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14

*



「あーーーっ!フィンそれは引っこ抜いてはダメ!!」



 ドスドスとフィンリーの隣まで歩いて行くとレイチェルは彼が掴んでいた草を慌てて手から奪い取って頬を膨らませながらプランターの中に植えなおした。


「え?でもそれ草じゃないの?」

「違うわ、これはハーブよ」


 もう、とため息をつきながら彼の抜いた草に目をやると他にも食べられるものを沢山抜いてしまっているようだった。


 その場にしゃがんで山盛りになった草をかき分けるように分別していく。その様子をしょんぼりした顔で見つめる弟に「仕方ないわねえ…」と声と出して手招きで呼んだ。


「おねえちゃん、ごめんなさい…」

情けない声を出しながら謝るフィンリーにいいのよ、と声を掛けてまた取ってもいい草を教えてあげる。


「いいこと?これはハーブでピザの上にのせて食べることが出来るの。こっちは腹痛用の薬になる薬草で、これは油で揚げると美味しい山菜。見た目が雑草と似ているから分かりにくいわよね……まずはわたくしと一緒にお庭のお手入れをしていきましょう!」


 にこりと笑って見せれば彼は被っていた帽子のつばをグッと前に下げてお礼を言う。その時、少しだけ頬が赤く染まっていたのでその場で水分を取らせて休憩してもらった。




*



 わたくしの義弟であるフィンリーは聖オリバーライン学園を卒業後、なぜか一年だけ姉である自分と一緒にこの片田舎の静かな家で暮らすことになった。



―王都の喧騒から離れてこうして田舎暮らしというものを体験したらきっとフィンリーも様々な場所で暮らす人々に目を向けることが出来る素晴らしい人間になるだろう、なんてお父様から届いた手紙を彼を預かった数日後に読んで思わず苦笑いしてしまった。



 彼と暮らし始めて早一週間。



 まだまだ田舎暮らしになれないフィンリーと2人、ゆったり自給自足生活を楽しみ始めています。安心してくださいね、お父様。と一言添えて手紙を送り返したレイチェルだった。





「別に熱中症ってわけじゃないのに~」

「顔が赤いし、今日は日差しも強いから。庭いじりに慣れていないフィンはもう少し涼しい所で休んでいて!」

「分かったよう………」


 不貞腐れたように外の長椅子に横になりだらける彼の頭をレイチェルはゆっくり撫でてあげた。そして「今日もお手伝いしてくれてありがとうね」と優しく笑いかける。


 横になって休むフィンリーを置いてまた一人で小さな庭の方へ戻っていくと「おねえちゃんはずるいー!」と叫ぶ声が聞こえて思わず吹き出して笑ってしまった。



 クスクス笑いながら花壇に向かうと、辺りいっぱいに広がるひまわりが顔を出した。

 そして綺麗に咲き誇っている何本かをハサミで切って摘み取ると他の花と一緒に水やりを始めた。


 背の高い花から低い花まで色とりどりの花壇に並ぶ花弁にキラキラと雨を降らすように水を撒いて行く。プリズムのように輝く粒が花弁から垂れていきその様を楽しそうに見守った。



「うん、どのお花もとっても綺麗に咲いているわね」



 この花壇に埋めたものは実家の使用人たちがレイチェルにくれた種である。

 ここに来た当初は上手に育てることが出来ず悔しい思いをしたがナンシーの手助けと毎日欠かさずガーデニングを続けていくうちに、ちょっとしたコツなんかを見つけたり覚えたりして今では綺麗に一輪一輪を咲かせてあげることが出来た。


「すべてのお花を平等に愛すのだ」とよく実家の庭師は言っていた、全くその通りだったのだな。と今更ながら感心する。


(いつか実家に帰った時には庭師に素敵な言葉をありがとうとお礼を言わないとね)




 両手に持ったひまわりを家まで運ぼうと花壇を抜けると、家の入り口近くにシドニーが来ていた。


「あら?シドニー?もう来たの、早かったわね」

「レイチェルさん!もうドキドキで、早く来ちゃいましたよ~~」


 両手をグーパーグーパーさせて落ち着かないように身体を縮ませるシドニーはレイチェルを見つめて少し涙目で駆け寄ってきた。

 笑いながら彼に大丈夫よと声を掛けると持っていたひまわりを見せる。


「ほら、綺麗に咲いたでしょう?」

「本当にレイチェルさんの育てるお花はどれも本当に綺麗に咲きますね……」

ほあ…と目を見開いてひまわりを見つめてからぎこちなくニタっと笑った。


「シドニー、表情硬いわよ?そんな顔で大丈夫なの?」

「だ、だいじょぶ…です………」


あーー、と奇声を上げて頭を掻きむしる彼は、すごくソワソワしていて一目で緊張していることが分かる。そんなシドニーを励ますために背中に手を伸ばそうとしたら、身体が思い切り後ろに倒れた。


「えっ?」と声を出したときにはもうレイチェルの体はすっぽりとフィンリーの腕の中にいた。


「こんにちはシドニー先輩、また来たんですか?」

「あぁフィンリーか、突然レイチェルさんが後ろに落ちていくから何事かと…」


 横になっていたはずのフィンリーがいつの間にかレイチェルの後ろにいて引き寄せるように体に腕を回していた。


「フィン、突然抱きつくのはダメよ?今わたくしは大事なお花を持っているのに…落としたら大変でしょう?」

そう言って彼の手を払いのけて、フィンリーの長い前髪を指で払うと自分のおでこをくっつけた。


「なっ………」

「うん…熱は大丈夫そうね?朝から調子悪そうには見えなかったからやっぱり暑さにやられたのよ、歩けるのなら二階で寝てなさい?体がしんどいのならまた掴まってもいいから」


 レイチェルは自分の腕を上げて「ほら?」とフィンリーに視線を送る、彼は言葉を探すように目を泳がせてからぎゅうとレイチェルの腰に腕を回した。


「お腹あたり掴んでていいから、つらくなる前に今度から声を掛けてね?」

「…………」

こくりと頷くのが見えれば、レイチェルは背中にフィンリーを付けたままシドニーに向き合うと眉を下げて謝る。


「シドニーごめんなさいね、フィンは熱中症みたいなの…もう暫く休んだら大丈夫だと思うんだけど」

「あ、えっと、その、まぁ……お大事に」

あとで冷たいものを届けさせるよ、と視線を逸らしながら曖昧に笑うシドニーにレイチェルは感謝して「氷があれば嬉しいわ」と答えておいた。



 シドニーに家の中に入ってもらい、くっつき虫をしているフィンリーを自分の背中から剝がそうとして「いやいや」とレイチェルの首元で首をぶんぶん振るので放置することにした。



 ことり、とティーカップをテーブルに置き手作りのお菓子も大きなお皿の上に並べる。


 そして先程切ったばかりのひまわりと綺麗なレースペーパーやリボンを何種類もかき集めてシドニーに前に置いた。



「さて、花束作りを始めましょうか!」



 レイチェルは椅子に座るシドニーの横に立つと、ひまわりの長さを切りそろえていく。

 彼は何色か気になる色のレースやリボンがあるみたいで手に取ったり、透かしたりして見ていた。その様子を見ながらレイチェルもひまわりに合わせる他の花を何種類かテーブルに並べた。


「何色の花束にしたいの?イメージとかあればそれでもいいのだけど…」

「あ、それなら青い紙を使いたいんだ」

「青?どうして?」

「青空の下のひまわりが好きだからさ、ナンシーは」

照れたように頬をポリポリ掻くシドニーを見てレイチェルは素敵!と手を叩いて頷いた。


 何色か用意していた中の青空のような色の包装紙と真っ白なレース、そしてふわふわのリボンを用意する。そこにキラキラしたレースペーパーも重ねてシドニーに見てもらう、彼は興奮気味に首を振って喜んでくれた。


「これならきっとナンシー喜ぶ、ありがとうございますレイチェルさん!」

「ふふ、良かったわ!それならこれで花束を作っちゃいましょう!」


 ラッピングを決めた後、テキパキと花を包んでいくレイチェルにシドニーは「おおぉ!」と声をあげ、フィンリーは埋めていた肩から顔を出してその様子をウズウズ眺めていた。


「これであとはリボンで結んだら、っと…完成!はいシドニーどうぞ」


 出来上がったばかりの花束をシドニーに手渡せば彼は目をキラキラさせてレイチェルの事を見つめ、自分の手をガシリとレイチェルの手に重ねるとブンブン振って感謝を伝えてくれた。



「レイチェルさん本当に素敵な花束をありがとうございます!王都の花屋で作ってもらうものよりも綺麗な花束です!」


すごいなぁ、流石だなぁ、とにこにこする彼にレイチェルも思わず笑みがこぼれてしまった。


 掴まれたままの手のひらをばちッとチョップしたフィンリーはジロリとシドニーの事を睨んだ。その顔を見てシドニーは声を出して笑う。



「ーいつかレイチェルさんが落ち着いたら犬を飼って暮らしたいと言っていたから、ナンシーがずっと良い犬がいないか探してたのに…最近になって急に探すのをやめたと思ったら、こんな所に理由があったんですねぇ」


 そう言葉にしてフィンリーの頭をゴシゴシと撫でる。触れられた手を払いのけるようにフィンリーが首を振って抵抗したので、レイチェルは思わず彼の頭を手で止めた。


「こら、フィンリー…?」

「ごめん…おねえちゃん」

しゅんとするフィンリーを宥めてからシドニーの方を見てため息をついた。


「そうね、あと一年は犬を飼う予定は延期かしらね。わたくしにはこの子のお世話だけで手一杯だから」


困ったような表情を見せれば、シドニーも「大変そうだな」とあきれるように笑ってから表情を緩めた。


「そうでもないわよ、お手伝いもしてくれるいい子なの」

フィンリーの頭を撫でながら目くばせすれば「くぅん……」と鳴く可愛い弟が返事をする。


 その声に思わずレイチェルとシドニーは吹き出して笑ってしまい「これはお世話が大変な甘えん坊さんね」とまた髪を梳くように撫でなおした。




「それじゃ!レイチェル様花束ありがとうございました!明後日話に来ますね!」

「えぇ、良い知らせを待っているわ」



 元気よく手を振って家から出ていくシドニーをくっつき虫しているフィンリーと一緒に見送り玄関の戸締りをした。




*




 夕方、二階に上がろうと階段に一歩足を踏み出してから、背中に引っ付いたままの弟に声を掛ける。



「フィンリー?階段は危ないから離れてちょうだい?」



 わたくし部屋に着替えを取りに行くから、と言えばスッとお腹に回っていた腕から解放された。くるりと彼の方に体を向けて上を向く。レイチェルよりも背の高くなったフィンリーに見下ろされながらクスクスと笑った。


「わたくしは別にあなたがいるから犬を飼わなかったわけではないわ、そんな顔しないで?」

「………」

「タイミングとして今くらいを考えていたけど、可愛い弟と一緒に居る時間も大切にしたかったの、だからあなたが実家に戻った後に犬の事は考えてみるし……もう、そんな顔しないでって」


 瞳をうるうるさせて、眉も下がってしまったフィンリーがプク~っと頬をいっぱいに膨らませている。怒っているのか悲しんでいるのかよく分からないその表情を見つめながらレイチェルは指で彼の頬を突いて、困ったような顔で笑う。


「僕が犬になる……?」

「ならなくていいわよ」

「わん……」

「ならなくていいってば」


 ぎゅうと向かい合う体を密着させるように引っ付いてきて、フィンリーは腕をレイチェルの体に伸ばした。そのまま自分の胸元にレイチェルの顔を押しつけ、ふわりといい香のする髪に顔を埋めた。


「もう、手のかかる弟ね」

「わん……」

「ほら人間に戻って?」

「わんん……」


 頑なに離れようとしない彼にいい子いい子、と背中を撫でてあげて「何か好きなことに付き合ってあげるから離してちょうだい」とお願いすればゆっくり体が離れて行った。


「……なんでも?」

「わたくしに出来ることで、常識の範囲内でならね?」

「なら今夜一緒に本を読んで寝よ?」

「はいはい、本ね。わたくしは先にお風呂に入るから寝る前にお部屋にいらっしゃい」

「うん、わかった」


 不貞腐れたままの弟に手を振り一人で階段を上っていく、自分の部屋の扉に手を伸ばし中に入ると「つっかれたぁ…」と声を出してベッドに横になった。


 今日は朝からバタバタと忙しかった、日中は日差しも強かったので花たちは水をあげてもすぐに干からびてしまうし、あげすぎるのもよくないしで…途轍もなく頭をよく使ったのだ。


 フィンリーは体調が少し悪くなってしまったし、王都よりもここは日差しが強いから慣れてないとすぐに具合が悪くなってしまう、自分も来たばかりの時はそうだったな…と思い出しながらクスリと笑った。


 昔よりも随分体が強くなったものだ、体力はもちろんだが持久力なんかも向上した気がする。か弱令嬢のレイチェルとはさよならね!なんて頭の中で考えて、目をうとうとさせてからハッとしてベッドから起き上がった。



「あぶない、このまま寝てしまう所だったわ…」



 このままお風呂にも入らず寝たら、きっと明日の朝フィンリーの機嫌がもっと悪くなってしまうだろう…と慌てて着替えを手に持って部屋を出た。



 階段を下りて脱衣所まで行くと急いでお風呂を済ませた。


 そのまま髪を綺麗に手入れして乾かしていくと、ダイニングのソファに横になって本を読むフィンリーを見つけた。


「次入っていいからね」

「うん」

「タオルとか置いてある棚分かるわよね?」

「うん」


 本に夢中なフィンリーはこっちなんて見もせず適当な返事ばかり返してくる。


 仕方なくソファの前まで言って隣に腰かけると、ペラペラとページを捲る手が一瞬止まった。

 その隙を逃さないように彼の本を持つ手を掴んで、肩に自分の体重をかけるように触れた。



「んぇ……?」



 こちらを見て目を丸くするフィンリーにレイチェルは「もう次お風呂入っていいから!あまり遅いとわたくし先に寝るからね?」と顔を近づけて怒った。



 ツン…と香る薬草の香りに気づいてテーブルの方を見る。

そこには何種類かの庭に生えていた薬草が置いてあって、もしかしてここで本を確認しながら薬草の勉強をしてくれていたのかしら…?とレイチェルの口元が緩んだ。



「ねぇ」と声を掛けようとしてもう一度視線をフィンリーに戻したとき、自分の体が天を仰いでバタリと倒れ込んだ。



「…なんでそんな、ずっと無防備なままなわけ…」



 気付けば肩をフィンリーに押さえられ、ソファに押し倒されているようだった。


 突然のことに声が出なくて、口をぱくぱくさせながら上から見つめられている彼の瞳を見る。フィンリーはレイチェルの肩から腕に手を滑らせていき、起き上がれないように掴めば、はぁ…と大きなため息をついた。


 掴んでいるのと反対側の手ででレイチェルのナイトウェアのキャミワンピの肩ひもを指に引っかけ軽く引っ張るようにしてリボンを解く。


ハラリと落ちていくリボンに、レイチェルは体をヒヤリと揺らす。



「おねえちゃんのワンピ、こんなすぐに解けちゃうんだよ。指先ですこし引っ張っただけで簡単に…」

「ふぃ…フィン……?」


 リボンがほどけたままレイチェルのナイトウェアのワンピースの首回りを指でなぞってから胸の谷間の隙間に指を差し込んで服を引っ張った。


「たぶんすぐ脱げちゃうよ、どうする?」

「え、あの…フィン…わた、」

「こうやってさ、胸元だけじゃなくて……足も出してさ…」


 彼は体を後ろに下げてから、するりと胸元にあった手をレイチェルの腰に移動させて、撫でるように足へ下ろして行く。スカートの裾を軽く捲ってから、レイチェルの膝を立たせて指先でクルクルなぞった。


「無防備な恰好で、べたべたと触らないでよ……弟だけど男なんだから」

「フィン、ごめんなさい、わたくし……」


 そう言って涙目になったレイチェルは体を震わせてフィンリーを見つめる。彼はまたため息をついて「加虐心でも煽ってんのかよ」と誰にも聞こえないような小さい声で呟く。



「あーーーーーー、もう…もうーーーー!!!!」



 レイチェルからガバッと手を離して、大きな声を上げたフィンリーは前髪をぐしゃぐしゃっと掻きむしって、下ろした長い前髪の隙間からギラリとした瞳でこちらを見つめた。



「はあーーー、おねえちゃん、ごめん…………」


 うなだれるように肩を落として謝ってきた弟に、キョトンとしてしまいレイチェルはまた訳が分からず口をぱくぱくさせた。


「こんな事するつもりじゃなかったのに……でも本当に薄着すぎるよ?僕も弟だけど男なんだから、ちゃんと分かってて欲しくて……あー…体をさ、引っ付けられるとさぁ…」

ナイトウェアだと胸がさ…と言いにくそうに言うフィンリーを見て、レイチェルはソファに横になったまま顔を自分の手で覆った。



(あぁ……びっくりしたわ……)



 突然の出来事に心臓はバクバク鳴り、顔も赤く染まっていく。

弟としか思っていなかった甘えん坊のフィンリーにまさか押し倒されて自分の薄着を注意されるなんて恥ずかしすぎるわ…と心の中で懺悔し、指の隙間から彼の事を見た。



(言いにくい事だっただろうに、ちゃんと注意出来て偉いわ………)



 それでも…肌に触れられた時の彼の顔がいつもの我儘な可愛い弟の表情ではなくて、男の人の顔をしていてその目に揺れた熱を帯びた瞳に思わず心拍数が上がっていく。


 どきどき、どきどき、と止まらない心臓の音に、落ち着け落ち着けと一人目をパチパチ瞬きさせながら静まるのを待った。




「おねえちゃん?」

「ふぇ…?!な、なに…!?」

「今日、やっぱ一緒に本読むのやめとく、また今度一緒に読もう?」

「そ、そうね…?そうしましょう!?わ、わたくしもう寝るわ!」


 少し収まった胸の苦しさを誤魔化しながら、フィンリーにおやすみを言って二階に駆け上がる。そしてバタンと大きな音をたてて自分の部屋の扉を閉めれば、ベッドに座ってふにゃふにゃと腰が抜けていくように倒れた。


「わたくし…何やっているの…………」



(今夜一緒に過ごさなくていいのは良かったけど……)



 あの子も男の人なのだと、今までの自分の行動を振り返って頭を抱えたくなった。


 それでも普段からべたべたしてくる弟の姿を思い出して、どちらかと言えばおあいこではないだろうか?なんて一人で考え込んだ。




 真っ暗な部屋の中、ベッドに寝そべり深呼吸をする。

そわそわ…とゆれる心、手のひらでぎゅうと胸元を抑え込んで、その日は頭を空っぽにして眠る。



(男の人に対しての免疫なさすぎるわ~わたくし!!!)



と夢の中でもまだそんなことを考えていた。




*


読んでいただきましてありがとうございます。

次回更新は5/18になります。

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