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純潔悲恋
瑞乃やよいは高校二年生。
何の生きがいも見出させないまま、毎日を死んだように生きていた。
「みんな、そうだよ。きっと、死にながら生きるしかないんだ」
クラスメートの栢山璃奈がそう言ってから首を振り、
大きなためいきをひとつついた。
日曜日のショッピングモールは人々で溢れていた。
仲のよさそうな親子連れや恋人らしき男と女。
やよいは周りの人々をどこか遠い星の住人のような
気持ちで眺めながら、璃奈と並んで歩いていた。
「貧困女子って知ってる?」
璃奈が突然、話をふってきた。
「えっ? ううん。知らない」