表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

57/67

ガチャ56 タバサの自主トレ

 どうして私はこんなに無能なんだろう。なんで弱いのかな。わかんないけど、頑張るつもり明日からなんて言ってられない。だからこそもっと頑張らないと。


 そうである。だからこそ早朝の西の森でゴブリンを狩っている。


 いわゆるスタミナをつける特訓であるのでゴブリンをどれだけ一人で片づけるかを競うわけではないが、魔力の循環を向上させる。そういう特訓である。


 魔力の循環を高める瞑想を行う。


 普通は座ってやるのだが、現在森の中でいつモンスターが現れるかはわからないので立った状態で瞑想をすることになる。


 瞑想はかなりの時間を有した。文字通り私は器用貧乏だ。ステータスはそこそこに高いのだがスタミナが低いという欠点がある。MPこそそこそこあるが、連続で魔法を撃つとリロードに時間がかかる。だから魔法を貯めておくのだ。あらかじめ詠唱して魔法発動の瞬間に貯金する。魔法圧縮とも言える技術を私は人知れず会得していた。だからあらかじめ魔法を発動していて圧縮して保存するのだ。


 魔法を圧縮して異空間に閉じ込めておくという三段階の認証を行うのは並大抵のことじゃない。


 このいわゆる魔法貯蔵庫も無限じゃなくてメモリを使っている。


 魔法を単純に発動する訓練もする。


 魔法の威力の調整もする。


 微弱、弱、中、大、特大、超特大、極大。


 7段階に分けられる魔法の強弱は。私は特大までしか使えない。


 だけど魔法を複数発動することはできる。だが、そこまで強い魔法が撃てないのは器用貧乏にもほどがあるだろう。だから魔力を底上げするためにマナを引き出す。


 空間にあるマナを自身の体に取り込んで自分のものにする。


 自身の体にある魔力をオドと言う。


 対して空間に漂っているのをマナと呼び通常はそれらも自身の体の中に取り込んで魔法発動の媒体にするのだが、私はそのオドもマナも不足している。


 シロちゃんやクロちゃん二人ともオドもマナも同時に大量に取り込んで魔法を発動していたので私の潜在的なキャパシティーが低いのだ。


 だがあの二人は特化型だ。


 シロちゃんは光魔法が得意で基本的にこれしか使わない。


 というか使えないの間違いか……実際は使えるだろうが。


 クロちゃんも闇魔法しか使えないというか得意なんだろうな。


 そんなことを考えていたらからなのか……シロちゃんとクロちゃんがこっちに来るのが見える。


「うにゃにゃ? タバサちゃんなんでここにいるのですかにゃ?」


「ほんとうなのですにゃぁ……僕たちの散歩コースで何をしているんだろうにゃ?」


「それは……特訓です」


 隠さずに言ってしまう。シロとクロには隠しても仕方ない。


「うにゃにゃ……? 確かにタバサちゃんは魔力容量低いから魔法の威力もあんまし高くないにゃぁ」


「知ってたのかな!? なんで……でもそうよね、ばれちゃうのも仕方ないわよね」


「タバサは器用貧乏だって見た時から見抜いてたねカイお兄様は気づいてないけどね」


 お兄さんはあんましというか素人だからね……魔力うんぬんとか魔法の威力とかは知らないだろう。


 そんなわけでシロとクロもここで特訓というのに付き合うという。


 シロもクロも瞬時にマナを空間から取り込んで瞬時にオドを足して魔法を発動している。


 シロは得意魔法は光魔法でクロは闇魔法が得意だ。


 シロはシャイニングジャベリンを放ってゴブリンたちを屠る。クロはダークメギドで一斉にゴブリンアーチャーとゴブリンメイジを組み倒す。


 ゴブリンたちなど朝のモーニングルーティンのようだ。


 もう少し奥のほうに行ってみたいが、そろそろ朝ごはんの時間なので戻ることにする。


「シロとクロとタバサどこ行ってたんだ?」


「ちょっとね……」


「うにゃにゃっ……特訓にゃ!」


「うっししし……ですにゃん」


 まあいいかみんなで美味しい朝ごはんを食べようか。

 みんなで美味しい朝ごはんを食べた。最高の朝ごはんだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ