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そんな勇気、無いくせに  作者: あきしおり
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女子高生と、先輩の男子高生が卒業するまでのハナシ。

女子高生と、先輩の男子高校生が高校卒業するまでのハナシ。大体授業をサボっています。


***


皆と同じことを勉強して、皆よりも勉強が分かるようになったら、立派な大人になれるんでしょうか。


私は、中学の時は、皆よりも少し、勉強ができました。だから、この辺りではトップと言われる高校に入学出来ました。しかし、高校では、"皆"が少し優秀になりました。それで、私は皆よりも少し、勉強ができなくなりました。


私は皆よりも少し、勉強ができなくなったので、授業についていくのに必死でした。しかし、頑張って皆に追いつけても、皆を追い越すことは、できないように思われました。どうにも勉強は、実は私には向いていないように思われました。他にもっと向いていることが、あるような気がしていました。


暑い初夏のある日、授業中に窓の外の青い空を眺めていると、ふいに(どこか遠いところに行きたい)という気になりました。この"勉強レース"から抜け出したいという気持ちが湧いてきて、どうしようもなくなりました。


休み時間を待って、隣の席の子に「具合が悪いので保健室に行く」と言って、私は、保健室には行きませんでした。


屋上。


鍵が開いているのは、知っていました。前に友達と来て、お弁当を食べたことがありました。


重いドアを開けて屋上に出ると、青い空が広がっていて、それはそれは自由で。(ついに授業をサボってしまった)と、罪悪感よりも解放感、してやったぜ感が溢れてきました。


と、その時でした。足元に、人が寝ていることに気付いたのは。


「ひゃっっっっ」


私が悲鳴をあげてのけぞると、寝ていたその人はむくりと起き上がって、「びっくりした」と言いました、しかし全く、びっくりしている様子はありませんでした。どちらかといえば眠そうでした。


これが、銀髪ピアスの有原ありはら先輩と、私との、最初の出会いでした。


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