685 装備更新 4 トーウ ハル
「さてと、次はトーウですわね」
「はい、よろしくお願いいたします」
殺鬼爪 LV67
付加効果 魔力斬 鬼族の祝福 耐性無視(示指)解毒抵抗(示指)効果増大(示指)周辺察知 周囲知覚 対魔法防御
付与効果 鬼
蜻蛉殻の胸甲 LV49
付加効果 速度上昇
付与効果 硬化 視力上昇 腕力上昇 対魔法防御上昇 対火・風・鬼防御 再生(微)鬼 聖 浄化
蜻蛉殻の蹴靴 LV54
付与効果 速度上昇 金剛力 対火・風防御
『薬殺長針』
引き戻しの指輪 LV34
付加効果 所持品登録(LV×5) 登録品引戻
海蟲の髪紐 LV19
付与効果 腐肉食 無食長命(小) 格闘補助 スキル連続発動補助
「うーん、お嬢ちゃんの、スキルや職について聞いている分だと、この状態でかなりいい感じに出来上がってるから、あんまり大きくはいじるものがなさそうなのよね。そうねえ、まずは爪だけど、前回は素材の関係で人差し指だけに付けてた効果を他の指の爪にも回して、それから『瘴気蜈蜙』とか『活薬の地下通路』の魔物なんかの毒系の素材が余ってるから付けてみるかな、でもお嬢ちゃんは自前で『毒手』を持ってるのよね、侍女さんの鞭を使って毒以外の異常状態をつけてみる、どれも毒系スキルで同じ事は出来るけど。もともとこの爪はお嬢ちゃんのスキルを補強する方向で作ってたから」
「そうですね、確かにどの効果も自力で再現できるでしょうが、装備でも同じことができるのなら、長期戦になり毒手で毒を創り出しきれなくなったりした時でも戦い続ける事ができますから」
「あとは、うーん、『ローパーギンチャク』の素材を組み込もうかしら、あの魔物も毒系スキルがあるし『繊維溶解液』と『金属溶解液』のスキルを組み込めれば、うまく効果が成長すれば盗賊などと敵対したときに相手の防具や衣服を溶かして、素肌に毒爪を届かせることができるようになるかも。そうだ、液体を使うならいっそ、いえこれはもう少し確認して使えそうだったらにするわ、余っている素材でお嬢ちゃんに使えるものが新しくできるかもしれないわね」
「新しい装備品ですか」
「ええ、毒関連で少し思いついたことがあるから、まあ育つまでは飾りになるかもしれないけど。まあ、話を進めましょう、蹴靴のほうは毒は付けてないけど、格闘で使うのよね、育ってるってことはそれなりに使ってるんだろうし、それなら『重砕の破城鎚』の欠片を組み込むのもいいかな」
「ちょっと待て、トーウは素早さを活かした毒系スキルでの一撃離脱が持ち味だぞ、装備を重くしたら意味がないだろう」
「言いたいことはわかるけど、別に常に重たくしておく必要はないのよ、打撃が当たる瞬間だけ重くすればそれだけで蹴りの威力が上がるし、コツが掴めるようになるまでは、踵落としとか上段からの蹴り落としみたいな上から下への攻撃の時に絞ってもいいかもね。合わせて坊やの『軽速の足輪』からも素材を取ってみようかな、軽くなって高く飛べばその分蹴り落としも威力が上がるだろうし」
ああ『軽速』か、確かにあれはトーウと相性がいいだろうな、ある意味でトーウの戦い方は、『軽速』と『斬鬼短剣』頼りの俺に近いものがあるから。
「な、なんと、だ、旦那様の愛用の品である『軽速の足輪』から効果をいただけるだなどと、このトーウ感無量でございます。ああ、旦那様が様々な戦場で多用され、数々の戦果を挙げてきたあの『魔道具』、聞くところでは、戦いを始められた初期に手に入れられ、それ以降常に纏われていた品から、お力を賜るだなんて、感無量でございます」
「トーウ、非常識な表情をするのはやめて頂戴、後が詰まってますのよ、せっかく我慢して順番を譲ったといいますのに、そんなうらや、いいえ、いつまでも時間を浪費しないで頂戴、まあ、気持ちは、わか、これっぽっちも判りませんけれど」
新装備の話が気に入ったのか何か異様に興奮してるトーウをハルが冷たい目で見てるけど、まあ順番を待ってたんだもんな。
「さあ、これを改良してくださいな」
ハルが装備品を並べていくけど、なんかおかしくないか。
銀狼のコート LV104
付与効果 硬皮 魔法拡散 対火・風防御 防御膜(弱)飛行補助 冷房 暖房 鬼
蜻蛉の脚杖 LV109
付加効果 火属性強化・発動補助 火撃
付与効果 対鬼威力上昇
空泳の飾鱗LV46
付加効果 飛行・浮遊・跳躍補助 泳力上昇
詠唱骸 LV1
付加効果 魔法制御補助 魔法威力・射程補正 魔法習熟速成 魔法保管(レベル÷3) 魔法放出 詠唱代行 魔力貯蓄
海蟲の髪飾り LV55
付与効果 無食長命(小) 急降下補助 水系統補助
「ちょ、これ、ダークエルフのお嬢ちゃんと同じくらい、いえ下手をすればそれ以上に育ってるじゃない」
どうなってるんだ、なんでハルの装備がこんなにレベルが上がってるんだよ。
(これまでの事を考えればおかしくはあるまいて、アラやサミューの武器が育って居ったのと同じじゃ、ハルはあれらの『魔道具』を使ってお主に傷を与え魔力を奪うことで経験値を得て、さらにその魔力で強力な魔法を放ち、膨大な数の敵を一度に倒したりしておったからのう。さらには『シルクワーム・モス・ラージェスト』の繭形態に関しては、ほぼハルの魔法で仕留めたに近いからのう。その影響で装備品もレベルが大幅に上がったのじゃろうて)
うえ、てことはあんまり意識してなかったけど、もしかしてハル自身のレベルやステータスもとんでもない事になってるんじゃないのか、ただでさえ『成長補正』がかかってるっていうのに。
(よいではないか、それだけ戦力が上がっておるという事じゃろうて、うまくすればハル単独で強力な魔法を放てるようになるやもしれぬぞ、そうなればお主が魔力を吸われることも減ろうて)
「でもこれ、強化の候補がほとんどないのよね、相性のいい素材があんまりないのよね、とりあえずコートはあの糸と謎の体液で底上げする感じになるかな。あの体液なら魔法系の職には補正効果が高いだろうから。後は少しいじれば防御系の効果を強化できるかな。このコートを作った時には、まともに役に立つまで効果を育てるのは大変って言ったはずなのに、もうこんなになってってホント。あっ『授翼の雫』があるじゃない、せっかくだしこれも使おうかな」
ん、『授翼の雫』って鳥系特化の回復薬だよな、直訴を受けて鳥人族の村を助けるというか、ヤスエイの密造薬保管場所を潰す口実のついでのに採取したけど、残った分をハル用に持ち帰ってたんだよな。
いつかはサミューの鞭に登録できればと思ってるんだけど、薬の効果が高いからまだ登録できてないんだよな。
「本来は、飲み薬だけど、鳥系の種族との相性がいいからお嬢ちゃんの装備ならいい感じになると思うわ。ただそうなるとこのコートを他の子にあげれなくなるけど」
「それは構わない、ハルのために作った装備だからな」
「そうそれじゃあ、ボタンや飾りなんかを外して、他の子の防具を整備するときに出る欠片と交換しようかな。もともとの素材にあった効果は全体に広がってるから外しても、効果がなくなったりしないだろうから。それで再生系の効果がある素材を使って、『授翼の雫』を中心に回復薬なんかを調合して塗料にして使えば、弱くても自己再生が出来るようになるかも。そういえば伯爵様から『秘薬』もいただいてるし、『授翼の雫』と合わせればあの強すぎる魔法薬でもなんとか装備の効果に落とし込めるかも、鳥のお嬢さんだけになっちゃうけど、それでも面白そうね。そういえば神殿が駆け込みで持ち込んできた素材に、弱いけど再生スキルを持った虫系が何体かいたっけ、あれを組み込めば、他の子の装備ももう少し、再生の付いた装備ってなかなかできないし、効果も成長しにくいけどもしかしたら……」
ん、秘薬ってもしかして、いや気にしちゃだめだな。昔は皮革の加工に動物の糞を使ってたっていうし……
「あとは、交換するのに外したボタンやコートの飾りと、それにお嬢ちゃんが全身に付けてる魔法補助の小物類なんかを素材に使って、何か一つ作ろうかな、そういえば吸収の付いた装備が欲しいって事だったけど何がいいの」
「そうですわね、私はあくまで後衛魔法職ですから、アラ達のように戦いながら攻撃を当てて吸収するというのは難しいですわ。基本的には倒した瀕死の相手に止めを刺す過程や、トーウやサミューのスキルや装備で動きを止めた相手など、無抵抗の相手から吸うことになりますわ」
ねえ、無抵抗の相手ってところで俺の方を見るのはさどうかと思うんだけどな。
「そうね、それなら侍女さんの靴と同じようにするかな、それなら尖った踵で踏むだけでいいし、両手が開いていれば吸い上げながら魔法を使うのにも便利でしょ。後は念のため、吸ってる最中に暴れたりしないように『異常状態』も色々と付けとこうかな」
うん、それって俺が食らうことになるんじゃないかな、いやだからって、ハルが踏むのは主に俺だなんて名乗り出るわけにはいかないよな。そんなことを言ったらどんな目で見られることか、普通に考えれば特殊性癖だと勘違いされかねないし。
「次は杖だけど、使えそうなのは『帝王具足蟲』かな、アレなら水属性の魔法に補正がかかるだろうし、ほんとはもっと色々付けたいのだけど、魔法職向けの素材があんまりないのよね。ほんとあの体液が異常だけど、それ以外はね」
「まあ、仕方ありませんわね。かまいませんわ、魔法の精度を上げればよいだけですし、それにこれからも戦っていけばいい素材が手に入る事でしょうし、次に期待いたしますわ」
うーん、考えてみれば確かに魔法を使うような魔物ってそんなにいなかったような気がするな。雑魚とかではたまにいたけど、素材に使えるような強い魔物だとな。
「後は『空泳の飾鱗』にちょっとだけ『軽速の足輪』の欠片を混ぜてみるかな。万が一的に肉薄された時に回避しやすくなるだろうし、それに『鳥態』でも装備したままにできるようにすれば、空を飛ぶ時の補助になるだろうし」
「それはいいですわね、ええ、空を飛びやすくなるというのは実にいいですわね」
なんだろ、ハルの羽がすごくバタつきだしたけど、そんなに飛行能力が上がるのがうれしいのかな。
まあ、とりあえずはこんなものかな。
他にも『術送の指輪』とか『癒しの短剣』とかあるけど、指輪のほうは10っ個セットで一つの扱いだし、短剣の方はな、そもそも攻撃して回復っていうのがどうしても使いにくいんだよな。
しかも無駄にレベルが高いからさ、元は腐れ勇者が隠してた装備の一つだけど、見つけた時点でかなりレベルがあったからな、これを見せるとさなんか俺がヤバい奴みたいに思われそうで。
(『癒しの短剣』だけでも預けてみてもよいのではないかの、ミーシアの装備を強化する素材になるやもしれぬし、そうでなくとも何か改良が出来ればよかろう。回復手段は複数持っておって悪いことはあるまい)




