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純潔悲恋
やよいは少しビックリして慌てて両手を振った。
「今、働いている女性たちの三分の一が年収114万円未満なの」
璃奈が深刻な顔で説明した。
「へーッ」
そんな現実をまったく知らなかったやよいは驚いて右手に持っていたコーヒーをこぼしそうになった。
すると、喫茶店の店員が慌てて、やってきて大丈夫かとやよいにたずねた。
「うちのおかあさんもパートを掛け持ちして働いているんだけど」
璃奈が唇をかみしめて、うつむいた。
「とてもまともに生活していけなくて」
璃奈が声をあげて泣き始めた。