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57 女騎士

やや、ショックなことがありまして……

今回はまた説明帳になりかけてます……



「パルス姫様、御怪我は。御怪我はありませんか。拐されたと聞いてこのミムズ心配のあまり……」


 いきなり俺達の間に割り込んできたのは騎士姿の少女で、短い金髪が俺の前をいっきに通り過ぎてから振り返えってきて、きつそうな青い瞳が睨みつけてくる。あの、ちょっと怖いんだけど。


「む、おや、これはいったい」


 いったん周囲を見回してから女騎士の表情が少しだけ落ち着いた物になる、どうやら、この場の様子が人攫いの現場に見えない事に気付いたみたいだな。


 パターン的にはこのまま勘違いされて斬りかかられるって所なんだけれど、よかった、多少は理性的な人みたいだ。


 しかし、よく似た二人だな、髪や瞳の色が同じだからかな、性格や雰囲気は違うんだけどまるで姉妹みたいに見える。でもまあそんなはずはないよな、だってこの子人間だもん。


 そうだ、鑑定鑑定。


パルス・ラメディ・リューン

広域魔術師 LV??  王女 LV??


技能スキル ??

戦闘スキル ??

身体スキル ??

生活スキル ??



ミムズ・ラースト

魔術騎士 LV??  狂槍士 LV??


技能スキル ??

戦闘スキル ??

身体スキル ??

生活スキル ??



 何だこりゃ、名前と職業以外は全部ハテナマークって、どうなってるんだよこれ。ステータスも解らないし。


(どうやら『鑑定阻害』の様なスキルが有る様じゃの)


 効果は読んで字のごとくなんだろうなー


(なんでそんなスキルを持っているんだ)


(お主の様に敵を『鑑定』してから戦い方を決めるような相手には有効じゃろう。後は隠したいスキルが有ったりする場合かのう)


(隠したいスキル、そんなのが有るのか)


(お主の『勇者』の職業や、『勇者』特有のスキルである『成長補正』や、レベルと不釣り合いに強力なスキルなどは、儂が隠しておるじゃろう。そういったように特有のスキルや職業を見る事でその者の出自や来歴が予測されるのを防ぐのじゃ)


 そう言えばそうだっけ、いつ街中で『鑑定』されるか解らないからな。『勇者』だってばれるといろいろと面倒だろうし。


(逆に、本来なら持っているはずのスキルを、実際は持っていない事を隠す目的もある、『自称勇者』が『成長補正』を持っておらねば偽者と断ぜられるじゃろうな)


 なるほどね、色々あるんだ、ついでだし他の事も聴いとこうかな。


(聞き覚えの無い職がいくつかあるが、どんな職だ。『王女』『広域魔術師』『狂槍士』とかだが)


 なんか凶悪そうな気がするんだよな。


(『王女』はそのままじゃな王族の女子特有の職で、『士気高揚』や『戦力強化』など周囲の者の能力を上げるスキルを持っておるのう)


 あー、ゲームなんかであるよね、守られる専用のキャラで『支援効果』だけが高いの。


(『広域魔術師』は『範囲魔法』に特化した魔術師じゃな、強力な魔物を一撃で仕留めるような魔法は使えんが、戦争などの集団を相手にするような戦いでは普通の魔術師よりも有効じゃな。『広域魔導師』ともなれば一軍を壊滅させたなどという伝説もあるからのう)


 おーマップ兵器か、『支援効果』で護衛を強化してその後ろから『範囲攻撃』とか、凶悪だな……


(最後の『狂槍士』だが『狂戦士』の上位職の一つじゃな。『狂化』のスキルを使う事で判断力は落ちるが身体能力は飛躍的に上がるのじゃ、上級職になれば『狂化』もある程度自分で制御できるようになっておるじゃろう)


 あれか、バーサーカーか、でも制御できるって言うのなら味方攻撃とかは無いのかな。


(気になるのならハルやサミューにやらせてみればどうじゃ)


 なんで、その二人が出てくるんだ、まあハルは魔法職だから解るけど、サミューはどっちの職も合わないよな、どっちかって言うとミーシアの方が『狂戦士』っぽい気がするけど。


(『狂戦士』になる為には『恐怖鈍化』と『痛覚鈍化』のスキルが必要じゃからな)


 確かにそのスキルはサミューしか持って無いもんな。でもやる気にはならないな、サミューにはサブリーダーとしてパーティーの指揮をとってもらいたいし。


 とと、考え込んじゃって、目の前の二人を放って置いちゃったよ、普段ならサミューあたりが声をかけてくれるけど今はいないもんな。


「それでは、何者かに拐されたり、何かの事件に巻き込まれたわけではないのですな」


 うーんミムズさんは、メガネの似合いそうな美少女だな。ちょっときつめで口調が固いけど、真面目な委員長キャラみたいな感じかな。


「ええ、もちろんよ。宿の方には少し外に出てきますと言ってきたはずですけれど」


 パルスさんは、おっとり系美少女だな。同じ金髪碧眼なのにここまでキャラが違うってのも面白いな、まあ日本人はみんな黒髪黒目で性格がバラバラなんだから当然か。


「それしか言い残さずに、半日も行方が知れなければ、誰でも心配いたします。少しは御立場をお考えください」


「ですから、街からは出ませんでした。我が国の騎士の皆様が守ってくださっているこの街で何が有るというのでしょうか」


「この街には冒険者が溢れております。冒険者に紛れて他国の密偵や刺客が潜り込んでいてもおかしくないのですぞ」


 ああ、これは苦労してそうだなー、天然の上司を持つとね、部下は振り回されて大変なんだよねー


 あー日本にいたころのやなこと思い出しちゃった……


「してこちらの御仁はどちらですか」


 あ、こっちに気付いた、どうするかな、自己紹介なんて言おう。


「こちらの方はリョー様という冒険者の方で、『迷宮踏破者』らしいですよ」


「なんと、それはまことか、いったい何人のパーティーなのだ」


 あれ、一気に食いついて来たよ。


「アラたちはー、みんなで五人だよ」


「なんと、そんな少人数、ましてこのような幼子を連れてとは、我らも『迷宮踏破』はした事が有るが騎士団の精鋭数十人での事だ、良ければそのうち詳しい話を聞かせて頂けないだろうか。もちろん礼はさせてもらう」


 ここは、つながりを作って置けば、この先コネになったりするのかな、そう考えれば……


「ああ構わない、とはいえ機会が有ればになるが。別な街で仲間を待たせているから薬の取引が終わり次第、移動する予定だからな」


 上手くすれば、順番を飛ばして、受付してもらえるかもしれないしね。


「そうか、ならば、夕刻ではどうか。その時間になれば休みが頂けるはずだ、その代わりと言ってはなんだがリョー殿の薬を明日一番で受け付けよう。いや何ならば話を聞かせて貰った後でそのまま預かってもいいが。『迷宮踏破者』の持ち込んだ物となれば効果も期待できるだろう」


 こ、これは予想以上の効果が有ったか、ラッキー


「それは助かる、俺達はこの宿の二階に部屋を取っている、昼食の後は街中を少し回って後は部屋にいるつもりだ、受付に言ってくれれば分かるだろ。ミ……ええと」


 あぶねえ、自己紹介されてないのに、名前を呼ぶところだった、そんなことしたら『鑑定』スキルを持ってるってばれる所だった。


「む、これは失礼した、自分はミムズ・ラースト、アクラス様とパルス姫様の専属騎士だ」


 差し出された右手を握り返す。これなら明日の朝には薬が渡せるから、囚われてるユニコーンの交渉も上手く行くだろうな、まあそっちは、カミヤさん次第だけど。


「よろしく頼むリョー殿、それでは後程部屋を訪ねさせてもらおう、夜を楽しみにしている」


 何かなー、シチュエーションさえ違えば、とってもいい感じなセリフなんだけどな。





 食事を終えて、帰っていく二人を見送ってからアラと二人で果物を頼む。


(お主、気にならぬのかのう)


(ん、何がだ)


 美少女二人のスリーサイズとか趣味とかかな。


(忘れたのか、あのパルスとかいう王女は、十一のはずなんじゃぞ)


 あ、そうだった、しかもハーフエルフだから見た目は二、三歳のはずだったんだよね。美人だからすっかり忘れてたよ。


(そうだったな、どうなってるんだ、あの姿は人で言えば十五、六ぐらいはあったぞ。エルフならたしか七、八十歳って事だろう)


(原因は、解らぬ)


 おい、自分でふっといてそりゃないでしょ。


(仕方あるまい、スキルが隠蔽されておる以上、予測する事しかできぬのじゃ)


 使えねー、結局こいつは『鑑定』スキル頼りかよ。まあ俺もだけどさ。


(という事は仮説なら立てられるのか)


(おそらくは、何らかのスキルかアイテムで肉体の成長を速めておるのじゃろう)


(だがそれだと、精神年齢は成長しないんじゃないのか。受け答えは子供らしくなかったぞ)


 体は大人だけど心は子供、いやそれは逆か、そもそも11と15じゃ大差無いかなたった四つの違いだし。いやいや小学生高学年と中三じゃあ違うか、うーんでも微妙な気もするなー。違いが有ったとしても俺には解らないかもしれないし、そもそもそんな年齢の女の子と話す機会なんて無かったし。


(儂の様な『魔道具』が有れば、それは可能じゃろう。睡眠時などに体感時間を変えて経験を積ませれば教育は十分できるじゃろうし。内容次第では様々な経験を積めるじゃろうて)


 ああ、そうか、そうだよね、俺もこいつの世界での総合時間がもう何十年になるか解らないもんな。よくおかしくならないもんだ。


(しかし、成長を加速させるアイテムなんて、都合の良い物があるのか)


 やっぱり飴玉とかか、それともコンパクトとか。


(知らぬ、だが成長の遅いエルフ族、まして家督相続などの絡む王族や貴族ならば、そう言った手段を用意していてもおかしくは無いかもしれぬの。おそらくはスキルじゃろうが)


 なんだよ、当てずっぽうなのかよ、頼りないな、便利な知識アイテムじゃなかったのかよ。


(確証はないがの、適当な事を言っておるわけではないぞ、何しろ実例をこの目にしておるからの。だからアイテムでは無くスキルだと考えておるがの)


 実例だって、何の事だ、あっ。


 そうだよ、俺は実際にその場を見てるじゃないか、視線を隣の席に向ける。


「ん、どうしたのリャー、リンゴ食べないの」


 美味しそうにリンゴを食べながらアラが俺を見上げてくる。そうだよな『寒暑の岩山』で『迷宮核』に触れた直後アラは一気に大きくなった、確かに俺達が考えているのと同じ現象だよな。


(大きなくくりで言えばどちらもエルフ族じゃ、似たようなスキルを持っておってもおかしくは無いじゃろう)


(いやだが、アラにそんなスキルは無いだろう)


 アラを『鑑定』した事は何度もあるし。それにレベルやステータスの成長を確認するために定期的にチェックしてる。だからアラはもちろんパーティーメンバーのスキルは全部把握してる。その中に成長を加速させたり正体不明のスキルは無かったよな。



(忘れたのか先ほど言ったばかりじゃろう、『鑑定阻害』などが有れば、保有スキルを隠蔽する事が出来るのじゃぞ。儂の様に都合の悪い一部のみをな)


 それは、アラが俺に隠しごとをしているって事か、持っているスキルを隠してしかもその事を黙ってるって。


やっとユニーク総合が二万五千を超えたと喜んでたら、すでにサミューさんに抜かれており。お気に入りの数もとうとう……

残された砦は、PVと総合評価ですが、PVはおそらく時間の問題かと……


H27年2月17日  誤字修正しました。

H28年11月13日 誤字修正しました。


H26年11月18日 誤字、鉤括弧、句読点、三点リーダー、一部モノローグ修正しました。


ということで、次回は別行動のサミューさんにスポットを当ててみたいなーと、こっちはあまり話が進まないかもしれませんが。

上手く書けなかった場合はリョー君の方で新ヒロイン三人目になるかもしれません。

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