第20話:ついに来た?村のド真ん中で爆発事件☆
ふわぁ〜……朝の伸び〜って気持ちいいよね☆
と思ったらさ、なんか村のど真ん中から煙上がってるんだけど!?
私、まだ歯も磨いてないのに、なに始まってるの〜!?!?
その朝、ルネアは村の外れにある小屋で、いつも通りのんびりと目を覚ました。
「ん〜……よく寝た〜☆ さ、今日も遊ぶぞ〜って、うわ、なにあれ!?」
窓の外、村の中心部から煙が上がっている。
焦げた匂いとともに、爆発音のようなものが風に乗って届いてきた。
「ナリ〜!! モフ〜!! なんか事件起きてるよ〜!!」
慌てて飛び出したルネアの前に、ナリが真顔で立ちふさがった。
「ルネア様、落ち着いて。あれは……意図的に仕掛けられた“装置”です」
「え、装置? 誰の? 村のじゃないでしょ?」
ナリは測定器をかざしながら答える。
「魔力反応が異様に不安定です。爆発はその副作用。これ……王国の観測装置と酷似しています」
「また王国か〜……ほんと、こっちのこと監視したいならもっとちゃんと来てくれればいいのに☆」
村の中心では、数人の村人が倒れており、幸いにも重傷者はいないようだった。
ただ、その装置の中央には、焼け焦げた金属片と──見覚えのある“紋章”が刻まれていた。
「この紋……やっぱり、私を狙ってるんだね」
その瞬間、ルネアの目が赤く光を帯びた。
装置の残骸に視線を向けると、その破片の一部が宙に浮き、彼女の周囲で軌道を描き始める。
「精霊の力と……干渉してる。これは“誘導信号”……まるで試験用のトラップみたいだね」
モフが不安そうに近づいてくる。
「おねーちゃん、これ……また狙われてる?」
「うん、今回は“見る”んじゃなくて、“反応させに来た”感じかな」
ルネアは笑顔を浮かべながら、指先を軽く鳴らす。
その音に呼応するように、装置の周囲の残留魔力が一斉に霧散し、場の空気が澄んでいく。
「よし、これで村にはもう影響ないよ。……でもね」
ルネアは立ち止まり、静かに空を見上げる。
「“私の力”を試すなら──次は、ちゃんと出てきてね?」
空の彼方で、一つの影が風に溶けるように姿を消した。
それを見送るルネアの目は、すでに戦う者のものだった。
もう〜……朝から爆発とか、目覚まし代わりにしては激しすぎない!?
ま、でも村の皆が無事でよかった〜☆
次回、「もっと怪しまれるぽんこつ演技、始めます♪」で会おうね〜!




