第十三話:火事のついでに、魔物を片付けてきた☆
森の奥で出会った謎のロボくん。見た目は金属でできた小さな子どもみたいだけど、なぜかプリンには興味津々。
この子、ただのマスコットかと思ったら──意外と、すごいやつかもしれない。
「起動状態安定。機能再構築……完了。案内モードへ移行します」
ロボくん(仮)がぴこっと手を挙げると、目の部分が青く光りだした。
「案内? この遺跡、見学コースとかあるの?」
「ルネア様、これは遺跡というより……現役の制御施設かもしれません。警戒を……」
「まあまあ、せっかくロボくんが“案内するよ”って言ってくれてるし、ちょっとついて行ってみよっか」
「いや、だからそういうのが危ないんですってば〜〜っ!」
ナリの悲鳴をBGMに、私たちはロボくんの後ろをてこてことついて行くことになった。
道中には、透明な管が走る通路や、壁に埋め込まれたホログラム装置など、ちょっと未来っぽいギミックがたくさん。
「ルネア様、ここ、技術レベルが異常です……国家クラスの魔導文明と同等かそれ以上……」
「へぇ〜、パーツの組み方も面白いし、研究者が見たらよだれ出そう」
「そうですね……って、なぜそんなに余裕なんですか!?」
ロボくんは途中で立ち止まると、小さな手で壁の装置に触れた。
その瞬間、空間にふわりと映像が浮かぶ。
「これは……記録映像……? でも、何語……?」
意味不明な文字がスクロールし、遠い昔の出来事のような映像が再生された。
「争い、破壊、……そして、“再起動”の儀式……?」
リシャの表情が少しだけ硬くなった。でも私は——
「……ねえ、この空間、居心地いいよね。空調整ってるって感じ?」
「今そんなこと言ってる場合ですか!?!?」
ナリの突っ込みが鋭く入る。
でもまあ、私は私。真剣になる場面は後でしっかり向き合えばいい。
ロボくんは再びくるりと振り返ると、小さな声で言った。
「この施設は……“来るべき戦い”のために設計されています」
「戦いかぁ……ふふ、私が動く時が来たら、きっとあっという間だよね」
「現段階、脅威反応なし。案内継続可能」
「うん、今は散策中ってことで。次に繋がるヒントがあるなら、見ておきたいし」
私たちはさらに奥へと進み、最後に出た場所は——
巨大なドーム状の空間。
壁面には数十の格納装置が並び、その中には……何かが眠っていた。
「これ全部、ロボくんの仲間……?」
「セキュリティユニット。未起動。必要時に稼働します」
「なるほど〜、つまり非常用ってことね。触らなければ安全、っと」
「えっ、珍しく慎重!?」
「起こしてバタバタになるのも嫌だからね」
私はにっこり笑い、ロボくんの頭をもう一度なでた。
「というわけで、ロボくん。今日はありがと。また来るね」
この遺跡には、まだまだ知らない秘密が詰まってる。
でも今日のところは、案内してくれたロボくんに感謝して——そろそろ帰ろう。
次回、ロボくんと一緒にもう一歩。ちょっとだけ“動き始める何か”の予感!?




