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40 黒の童女

「ご主人様お茶が入りました」


「ありがとう」


 サミューの差し出してきたお茶を一口飲む、ほっとするな、きつい戦闘だったし。


 今俺達がいるのは、ボス部屋近くにあった小屋の中だ、ずっと『迷宮核』の近くに居て別な魔物と遭遇しても馬鹿らしいからな。鎮静化したとはいえ、さっきまで活性化直前だったんだから魔物はいっぱい居るだろうからね。


「さてと、とりあえず幾つかある問題を一つずつ解決していこう」


 俺の言葉に奴隷たちが真剣な顔で頷く、みんな問題意識を持ってるんだな、うん良い事だよね。


「まずはミーシア」


「え、あ、はい」


 意外そうに頷いてくるミーシアに向き直る。


「いくら戦闘中とはいえ、女の子なんだからもう少し叫び声を考えるように」


「え、はい解りました」


 なんだろう意外そうにしているな。


「次に『迷宮核』から出たアイテムだが……」


「ちょっとそうではないでしょう」


 俺の話を途中で遮るなんて、ハルは一体どうしたんだろう。


「わたくしたちの抱えた問題は、この子がどうなっているのか、でしょうに」


 ハルが指差す先では、フーフー言いながらお茶を冷ましているダークエルフの少女、どう見ても八歳児くらいの子で、アラと並んでたら可愛い姉妹って感じだよな。


 ピチピチになってたアラの服は着替えさせたんだけど、ハルの服は背中に羽用の大きな穴が開いてるので使えないし、サミューの服は全部メイド服かワンピースでサイズが違うから着せられない、ミーシアの服は防具としても使えるせいで所々に金属が仕込んであって結構重いもんね。


 という事で俺の服で適当に選ぶようにサミューに言ってたんだが、エロメイドが選んだのは俺がこの世界に来た時に着ていた服だった。


 おいおい、こんな小さな子に裸ワイシャツって、どんだけフェチなんだよサミュー、ああブカブカの裾から手を出してお茶をフーフーとか、かわいすぎるんだけど。


「お嬢ちゃんお名前は」

 

 ちっちゃな子供を泣かせないように、精一杯の笑顔を作って尋ねてみる。


「ん、アラだよ、変なこと聞くねリャー、今はお顔も変だし」


 アラダヨちゃんか、やっぱりアラの親戚か何かかな。しかし初対面のお兄さんをいきなりあだ名で呼んだり、変な顔なんて言うのは感心しないなー


(のう、いい加減現実逃避は止めて、事実を見つめぬかのう。物事を冷静に判断するのがお主の特技じゃろうが、この娘はアラであると考えるしかあるまい)


 やっぱそうだよな。でもさ、保育園の年中さんがいきなり小学校低学年になったって言われてもさ、そうそう信じれないって、でも取りあえずはホントにアラなのか確認だな。


「なあアラ、このお姉さんはだーれ」

 

 ミーシアを指さしながら聞くと、すぐに答えが返ってくる。


「ミーシャはね、おっきくてふわふわでとっても強いまっ白なきれいな熊さんなの、かぎ開けたり、けがを治したりできるし、盾でおっきな石も持ち上げちゃうんだよーすごいんだよー」


「そ、そんなことないです」


 うん、的確な表現だなミーシアの事を知らないと答えられないよな。


「でもね、いっつもお肉食べてばっかなんだよ」


「あうっつ、ううう」


 あ、落ち込んだ、次だな。


「それじゃあ、こっちの黒いお姉さんは」


 ハルお嬢様はなんて言われるんだろ。


「ハリュはね、リャーとサミュの魔法の先生で、いろんな魔法使えるんだよ。鳥さんになって空を飛んでアラとサミュをのせてくれたの、すごいきれいだったよ」


「それほどでもありませんわ」


 おお、そういう思い出も覚えてるのか。


「でもね、今は逆にリャーから魔法を教えてもらってばっかりなんだよ」


「そ、それは、そうですけれど」


 なんだろミーシアと言いハルと言い、持ち上げてから落としてるな。


「なら、このメイドさんはどうだ」


 さあ、ピンクメイドの評価はいかに。


「サミュはね、ギュッとすると柔らかくていい匂いがするの、とってもおいしいごはんを作って食べさせてくれるし、おようふく着せてくれたり、ねる時にお話ししてくれたりするの、アラはねサミュ好きなの」


「私も大好きよアラちゃん」


 おお、今までで一番の評価だ、さすが子守スキル持ちだ。


「だけどね、リャーに変なことするのはいやなの、その時リャーも変な顔してるし」


「あら、まあ、そうですか」


 ほら見ろエロメイド、自分がどれだけ子供の情操教育に悪いか分かったか、ん、アラがこっちを見てきた。


「リャー、アラもサミュみたいにした方がいいのかな」


「「「「ダメ」」」」


 おお、全員の声が被った、みんな一応は常識が有ったんだな。


「ねえ、アラこのオジサマはどうなのかしら」


 おいハル余計な事を聞くんじゃない、楽しんでるだろ絶対、しかもどさくさまぎれに人の事をおじさんって。


「リャーはねー、いっつもアラの事を守ってくれるの、いろんな所に連れてってくれるし、おいしい物を買ってくれる大好きなアラのお父さん」


 そう言って抱き着いてくれるのは嬉しいんだけど、もうちょっと服装を考えようね、いくら小っちゃいとは言え薄いワイシャツ一枚ってのはどうかと思うなー、て、みんなどうしたんだ。


「お、おとうさんだったんですか……」

「ハーフエルフのようなので、もしやとは思っておりましたけれど、本当にそうでしたのね」

「ご主人様、不能ではなかったのですね、それなら何故わたしは、まさか奥さまに操を立ててるんですか」


 あー、この子の発言でとんでもない方向に勘違いされちゃったか。


「まて、俺は独身だし、血のつながった実子はいない、この子が言ったのは父親代わりみたいな人だって事だろう」


「そうでしたの、つまりませんわね」


 このお嬢様はゴシップ好きなのか、人を捕まえてつまらないとか酷くない。


「ねーえアラちゃん、ご主人様がお父さんの代わりなら、お母さんの代わりはだれなのかな、わたしですよね、そうすればご主人様の奥さんは……」


 おい、ブラックメイド、子供に何を言わせようとしてるんだ、流し目を止めなさい。


「だめー、リャーのお嫁さんは、おっきくなったアラがなるの」


 そういってギューとしがみ付いてくる、ああ小っちゃな娘がいるお父さんの気持ちってこんな感じなんだ、うん家の娘は嫁になぞやらんって言いたくなる気持ちがよく解るわ、でも大きくなったらきっとアラも……じゃなかった。


(これで納得したかの)


 タイミングを見計らったかのようにかけられるラクナの声に内心でうなずく。


(この子はアラで間違いないだろうな、でもどうなってるんだ、いきなり大きくなるなんて)


(儂も聞いたことがないの、とはいえ『迷宮核』で若返る事が出来るのならその逆も可能かもしれぬ。若返りに失敗して逆に老化したという話もある故、上手く制御すればあるいは、もしかするとダークエルフ族の秘術かのう、エルフなどは寿命が長いせいで成長が遅い、戦力が必要な時に幼いままでは困るじゃろうからの)


(だが、これが魔法やスキルなら『鑑定』で分かるだろう)


 アラにそんなスキルはなかったのは確かだよな。


(隠蔽系のスキルやアイテムが有れば、『鑑定』で見つけられない場合があるじゃろう、実際お主が持つ勇者に関する情報は儂が『隠蔽』しておるしの)


 そっかそれが有ったな、あ、そういえばまだアラを『鑑定』してなかったな。



アラ・フォティ

魔術剣士 LV18 弓師 LV14


技能スキル 剣道 細剣術 片手剣法 短剣法 弓術 長弓 弾弓 曲射 軌道予測 風魔道 闇魔術 植物魔法 雷 氷 高速詠唱 無詠唱


身体スキル 聴力上昇 視力上昇 魔力上昇 速度上昇 快速 風耐性 暗算 MP回復 


戦闘スキル 風牙 闇牙 雷牙 氷牙 風弾 闇弾 雷弾 氷弾 闇刀 氷刀 風刃 闇矢 氷矢 雷矢 風槍 風陣 雷陣 氷陣 裂風陣 闇幕 闇毒風 闇痺風 闇痺雷 闇痺氷 涼風 吹雪 風雷 強風 突風 飛行妨害 葬風 旋風 竜巻 乗風 草操 草剣 木操 強斬 速斬 断斬 瞬斬 斬突進 扇圏斬 飛斬 横斬波 二連続切 三連続切 六連斬 連斬撃 強刺突 三連刺突 精密射撃 長距離狙撃 二段撃 三段撃 連射 制圧射撃 影縫


生活スキル お手伝い



 何だこれ、一気にスキルが増えてるし、職業までなんかすごそうなのが勝手についてるし、二重なのにレベルも高めって、ステータスも高っ。


(魔術剣士に弓師じゃと)


 お、ラクナが驚いてるな。


(そんなにすごい職なのか)


(職にしろスキルにしろ階級が有りそれぞれ呼び名が有るのじゃ、一番下は『雷』や『長剣』等のようにただの単語、上級になるに従い『法』、『術』、『道』、『導』となってゆく、また職名につく『師』は同じ種類の『士』よりも上位の職であることを表すのじゃ)


 てことは、アラは俺達みたいな基礎職じゃなく上級や中級職って事か、うわ今までみんなで守ってたお姫様が一気に一番の火力持ちになっちゃったよ、これは戦術を考え直さないとダメかな。


(気を付けるのじゃぞ、確かに素早さや魔力は高いが、スタミナやMPなどは年相応じゃ無理をさせると一気にへばるやもしれんぞ)


 そっか、それなら基本は今までと一緒でもいいのかなその前に。


「アラ、お前はどこのだれか知ってるか」


 この位の年なら、自分の事を知ってもおかしくないし、もしかしたらアラを故郷に帰さないとならないかもな。


「アラはアラだよ」


「アラ、もしお前に帰る所とか家族が有るなら、俺が絶対連れてってやるぞ」


 あれ、アラの目がいきなり潤んできたよ、なんで。


「リャーはアラのこと嫌いなの、アラどっかいかなきゃダメなの」


 ああ、泣いちゃった、そんなつもりはなかったのに。


「アラ、そんなことはないぞ、アラが居たいならずっと俺達と一緒にいていいからな、安心しろ」


 俺に抱き着いているアラを俺も少し強めに抱きしめる。


「ほんと、アラ、リャーと一緒にいていいの」


「ああ、もちろんだ」


うーんちょっとアラを強くしすぎたかな?


H26年10月23日、句読点、三点リーダー、一部語尾修正しました。

H27年4月5日 誤字修正しました。

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