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エッセー《問》

ねえ、そこの『お母さん』!

作者: こさじ



 お母さんでなくとも、お父さんでも保護者でもいいんだけどさ…イヤなことを思い出したんでちょっと聞きたいことがあったんだ。なろうって、お子さんがいるユーザーさんもいるからさ。



 自分のお子さんは学校では優等生タイプですか? 優等生になりそうなイイコですか? それとも優等生でしたか?



 小学低学年の頃、隣に座ってた男の子がそんなコだった。


 賢くて、他の男の子のように誰かを叩いたとか、授業中に騒ぐとかなく、先生からの評判も良いコ――ただし、先生が見ていないところ又、大人がいないところでは真逆…


 「ブタ」「可愛くない」「変」「おかしい」等の悪口をはじめ叩く、ボールをぶつけてくる、しまいには石ころ投げつけてくる。


 やめてと言ってもやめてくれない。毎日毎日、嫌がらせの積み重ねで、先生も“怖い”って印象が強くて言えなくて、けど親に言ったら先生に言うかもしれないから……でも鬱憤ばらしにおちゃらけて「アイツ嫌なことする〜」と笑って愚痴るぐらいにして、あとは友達と兄弟と遊んで忘れるように過ごしてた。


 けど、まだまだ子供だもんで、毎日言ったら親もだんだん心配顔になる。


 ついには、ちょうど三者面談みたいなのが行われたので、ソイツのことついて親が担任に言った。



「賢いし、そういう話を他の子から聞いたことないし、叩いているのも見たことないし……どれぐらい嫌なの?」



 みたいなことを言われた。

 まあ、証拠がないから何とも本人には言えない。やられたときに直ぐに教えてくれと言われ、あとは気をつけて見てみます的なことで確か面談は終わった。


 なんだか…なって気持ちになった。


 その時の担任の顔――雰囲気は忘れられない。「ああ、なんだ…私は嘘つきか…」そんな気分になるような、そんな眼差だった。



 ……うん、担任のことについてなのか、その嫌がらせ君について聞きたかったのかわからなくなって来たが、そう簡単に嫌がらせがなくならないが、席替えで離れて落ち着いた感じになった。


 記憶が曖昧ってこともあるが、毎日嫌だったこと、そして先生がその子が“そんな子に見えないから”とあまり親身に聞いてくれなかったこと、席替えしたら嫌がらせも減って忘れられていったこと、それでその子の母親が授業参観とかで別の子の親と楽しげに話していることに、


 なんだか…なって思った。



 それをふと思い出して、親が子供の全てをわかっているとは思わない。思わないが、自分の子供は――もし問題も起こさず、勉強も出来る子であっても、「大丈夫! 人の嫌がることはしてない!」なんて自信たっぷりには思わないでくれ…


 確かに、隣の席になったそのコが…って話だけどさ、見えないところで、たまたま隣になったときだけの話なんだけどさ…


 生活態度がいいからって、性格が良いとは言えないこともあるんだ。生活態度が悪くても、優しい友達のお兄ちゃんもいたしね。


 お母さん…親は、子供のどこを見ているのかなぁ……


 

 と、ふと思い出して疑問に思った次第であります。

 

 

※追記※


 思い出して色々考えて…


 あのとき、親はその子の親に文句つけて来るか!って怒ってくれたんだけど、止めたんだよね。でも、なんで止めたのかそのときの気持ちが…今でもわからない。止めずに怒鳴り込んでもらえば、自分がなんで嫌がらせされたのか理由がわかったかもしれない。


 わかったかもしれないけれど、そもそも…なんでこんなことで悩まされなければいけないんだろう?って思う。思い出して嫌な気持ちと、「なんで?」の気持ちにされなきゃいけないのか。


 どうせ相手は覚えちゃいないだろうに…


 ただね、アイツの母親は自分の子供がどんな奴かわからず、脳天気に笑ってんなってのは思ったんだよね。そんで、拍子抜けするくらい席替えしたら、消えていった嫌がらせで自分の親を嫌な気持ちにさせて申し訳ないなとか。


 まあ、季節が夏ってことで思い出したのですけど、私はなんであのとき――隣の席になっただけでアイツから毎日嫌な気分にさせられていたのか……よっぽど私のことが嫌いだったんだろうか? 可もなく不可もなく、なんてことないクラスメートで嫌いでも好きでもなく、ただただクラスメートだと思ってた。


 それがいけないことだったんだろうか…


 「お前はいいなぁ、気にもせずお母さんと笑っていられて」


 ってアイツが楽しそうにしているのを見る度に私は思ってた。


 

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