34 ユニコーンと
ふう、何とか五日連続投稿成功(かなりギリギリな日もありましたけど……)
PVの合計が五万を超えました~~
ユニークも増えてきてますし嬉しい限りです!!!
冒険者達の持ち物をすべて回収し少し休憩をした後で、ユニコーン達を護衛しながらミーシア達の居る山小屋へ向かう。
「一人か二人、殺さずに連れて帰るべきだったかもしれないな」
そうすれば、他にも敵がいるか確認できたかもしれないしな。
「無理だよ、あんな怪我人を連れて行けば小屋に着く前に夜になるだろ」
すぐにヤッカが返答してくるが、他の連中からの答えは無い、疲れもあるだろうが、それ以上に俺に脅えているのが理由だろう。
目の前であれだけの人数を殺傷した以上、これは仕方ないだろうな。
「お前たちに乗せればいいだろ」
「絶対に嫌だね、汚らわしい」
何かあるのか、ハルとアラは何回か乗せていたよな、ミーシアは重いからと遠慮していたが。
「そうか、もう少しで小屋に着くな」
あの冒険者達が狩ったせいか、昨日から一度も魔物に会っていないのは今の状況だとありがたいな。
(それも、すぐ増えるじゃろうな、あれだけの死人が出たのじゃ、『活性化』とまではいかずとも『迷宮核』は大分力を得たじゃろう)
(そうか)
いろいろと面倒なことになりそうだな。
「りゃー、おあえりー」
視界に入っていた小屋がだいぶ大きくなってきた頃、急に懐かしい声が掛けられ、岩陰からアラが飛び出してきた。
「アラ、ダメだろう、一人でこんなところまで来たら、危ないだろ」
「さみゅーといっおだよ」
「一人じゃないですよ、アラちゃんが一番に見つけたので二人でお迎えに来ました」
アラの飛び出してきた岩陰から、メイド服姿のサミューが姿を現す。
「そうか、ありがとうサミュー、それと、悪いが怪我人が何人かいる、先に小屋に戻ってミーシアに声をかけておいてくれ」
「解りました、ん、ご主人様大丈夫ですか」
サミューが少し首をかしげて見上げてくる、どうしたんだ。
「怪我は無い、使ったMPも回復している、問題はない」
「いえ、そうではなくて、どうですか」
サミューがスカートの裾を持ち上げると、革に覆われた太ももが姿を現す。ああ急ぐなら裾の長いスカートは邪魔だから、持ち上げたのか。
「それと長老にも相談が有るから声をかけておいてくれ」
「……わかりました、失礼します」
どうかしたのか、応答に少し間が有った気がしたが。
「小屋まで行けば『治療士』もいるし食料もある、もう少し頑張れ」
俺が声をかけると何人かが頷くが、それ以外は返事をする気力もなさそうだ、顔が引きつっている者もいる所を見ると俺が怖いせいもあるのか。
「んしょんしょ」
足にしがみ付いていたアラが、俺の体をよじ登って胸元まで上がってくる、子供特有の高めな体温が温かい。
「しっかり掴まって落ちるなよ」
「わった」
小屋に着くと、残っていた連中が総出で俺達を出迎えた。
アラは、俺の胸にしがみ付いたまま寝てる。
(器用な物じゃな)
「安心したんでしょう、昨日はあまり寝付けなかったみたいですから」
そうか、心配させたみたいだな、ミーシアの目も潤んでいる。
「それで、私に話とはなにかな」
長老が進み出てくる。
「ああ、これからどうするか確認したくてな」
アラをサミューに手渡してから、長老と共に小屋へ入り、戦闘後から考えていた事を伝える。
「おそらく、また襲撃者が来るだろうし、『迷宮』も魔物が増えて『活性化』も近付いている」
「どちらも差し迫っておるか、『迷宮』の『鎮静化』に向かえばその間は里を守る者が居なくなる、襲撃に備えればその間に『活性化』してしまうかもしれない、我らが狙われている以上、これからも襲撃は何度もあるだろうし、リョー殿達もいつまでもここにはいないだろう」
長老の言葉に俺も頷く、どちらも直ぐに対処が必要だが、片方を優先すればもう片方が手薄になる、俺にも責任がある以上、出来るだけの手伝いはしたいが。
「となれば他に移るよりないか、この『迷宮』に我らがいることは知れ渡ってしまったようだしな」
「他の『迷宮』に移れるのか」
それならどうにか対処できるか。
「ああ、この『迷宮』も八十年ほど前に他から移り住んできたのだしな、また別な『迷宮』を探せばいいだけだ」
そうか、だが。
「そう簡単に別な『迷宮』が見つかるのか」
「当てはないが、いくつか『迷宮』を探索して行けば何とかなるだろう」
それは危険だろう、『迷宮』探索自体が危ないし、たとえ手頃な『迷宮』が有っても、そこを一から開拓して隠れ里を作るとなれば。
「そんな事が出来るのか」
「先祖たちが何度もやってきたことだ、被害は出るだろうが一族の子供たちが全滅するよりはいい」
「すまないな、そもそも俺が最初の時にしっかりと対処していればこんな事には」
あの時にサミューやラクナの言うとおりにしていれば。
「いや、リョー殿が居合わせなければ、ヤッカを始めとした多くの子供を失っていた、今回の襲撃で失った五人はすべて老人、若者の代わりになったと思えば彼らも本望だろう」
「そう言ってもらえると助かる、だが」
やっぱり俺にも責任があるよな。
「それに、リョー殿の話では、ここの噂は広まっていたようだし、遅かれ早かれこうなっていただろう、腕利きの冒険者の助けが有っただけでもありがたい話だ」
出来るなら力になりたいが、まてよ。
「すぐに、移住を始めるのか」
「いや、食料などの用意もあるし、外にいる一族にも協力してもらうため連絡も必要だ、数日はかかるだろう」
数日あれば。
「それなら、俺に考えが有る、もしうまく行けばこれ以上犠牲を出さずに済むかもしれない」
いくつかの点について、長老と話し合いメモを取り終えた俺は、そのまま荷物を確認する。
「ご主人様、どうしましたか」
怪我人に包帯を巻いていたサミューが俺に気付いて近付いて来るが、手を止めないまま答える。
「少し『迷宮』の外に行ってくる、数日で戻る」
食料を貰うのは申し訳ないが、ある程度は持っていくしかないか、俺の分と後は……
「それではわたし達も準備します」
「いや、サミュー達はここで待っていてくれ、急ぎだから一人の方が良い、それにユニコーン達を守る必要もあるからな」
「解りました」
「ちょっと、あなたどういうつもりですの、昨日と言い今日と言いわたくし達を放って置いて一人で勝手に」
話を聞いていたハルが寄ってくるが、時間がない。
「俺の居ない間に戦闘が有ればお前の魔法が頼りだ、すぐに戻るからそれまで里の連中をまかせた」
「う、仕方ありませんわね、任されましたわ」
聞き分けがよくて助かった、騒ぐようなら無理やり命令していたからな。
「りゃー、またどっかいったうの」
「すぐに戻ってくるから、いい子にしていろ、お土産は持ってこれないが、全部終わったら何かおもちゃでも買ってやるから」
「やーあー、アラもー」
泣き顔で抱きついて来るのを、抱き上げてサミューへと渡す。
「早く帰ってくるから、サミュー達と一緒に待ってろ、お菓子と果物を買って来るから」
確かあそこにはあったはずだよな。
「わかった、やくしょくだよ」
「ああ、それとミーシア」
「は、はい、なんですか」
「大変だと思うが俺が帰って来るまでに、出来るだけユニコーン達の治療を終わらせてくれ、最近狩った魔物の肉は全部置いて行くから好きにしろ」
「わ、分かりました、がんばります」
必要そうなものはそろったな、いくか。
「待ちなよ、ボクも行く」
横から声をかけてきたのは『獣態』をとったヤッカだ、こいつは今の話を聞いていなかったのか。
「急ぐんだろう、ボ、ボクに乗っていけばいいだろ」
確かに、ユニコーンの山道での移動速度はかなりのものだし、馬なら平地でも速いだろう、だが。
「いいのか」
今まで俺に対してそう言った事はなかったから、何かあると思ったが。
「一族のためだ、し、仕方ないだろ」
「分かった、頼もう」
「ご主人様、どのくらいで戻られますか、それに合わせて御食事を用意しておきます」
「そうだな、五日、いや四日で戻る」
一昼夜走り続けた俺達は、ライワ伯爵領に着いていた。
「大丈夫か」
人型に戻ったヤッカに声をかけるが明らかに顔色が悪い。
「ああ、ボクなら大丈夫だ」
乗っていた俺の重量を『軽速』で消していたとはいえ、これまで休みなしで走っていたうえ、『迷宮』を出てからは角を隠すために『幻身』の魔法も使っていたのだから疲労はかなりの物だろうが。
「急いでいるんだろう、ボクの事なら気にするな」
「分かった」
ヤッカを連れて、そのまま伯爵邸を訪ねる。本来なら事前に連絡を入れるのが礼儀だが、そんな時間がない以上は仕方ない。
「私はライフェル本神殿の上級僧侶、リョーだ、訳有ってライワ伯に至急の目通りを願いたい」
門を守っていた兵士に『聖職のメダル』を示すと、一人がすぐに奥へ駆け込み、俺達はそのまま応接室へ通される。
「あ、あんた神官だったのか」
「たまたま資格を貰っただけだ」
驚いているヤッカとソファーに座るとすぐに年配の男性が入ってくる。
「カミヤ家、家臣のクラナと申します、主は別な来客が数件入っている為しばらくお待ちください、リョー様の事は以前から主より伺っております、以後何かあれば私が対応させていただきます」
待つしかないか、急な来訪で今日中に会えるだけでも格別の対応だろうしな。
「失礼でなければ、主への御用向きを伺ってもよろしいでしょうか」
「申し訳ないが、伯爵に直接伝えたいので」
下手に予備知識を持たれるよりは、直接交渉した方がいいだろう。
「解りました、お疲れのようですので、しばらく休まれてはどうですか、必要なら入浴も手配しましょう」
申し出はありがたいが、そんな余裕はない、カミヤさんの予定が空き次第すぐに会わないと。
「いや、出来ればこのまま待ちたいのだが」
「主の用意が整い次第すぐお声をかけますのでご心配なく、毛布を用意しますのでここでお休みになられてはいかがですか、数分横になるだけでも疲れが取れるでしょう」
(こやつはアキラが『勇者』だった時からの従者じゃ、儂の事を考慮しての勧めじゃろう)
昨日のように休めという事か。
「申し訳ないが、お言葉に甘えさせてもらおう」
昨日からだいぶ気が立っている事も疲労も自覚している。
こんな状態では、まとまる交渉もまとめられないか。
すいません、連日投稿やっぱりきついので、またしばらくは二三日おきの更新にさせていただきます。
毎日定時に更新されてる人気作家さんがほんとに凄い事がよくわかりました。
H27年1月26日 誤字、句読点修正しました。
H26年9月11日誤字、鉤括弧、句読点、修正しました




