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京の都へ

テリテリ 法師 照り法師 …


明日 天気ニ シテオクレ …



「こんなに 日照り続きじゃ 稲も何もかんも枯れちまう … どうしたら いいんじゃ … 」


「そうじゃ! 巫女様の お告げじゃ ! こんな時は 巫女様の お告げに限る!」


「そうじゃ ! そうじゃ! 巫女様じゃ!」



日照りの続く この村の男達は 夜な夜な集まり 話し合い…


神通力を持つと言う 巫女に 御神託を賜る事に決めた …


その巫女は 京の都に住むと言う …


村から 京の都 迄 は 丸七日 …


七日と言えど 平坦な道は少なく 険しい道ばかり 山を越え 谷を越え 京の都を目指さねばならない …


其処で 村人達は 再び 話し合い 三人の若者を 村の遣いとする事に決め その話は 直ぐに 三人の若者に伝えられた…


三人の名は 与助 に 信太 に 末吉 …


若者達は 村の遣いとして 早速 明け方に 村を立つ事となり 旅支度を整え眠りに着いた…


決して裕福とは言えぬ 此の村の 村長を筆頭に 村人達は 巫女に贈るべく 銭を掻き集め布袋に納めた物と 村の女達の織り上げた 織物を 十枚 若者達に託した …


三人の若者達は 村人達の 願いを胸に 京の都へと旅立った …


京への道は 思いの他 険しく …


村を出た事の無い 田舎者の若者達は 旅人に出会う度 京の都への道を訪ね 其でも 何とか 丸八日で 京の都へ 辿り着く事が出来た


「すっげぇ~なぁ ~ なぁ 京の都ってのは金ピカなんだなぁ~」


と 信太が 辺りを ぐるりと見渡し言った …


「食い物の いい匂いがするべぇ ~ おっ!団子も売ってるぞ!」


と 与助 が 腹を鳴らし言った …


「なぁ 与助 に 信太 … 巫女様の事は 京の都で 聞けと 村長に言われたべ … 与助の 腹も鳴ってる事だし … あそこの 団子屋の お姉ちゃんに 聞いてみるべ !」


と 末吉が 言い 三人は 団子屋で 団子を一本買うと 店先に立つ 女に


「なぁ 姉ちゃん 教えて欲しいんだべ 京で一番の巫女様ってのは 誰だべか?」


店先に立つ 女は 三人の足元から 頭の先までをチラチラ見ながら …


「巫女様ですか … 一番の … それは 太子様付きの 巫女様方ですが … 一番と言われても 私には 解りません … 其に … 」


と 女は 俯いた …


「其に? 何だい姉ちゃん 言ってくれよ …俺ら 解んねぇから聞いてんだべ …」


と 与助 が 言うと …


女 は 辺りをチラチラ見ながら 俯いたまま 小さな声で …


「小判が … とても沢山 必要なんだと聞きました… 太子様付きの巫女様は 私達のような者は 相手にしないと…」


と 辺りを気にしながら 小さな声で そう話した …


「そっかぁ … 有難うな! 俺達 何も知らんくてな 変な事 聞いて悪かったな … 姉ちゃん 有難さん!」


と 末吉 は ニッコリ と 微笑み 三人は 団子屋を後にした …


一本の串に刺さる 3つの団子を一つずつに 分けて 食べながら 歩き出したは良いが …


口に放り込んだ団子が 無くなると 右か左か はたまた 前か 何処に行けば良いのか解らないと言う 不安で 三人は 押し黙った …


暫く 宛も無く 歩いていると …


信太が …


「なぁ … 一旦 村に戻って 村長や 皆に聞いてみてからにしねぇか? 」


と 頼り無さげに そう言った …


「何 言ってんだぁ ~ 信太 ! おめぇ 此処まで 八日 掛かったってのに 帰って また来るのか? まだ 団子しか食ってねぇべ! 」


と 与助 は 怒り出した …


末吉 は 慌てて …


「止めや ! 喧嘩して何になる! 其より 三人で 手分けして 巫女様にどやったら会えるか 都の人に聞いて廻るべ ! ほれっ あの橋の所で 一辰刻に 落ち合うべ! 」


と 京の入り口にある 大きな橋を指差した …


「良し! そうするべ!」


と言う事で 意見が一致し 三人は 其々 京の都の 人々に 巫女に会える場所を 聞いて廻る事にした …

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