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343 伯爵の来訪

更新再開の連続更新三日目になります。


ちょっとグロ展開が有りますのでご注意ください。



「なに、ライワの田舎領主が我に面談の申し込みだと、ふん、なりあがりが小生意気に」


 つい先ほど到着したライワ家の使者が伝えてきた言葉の内容を報告したが、やはりこのような反応か。ライワ家の本陣は既に領境の関所付近で待機していると言うが、まさか断ったりはしないよな。今の状況を解ってるはずだよな。


「お言葉ですが子爵閣下、相手は伯爵で有り、ましてや『勇者』、そのような態度を取られては色々と不味い事になりませんか」


 この脂肪を揺らすしか能のないオークモドキは本当に状況をわかっているのか。全く、無能なりにこちらへ全てを丸投げしてくれるだけましだと思っていたのだが、まさか勝手にライワ伯爵家の結納品に手を出すなんて話に乗るとは。


 まったく、正規の外交窓口ではなく貴族同士の社交の場で、俺達家臣に何の相談も無くこのような重要な話の全てを決め、こちらには何も知らせずに現場の下級役人に直接指示を出すとはな。


 おかげでこっちは、事が起こった後で対処せねばならなくなり、まだほとんど対策が出来ていないというのに。


「ふん、解っておる。だからこそ言っておるのだろうが、『勇者』ならばそれらしく神殿の子飼いのままで下賤な冒険者のように働き続けるなり、どこぞの貴族や王家の臣下として騎士にでもなればいいのだ、それが貴族だとそれも伝統と格式のある我が家よりも爵位が上だと、ふざけるな」


 ああ、ホント血筋しか誇るモノのないオークモドキはこれだから。しかし、ライワ伯爵家の行動がここまで速いとは、一体どんな賠償条件を吹っ掛けてくるものか。


 当主同士の会談でこのバカが謝罪してくれるかはかなり微妙だが、何とか実務者協議でこちらが許容できる程度の内容に抑え込まなければ。


 しかし、ライワ伯爵領から国境を越え、この領地に着くまで複数の貴族領を経由するはず。三十騎程度の規模とは言え武装した家臣を率いて他領を通過するための手続きの日数などを考えれば、ここまで来るのにかなりかかっているはずだ。


 だと言うのになぜライワ伯爵軍の動向がこれまで一切入ってこなかったのだ。


 普通に考えれば国境を越えてすぐに、対応した貴族家経由で話が回ってくるはずだが。


「まさか、ライワ伯に脅されて黙っていたか、それとも当領を売って保身を図ったか」


「なんだ、何か申したか」


「いえ、なにも」


 血統書付きオーク風情が余計な事を気にしてんじゃねえよ、しかし普通に考えればそれもあり得るか。


 あれらの領主たちと当家は今回の一件でこそ協力したとはいえ、本来はいくつもの権益や派閥関係なんかで対立している状態だ。偶々ムルズ王国の有力貴族からの誘いだったせいで全員が話に乗ったらしいが、普通に考えればお互いに足を引っ張り合うような相手だからな、我らを犠牲にして自分の安全を確保する事にためらいなど無いだろう。


 だが、それにしたって、何らかの形で情報が入って来ておかしく無いものだが。いや、今考える事は目の前の事態をどうするかだ。


「出迎えの用意などは、いかがいたしましょうか閣下」


「ふん、成り上がりとは言え一応は貴族だ、普段通りの出迎えをしてやれ、本来ならば謁見の間で見下してやりたいところだが、まがりなりにも伯爵を名乗っている以上は仕方あるまい、応接間に通せ」


「御意」


 ふう、多少なりとも常識の欠片が残っていたか、これで目下を迎える『謁見の間』で対応するなどという事になれば、交渉どころじゃないからな。


 なにせ相手はあの『重剣の勇者』、下手をすれば我が国とかの『勇者』の伯爵領とが戦争となりかねない。


 あの領の騎士達は『成長補正』の影響を受けながら、地元の『迷宮』で鍛えられ続けた精鋭ぞろいだと聞く。何よりも『勇者』とは一人で一軍を容易く蹴散らしてしまう化け物の事だ。そのような相手と戦いになれば場合によっては、国が当家を切り捨ててライワ伯爵と和を講じる、などという事になるかも知れぬ。


 そのような事となれば、当家は破滅しか残っておるまい。まかり間違っても、ライワ伯爵家と対立するなどという事態だけはなんとしても防がねば、こんなオークモドキでも、先祖代々主君と仰いできた家の当主、見捨てるわけにはいかないからな。


「閣下、私めの聴き及ぶところでは、ライワ伯爵家は先の結納の車列襲撃に我が国の貴族家が関与していると、王宮へ証拠を添えた上で抗議をしたとの事ですが」


「その話は我も知って居る、だが王家が我ら名門の家々をどうにかするはずが無かろう。忌々しいが、会見の場で領内での盗賊跋扈を許してしまったと、形だけでも頭を下げてみせ、我には直接関係ないと突っぱねればよかろう。伝統ある家の当主たる我が直々に謝ってみせるのだ、それであの成りあがりの面子も立とう。そうなればおかしな要求などすまい」


 ほんとかよ、まあこっちから頭を下げる気が有るってのは多少ましだが。









「ほう、それではムルズ王国のラッテル子爵領を目指されている、その道中であると」


 革張りの椅子に座った、オークモドキの背後に立って目の前に座る二人を見るが、これが『勇者』か。


 見た感じは、黒髪黒目のいわゆる『勇者の相』で、体つきはそれなりにしっかりしているが、筋骨隆々と言う訳でも、見上げる様な大男という訳でもない。騎士や冒険者としてみれば並よりやや強そうとしか見えぬが、この身体に力自慢の強者数十人を圧倒するほどの膂力を秘めているとは。


 相手は二人、何かあった時に備えて周囲の部屋や、この部屋の奥に有る隠し部屋にも手勢を控えさせてはいるが、この二人がその気になれば、全て返り討ちに遭うのだろうな。


「いかにも、こちらの息子がかの御家に連なる令嬢を正室として迎えるにあたり、どうしても岳父殿と御当主殿にご挨拶したいと。このような年にもなって父親同伴で嫁の実家へ挨拶というのもいかがなものかとは思うが、かの地にはこれの妹が嗣子殿の正室となるべく花嫁修業に赴き、かの家のしきたりを習っている最中。親ばかとは思いますがこれを機に娘の顔を見に行きがてら、婿殿と父君にも挨拶でもと思いましてな。とは言えラッテル子爵領までは他国領内を通るゆえ、少ない手勢に抑えましたが、貴家の領内を当家の兵が通らざるを得ないためこうして貴家へご挨拶をと」


 つ、いきなりその話を持って来るか、ここでラッテル領へ輿入りした伯爵令嬢の話が出れば、そのままの流れで結納の品を運ぶ車列、そしてそれらが襲撃にあったという話へと繋がって行ってしまう。


 幸い、うちの領地は連続襲撃の最後の一件、例の『虫下し』による虐殺が有ったため、オークモドキの指示を受けていた役人も、引き渡された下手人を解放することなく、俺に話を持ってきてそのまま捕えたままとして、先日全員を処分し口封じは終えた。


 領内で盗賊達が陣地構築までして車列を待ち構えるなどという事態を許してしまってはいるが、その件にしてもあずかり知らなかったで押し通せば、オークモドキが陣地構築をわざと見逃したなどという証拠はない。


 当家とは違い公式の犯罪者引き渡し書類を発行しながら、その賊がまた襲撃を掛けたなどという証拠を握られてしまった他の家々と比べれば、幾らでも取り繕いようは……


「それは目出度い話ですな、御子息に御令嬢共にとは、いやはやうらやましい限り、次期当主殿がそれぞれ御正室を迎えられるライワ家とラッテル家はともに安泰ですな」


 後ろ姿しか分からないが、多分オークモドキは気持ち悪い作り笑顔をしてるんだろうな。身内しかいない場では偉そうなことを言うが、実際には小心者で外面だけは何とか取り繕おうとするからな。まあ、そのせいで今回の襲撃計画を断り切れなかったんだが。


「当家としては、名のあるラッテル家と深く縁を結べありがたい話ではありましたが、やはり当家ばかり目出度い事が続いてしまいますと、それをうらやむ御方も出るようでして。娘の結納の品を運ぶ車列が何者かの手によって襲われましてな、車列護衛に当たった者からの報告によれば、何処かの貴族家の息がかかっているよし、貴殿は賊の背後関係について何か御存じありませぬか」


 頼む、頼むから変なことを口走るんじゃねえぞオークモドキ、この領主会談さえ乗り切れば後はこっちでいくらでも取り繕いようはあるんだ。


 それが無理ならせめて俺に話を振ってくれ、爵位持ちの貴族同士の公式な会話に、地方貴族でしかない俺が許可なく口を挟めるわけねえんだからよ、お前が俺に振ってくれさえすれば、幾らでも言いつくろえるんだよ。


 いや、やっぱり無理かも知れないな。万が一戦争となったらどうするか、俺は家臣筆頭として残るしかないが妻子だけでも逃がすか、となれば妻の実家のフィリ男爵家の家令殿に頼むか、それとも祖母の縁戚のオリハ伯爵家の家臣筋や、叔母の嫁ぎ先であるキュレム子爵家の百騎長殿に頼むというのも。

 

「その件に有ってはこちらも聞き及んでおります。なんでも当家の領内でも襲撃が有ったとか、この地の治安を預かる身でありながら盗賊の跳梁跋扈を見落とし貴家の家中に属する方々を危機に晒した事、ここにお詫び申し上げる。ですが、かような事態は当家の望むところではなかったことをお分かりいただきたい」


 よし、それでいい、謝罪し非を認めつつもこちらの関与は否定する。襲撃を防げなかったのと、積極的に許可したのでは、こちらの責任は天と地ほども違うからな。


「左様ですか、試みに問いますが捕えた下手人からなにがしかの情報は得られておりましょうか」


「残念ながら、全く得られませんでしたな。貴家の護衛隊より当家が引き受けた盗賊はほんの数名、それも皆何かの恐怖で気が触れてしまったのか、数日と経たず死に絶えてしまいましてな」


 いいぞ、殺しすぎた『虫下し』の責任を暗に非難しているし、これならあの冒険者共を口封じに片付けた事も誤魔化せる。


「そうですか、残念ですな当家の敵が誰か解るかと思ったのですが」


「お役に立てず申し訳ない、いかがかな今宵はこちらでお休みになられては、ライワ伯爵領からここまでの長旅、お疲れでしょうから、こうして堅苦しく話し合うのも結構ですが、そろそろ当家の客間にてゆっくりされては」


 よし、相手に言質を取らせないままで会談を終わりにすれば、後は我ら家臣団で実務者協議に持ち込んでなんとでも話を付けられる。


 今日は冴えてるじゃないか、これなら家臣団での陰口をオークモドキから、ゴブリンモドキに変えても良い位だ、ゴブリンの方がオークより多少は知恵が有るらしいからな、まあ見た目で言えばオークとしか呼べないが。


「いや、お気に召されるな、ここまで来るのに馬を走らせて僅か五日程度、確かに常に馬上で過ごし多少の疲労は有りますが、私や息子はもちろん家臣共も鍛えておりますからな、貴家に御迷惑をかけるほどでもありませぬ。それに愚息も早く岳父殿に会いたいと私を急かしておりましてな。貴家に何点かの取り決めのお願いをさせていただいた後でまた移動をと考えておりまして」


 クソ、やはり注文を付けてくるか、どんな無理難題を言ってくる気だ、いやそれよりも今なんと言った、五日だと、ライワ伯爵領からたった五日でここまで来たというのか。


 確かにライワ伯の護衛隊は一人当たり数頭の替え馬を用意した軽騎兵のみの集団、騎手を乗せて走り疲れた馬から、別な馬へ乗り換えながら、常に走らせ続ければ五日で来れぬ距離ではないが、それは無人の野を行けばの話だ。


 ここまで来るのに幾つもの貴族領を通るとなれば、少ないとはいえ数十人の兵力だ、関所や領境を越える度に様々な手続きが必要となり、その分の日数がかかるはず、それをたった五日でだと、まさか……


「そうそう、これらは無理を聞いて頂くのに当たっての、僅かなりともの手土産、どうかご笑納いただきたい」


 そう言って、ライワ伯が指示を出すと、伯爵子息が外に声をかけて用意していたのだろう木箱を十数個運び入れさせる。


「ほう、手土産と、しかもこれほどに」


 この大きさは壺か何かだろうか、しかしこれだけの数、ライワ伯爵領で陶器が名産とは聞いたことが無いが、いやあの領地は多くの商人が集まっていると聞く、ならば遠国からの珍しい品が大量に入ったとしてもおかしくはないのか。


「当家にとってはそれほどの物ではありませぬが、貴家にとっては価値があるかと思いますが」


 こいつは、ずいぶんな物言いだな。うちでは価値が無い安物だがお前らには十分だってか、まあ両家の経済力の差を考えれば、こう言われても文句は言えないんだろうがさ。


「是非ともこの場で中身をお確かめ頂きたい、子爵殿に喜んでいただける事、間違いないと思いましてな」


「ほ、ほう、伯がそこまで言われるとは、いったいどれほどの物か、見させてもらおう」


 オークモドキも多少は頭に来てるのか、少し語気が荒目だな。


「さて、な、こ、これは、く、く、く……」


 持っていたフタを取り落とし口元を押えて子爵が俯くが、気持ちはわかる、俺だってこんな場じゃなければ思いっきり腹の中の物を吐き出したいくらいだ。


 まさか、この箱の全ての中身が……


 俺の予想を肯定するように、伯爵子息が蓋を開けていくたびに、部屋の中に生臭い臭いが広がっていく。


 いや、待てよく見ると机の上に並べられた物体、いや生首の顔に見覚えが、あれはたしか。


「クライム男爵、ヒレムン子爵……、は、ご無礼を」


 マズイ、思わず声に出してしまった、ん、ライワ伯は俺の無作法を指摘せずに、一瞬目線を向けて戻しただけか、これは見逃されたって事か。


「首、クビ、くび、はう……」


 ヤバい、オークが気絶しやがった、クソ、血統書付きオークのショボいおつむと幼稚な心じゃこの状況に耐えきれなかったか、しかも漏らしてやがる。


「ご無礼を失礼いたします伯爵閣下、主は持病の発作を起こしてしまったよし、大変ご無礼かと存ずるが、一旦部屋を変えさせて頂いた上で、主の不在時には城代を務めさせて頂く、ポークン子爵家家臣筆頭の不肖ケリンラめが御対応させて頂く事をお許しいただきたい」


 マズイ、とっさの事で言葉遣いがおかしくなってそうな気がするが、今はそれどころじゃない、下手をすればオークモドキどころか俺までこの生首の仲間になりかねないんだからな。


「構わん、御当主殿が御目覚めの際にはライワが御容態を気にしていたとお伝えいただきたい」


 外から侍従たちを呼びオークモドキを運び出させ、別な応接室に移動し、新しい御茶を用意させてから、改めて伯爵らに向き直る。


「では、先に確認させて頂きますが、これらの手土産の御真意をお伺いできますでしょうか」


 俺の背後の台座に並べて視界に入らぬようにしている、生首の数々の理由を確認しない事にはな、あれらの首の持ち主はいずれも……


「なに、ここに来るまでの間の道々で刈り捕った物よ、あれらの領主共は当家の車列を襲った賊を庇い、せっかく我が配下が捕えた者を何の詮議も無く無罪放免とした、いわば当家の敵でしてな。敵には武威をもって対する当家の方針の下、行きがけの駄賃代わりに、これらの家中の領軍主力と主要防衛施設を潰し、こやつらが襲撃に気付くよりも前に領主公館へ攻め入り、その場に居た領主一族と主要家臣を討ち取っただけの事。まあ事のついでで、しかも急ぎであったため取りこぼしも多いだろうがな」


 行きがけの駄賃に貴族領を複数潰しただと、いや、相手は元『勇者』だ、文字通りほんの寄り道程度の感覚なのかもしれんな。


「今回の事については既に貴国の王宮からこれらの貴族家の処遇を自由にしていいと言われているので、好きにさせてもらったまでの事」


 そう言って国王陛下の玉璽が押された書類をライワ伯が卓上に置くが、まさか、それら自由にしていい貴族家の中にはうちの子爵家も入っているんじゃないだろうな。


「それで戦場いくさばの慣例に従って、当主と嗣子の首を取ったはいいが、これらの首を我らは持て余しておりましてな。なにせ今はラッテル領へ向かう旅の途中、息子の花嫁の下へと持って行くにはいささか無粋で風流にかける品、かと言ってライワへと持ち帰えるまで保管し、戻ってから城門に晒すとしても、我らが自領に戻る頃には腐り落ちて臭いを発し、見苦しくなってしまおう。そこで思い至ったのだが、貴家とこれらの家々の仲はあまり良くないと聞き、そちらで有れば色々と使い道が有ろうかと思いましてな」


「それは、また」


 こんなもん押し付けられてどうしろっていうんだよ。いや、待てよ、さっき伯爵は何と言った、主力と主要防衛施設を潰した、そして当主一族や主要家臣もあらかた排除しただと。


 となれば今、あれらの領地は無防備、いや無政府状態という事か、それならば民衆保護や治安維持という名目で兵を送り実効支配する事も可能、そして当主一族やそれを補佐する家臣の主だったものが生き残っていないとなれば、継承者不在の地、ならば最終的にはそれらの貴族領は解体され、別な貴族が封じられる事となろう。


 その時点で当家が実効支配しているという事実が有れば、それらの領地をそのまま当家に併合する事も可能となる。何よりも……


「確かにこれは素晴らしい贈り物、主に代わりまして御礼仕ります」


「なに、気にする事は無い、貴家と当家の関係を考えれば、これからも良好な物としたいからな」


 これらの貴族家への侵攻を王宮から許可されていたというライワ伯爵から、こうして首を受け取ったという事実は、当家が伯から直々にこれらの領地に対する今後の対応を任されたともとれる。


 この機を最大限に利用すれば、ポークン家は我が国の子爵家の筆頭どころではない、これだけの領地が有れば伯爵家、それもかなり上位の方へと位階を登る事も確実だろう。


 そのためにも、一刻も早く、どの家よりも先にこれらの貴族領に兵を送り制圧せねば、当家が今の今まで知らなかったのだ、おそらくほとんどの家がまだこの情報を掴んではいまい。


 もしも主力壊滅という情報を知ったとしても、その原因が分からねば、あるいはライワ伯の思惑を確認しなければ、とばっちりを恐れてやすやすと動けはしないだろう。


 だからこそ、すぐにでも騎士達に指示を出さねば、そのためには……


「さて、贈り物を受け取って頂けたところで、いくつかお願いをさせていただくが、当家はこれからもラッテル子爵家との関係を深めていこうと思っていて、この先両家間の交流は質量共に増える事となろう。それに伴う物資や人員の行き来について多少の便宜を図って貰えればと思ってな」


「細かいやり取りは、後日担当者同士でとし、今は大枠を決めると致しましょう。遅々たる探り合いなどは抜きにして、ご要望を直接お教えいただきたい」


 ともかく、少しでも早くこの交渉をまとめて終わらせねば。



H30年2月18日 誤字修正しました。

H30年2月24日 誤字修正しました。

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