表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/25

3 宣誓! 生きます!

少し長くなりました。

あと、キーワードをローファンタジーに、変えました。

魔法使える設定にするか、悩んでいます。

その時は、ハイファンタジーに変更する必要が、あるでしょうね……。

 胸を押さえて、寝台の上で、のたうち回り。

 一時間位、苦しんだ。

 この村には、医者が居ないらしく、隣村のそのまた隣の村まで、馬に乗って村長が、呼びに行ってくれたが、その前に治まった。


 村長……、本当に、申し訳無い。




 俺は、ネクタイを取って、枕元に置きながら、発作の原因について、考えた。

 俺が発作を起こした原因は、地図だった。


 見たことが無い地形。

 見たことが無い地名。

 見たことが無い国名。

 下手すると、時代どころか世界すらも、違う可能性がある。


 俺は、知らない場所に来て、その原因が分からない。

 どうやって来たかも、分からない。

 何故来たのかも、分からない。

 帰る方法も、もちろん、分からない。

 分からない事だらけだ。




 一番始めに思い浮かべたのは、妻だった。

 俺がいなくなって、大丈夫だろうか?

 心配してくれて……なかったりしてー!!

 わっはっは!

 はあ、落ち込むなあ。




 他の家族は、まあ、大丈夫だろう。


 長女は、ここ数年、少し病がちだ。夫との間に、娘と息子がいる。

 次女は、しっかり者だ。やはり、夫との間に、娘がいる。

 娘それぞれに、素晴らしい婿を得て、良かったと思う。


 手前味噌にはなるが、他の親戚・友達も、人格者だ。

 皆で助け合ってくれるだろう。

 最悪、妻も、娘達が助けてはくれるだろうが……。


 帰れるものなら、帰りたいが、今のところは、到底無理だろう。




 でも、俺はここに居たら、早死にする未来しか、無くなる。

 体調不良でも、すぐに医者にかかれない。

 もし、もう一度発作が起きたら、俺。

 ……即、死ぬな!


 織田信長の、人生50年時代から考えたら、70歳は長生きだろう。

 でも、2017年から来た俺としては、もっと長生きしたい。

 あと、数年で、人間は、寿命百年時代に突入すると、この前、里帰りした長女が言ってたな。

 まだ30年あるぞ?

 でも、ここで、じーさん扱いされてたら、俺。

 ……即、ボケるな!


 どうすれば……。




 とりあえず、生き残ろう。

 とりあえず、生きていよう。

 生きていれば、奇跡も起こるかも知れない。

 戦後生まれの俺が、生き残っているのも、きっと何かの奇跡だろうからな。


 俺は、生きて、帰るんだ。

 もう一度、妻に会うんだ。





 その日は、翌朝まで、寝台で休ませてもらった。

 次の日に、寝台の上で座ったまま、サニーちゃん一家・村長と2つ先の村のお医者さんに、話をした。


 こことは、違う場所に住んでいる。

 この場所の事は、初めて知った。

 どうやって、ここに来たかは、分からない。

 どうして、道に倒れていたのかも、分からない。

 帰り道も、分からない。と。


 つまり、結構そのまま率直に話してしまった。

 その方が、疑われないと判断したからだ。

 自分の取り柄は、良い人っぽく見える事。

 一生懸命に、正直に話した。

 吉と出るか、凶と出るか……。


 しばらくして、口を開いたのは、サニーちゃんだった。




「おじいちゃんは、まいごになったの? 」


「うん、そうだね。」


「おじいちゃんでも、まいごになるの? 」


「うん、そうなんだ。」


「とっても、こわいね。」


「……うん。そうなんだよ。」


「サニーもね、まいごになったことあるよ! すごくこわかったよ! 」


「そうか、……大変だったね。」


「わかってくれるの? 」


「ああ、今の私も、怖くて、とても……心細いんだ。知らない場所に、知らない人、知らない事ばかりだからね。」


「そっかー、じゃあ、サニーが教えてあげるよ! 」


「ありがとう! 本当に助かるよ。おじいちゃんの友達に、なってくれるかい? 」


「うん、おともだちになろう! 」




 話が勝手に進んでいくのを、サニーちゃんのご両親と、村長、そしてお医者さんは、呆然と眺めていたが、娘が、怪しいじーさん(俺)と仲良しになってしまったので、仕方無く助ける事にしたらしい。




「まあ、サニーがそう言うならねえ。」


「……じーさんは、悪い奴には見えねえからな。」


「ええ、そうですね、とりあえず、このプティー村のお客さんとして、お迎えしましょう。後の事は、追々考えましょうか。」


「多分、記憶を無くしてしまったのでしょう。元の場所では、身分の高い方に違いありませんよ。庶民の我々にも、丁寧な話し方と物腰で接して下さるなんて。余程に、人気がお有りの御領主だったのでしょうな。」


「領主? あー、いやいや、待って下さい。色々覚えてませんが、庶民だったのは、間違いないですよ。」


「だってじーさん、あ、あの服! 」


「私の居た国は、庶民が仕事する時や、たまにちょっとだけ贅沢する時に、あの服を……。」


「贅沢! やっぱりだよ! あんた! 」


「身分の高い方の為の家が、この村には無いので、……一番大きな、空き家をお使い頂きましょう! 」


「少しだけ、村に帰る前に、お話出来れば光栄ですな! 」




 ……しまった! これ以上迂闊な事は、言えないよ。

ありがとうございます。

何かありましたら、お知らせ下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ