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幻想奇譚

癖になってしまったのですよ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ケチャップは甘めが、具は無くても良い派の人間です。

全てがくたくた、こってりが好みです。

子供舌( 'ω')

摩天楼が立ち並ぶオフィス街の隙間に、ちょこんと存在した赤煉瓦を発見致しました。看板に描かれたハンバーグ、オムライスの文字を拝見すると、此方が洋食屋さんである事が分かります。

一種のおまじないだと思うのですよ。洋食屋さんの定番メニューを書いてしまわれたら、そこから逃れられないと言うのは。故に木枠のドアを開いて、お邪魔させて戴く事に致しました。

木枠の扉を開けると、長細い店内が目に入ります。中も温かみのあるしっかりとした赤煉瓦。壁に並んだ1900年代のアメリカンなイラストが、ビートルズのテーマが何処か懐かしさを感じさせます。外観から想像していたよりも、小さく纏まった可愛らしい店内です。

そうしてぼんやりとカウンターを眺めていると、するりと料理が運ばれて来ました。

望んでいたもの。薄い卵でくるりと巻かれたオムライスに、俵型のこってりとしたハンバーグ。幼い頃からずっと飽きることなく好きなもの。

スプーンを差し入れて口に運ぶと、ケチャップの酸味が口一杯に広がります。甘さ控えめ。天然のトマトをそのままソースにしたような味わい。それがお米がくたくたになるまで、しっかりと絡んでおります。大きめにカットされた玉ねぎやベーコンが、味に変化を齎します。全体的に大人向けな作品。

オムライスに肩を預けたハンバーグに口を付けると、柔らかく口の中で解けていきます。熱々で、デミグラスでよく煮込まれた逸品は奥歯で圧力をかけると、ほろほろと崩れて行きます。


「そんな事があったのですよ」

「へぇ。それじゃあ、アンタの好みじゃなかったんだ」

渡の趣味は放浪だ。それも同じところを延々と周回するのを好む。どうやらそこで前々から気になっていた品に有りつけたらしい。

それを話す渡は楽しそうだった。けれども想像していた楽しみ方とは違うと言うか……。想像が十割の喜びならば、今の渡は三割の喜びと言ったところ。

まぁ、前々から見ていても思う通り、渡は結構な甘党だ。余程の事が無い限り、珈琲にはミルクと砂糖を入れる。前に食事の〆は何かと聞いたら『出来ればケーキで』とも言っていた。言い方は悪いかも知れないが、結構子供舌である。

「そうですね。オムライスは飽きのこない作りで、私の口には大人向け過ぎました。もっと全てが甘い方が好みです。でも――」

それからくったりと頬を綻ばせて、私に食べたであろうその写真を見せる。

「癖になってしまいました。あの土地特有のお味がそこに御座います。今度、宜しければ御一緒致しませんか?」

「勿論」


オマケ

「どうでしょうか?」

「美味しい」

断面の何処を見てもしっかり赤いチキンライスは、贅沢な程にケチャップが絡んでいた。大きめにカットされた玉ねぎは、素材本来の辛味を残していた。食べていて執拗くない。飽きが来ない。でも子供向けでは無い。そんな味だった。

「好きだわ」

「ではまた是非。御一緒しましょう」

渡の味覚はほぼ私な気がします。

苦手なものを食レポ出来ないので、『このジャンルなくない?』と思われたら、単純に私が苦手な食材な気がします。


オムライスとハンバーグが一週間前から食べたくて、我慢して、ようやく食べました。もぐぅ。

チキンライスは贅沢過ぎる程にケチャップが絡んでました。

酸味強めで、具材は大きめ。

身近な人に『オムライスは飽きる( 'ω')』と言っていた人がいましたが、そういう人向けに作られていると感じます。


美味しいのですが、好みかと言われたら、首を横に振ります。でも癖になって離れがたくなります。


本当にこの土地を表しているなぁと思います。

大好きで離れ難い。というよりも、癖になってしまったというこの感じ。

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