ガチャ33 フレアさんはまだ知らない俺が弱いことに……だからこそ強くなる
俺はダンジョンで剣を奮う。ムカつかない程度に普通に奮う。力強く敵の攻撃を受けないように奮う。
無限の攻めてにより残像でも見えるかの如く動く。けどもともとは素人なので筋は出鱈目だ。
だがエクストラスキル【剣聖】の補正効果は凄まじかった件。なんていうか普通じゃないのだ達人ではないが太刀筋がもはや別物。でもやっぱりスキルの効果なのでちょっと無理やり感がある。
だがそれよりもみんが強すぎる。
リザードマンジェネラルが出現したのにしかも4体も。
だがレイミーさんが拳でしゅっばん! と粉砕して、ハクがモンスターモードで爪でぎゃくりと破壊して、ユキが牙でがつんと噛み砕いて倒していました。
リザードマンジェネラルよ将軍よ将軍でも普通に強つよなのがうちの仲間たちよ。
クロも闇魔法を惜しみなく飛ばして倒すのよ。
シロも光魔法のシャイニングジャベリンを飛ばして倒すのよ。
メルコさんなんてバーサクモードよ大斧とか大金槌で粉砕よ。なんて娘なのよ目が笑ってないよこの娘は……
「ふっふふふふふ……悪い子はお仕置きですよ~」
メルコさん恐ろしい娘!?
「うーさー!! もっと狩らせろ……もっとだ!! もっとうさー!!」
レイミーさんが暴君になってらっしゃる……
『カイ……あの人たちはまあいつもあんな感じですよ……』
ユキが俺を慰めてくれる。ああユキは癒しだな~。
とまあそんな感じで最奥に来ています。
しかしフレアさんも中々に強い。
俺よりも動きがしっかりしているので中々に強いと思われるかな。
宝箱を見つけて飛び掛かろうとした俺を止めて、罠に気を遣うのだ。
「凄いですね……俺だと見落としていたかも……」
「宝箱の罠は見るとなんとなく理解するんだよ……明らかに怪しいやつは感でね」
でも中身はしっかり良いものがあるようだ。
なんだろうこの玉は?
「スキルオーブじゃないかこれは……なんだろうどういうものだろうね」
「鑑定してみましょうか?」
「カイ君鑑定ができるのかそんな貴重なスキルを持っているなんて……」
「いえたまたまです……スキル 大声ですね」
「なんとも微妙なスキルだな……欲しかったらカイ君に上げようかな」
「いいんでしょうか? 微妙なスキルとはいえ……貰っても」
「いいよ今回付き合って貰ってるからそのお礼でかな……」
「ありがとうございます!」
俺はスキル大声を取得した。
大声を出してモンスターを脅かすスキルらしい。
試しに使うと確かにビビってたクロとシロが。
「お兄様声デカすぎです……」
「お兄ちゃん声でっかいねびっくりしちゃった……」
そんなわけで味方にもダメージがあるようなので微妙なスキルということだ。なんとも使えないスキルだね~。まあいいか何かと使えるかもしれないし。
進むと進む。ダンジョンは雲行きが怪しくなっている。
殲滅の狼煙を上げようじゃないか? さあ我らの仲間たちがモンスターを蹂躙するさまを! 俺は後ろで見ているだけか、魔法をこそこそ撃つ係です。
フレアさんはなんとも頑張っているけどね。
そしてアリアンテロイヤルウッドマンが出現した。最奥らしいな本当に。
樹木のモンスターは幹を増やして伸ばして絞め殺してくる。
でもハクがユキが爪で粉砕してクロとシロが魔法でドンッと破壊して。
レイミーさんが蹴りで樹木を粉砕して、メルコさんが大斧でぶった切っていた。
フレアさんが剣で切り裂く。
みんなでかかれば怖くないと言った感じだった。
世界を優雅に駆け上がるように皆は強かった。
俺は炎魔法を少し当てていたくらいだ。
アリアンテの聖樹木を手に入れてダンジョンから脱出した。
帰りは転移石があるから早いとか。
楽だな~みんなとにゃんにゃんしたいぜ。
貰った素材はルムルちゃんの店に全部納品しておいたぜ。
そんなわけで帰宅してミルクココアを飲んでバスローブに着替えてチョコチップクッキーを買っておいたのでみんなで食す。
「このクッキーうまうまですねカイ」
『美味しいですカイ』
そして一定数の討伐を確認したので特典として進化の石が届いていた。
よってユキの進化を開始することにした。