれば、水を自動で汲み上げてくれる。
魔力で動き、しかも省エネ。
——1時間後。
「……動いた!」
リシャの目がまんまるになった。
「これ……水が勝手に……!」
「うん、魔力が足りなくなったら太陽光で充電するの! 便利でしょ〜?」
村人たちが集まってきた。
「なんだこれは……!?」「井戸が……勝手に……?」
長老がそっとつぶやく。
「まるで、古の神話に出てくる“魔導機械”のようだ……」
「ちょっとしたお手製☆ まだまだ改良の余地あるけどね〜」
ロボが解析報告を提出。
「魔導効率:既存装置の3.4倍。感応速度:1.8倍。安全性:高」
「……やば、自分で作っておいて引くレベル☆」
ナリがぽつりとつぶやいた。
「これは……村の生活を変えてしまう力です」
「便利って、素晴らしいよね☆」
さらに私は、似た素材を使って小型の照明器具を試作してみた。
夜でも安定して明かりがつき、しかも魔力で調光も可能。
子どもたちがそれを囲んで「きれーい!」と歓声をあげる。
「やっぱり、こういうのって……作ってよかったって思えるね〜」
リシャも笑っていた。
「村の人たちが、こうやって笑ってくれるのが一番です」
「だねっ☆」
その夜。
ナリとリシャは私の隣でそっとつぶやいた。
「……ルネア様が、この世界を変えるかもしれませんね」
「変える、かぁ……」
私は夜空を見上げて笑った。
「うん、どうせなら、楽しい方向に変えたいよね☆」
魔法もいいけど、発明って……ちょっとワクワクする。
“前世の記憶”が、この世界で役立つってわかった今——
さて、次は何を作っちゃおうかな?☆




