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19 複数職

しばらくはバトルが続く予定です。

 通路を進んでいた俺の足が止まった、やっぱ便利だなラクナの『鑑定』スキルは、視界に入るだけで表示してくれるからなー


仕掛け槍 LV2


「ミーシア、この先ちょっと変じゃないか」


「え、へ、変ですか、よく解らないです」


 熟練度が低いせいかな、やっぱりできるだけ経験させないとな。


「三メートルくらい先だ、何かおかしくないか」


「えっと、あ、は、はい罠があります」


 よしよし気付けたね、これはきちんと褒めないとね。


「ほんとか、よくやった、解除も頼む」


「は、はい、でも見つけれたのはリョー様が……」


「俺だけでは罠だとわからなかった」


 ごめん、今おもいっきり嘘吐きました、でもねミーシアには自信を着けさせないとダメだからね。


「が、がんばります」


(ラクナ、お前ならこういった罠の解体の仕方は解るのか)


(ふむ、完全な知識は無いがのう、以前の勇者達が解体していたのを何度も見ておるでな、大体のことは解るの)


 さすがはうんちく首飾りだ、たいがいのことは解るんだな。


(もし何か危険があれば教えろ)


(よかろう)


「罠が有るのでしたら、迂回すればいいだけではありませんの」


 まあ、ハルの言う通りなんだけどね、今の間はね。


「ミーシアの経験のためだ、迂回できないような罠が出てきた時に備えて罠の解除に慣れてもらう」


「は、はい」


 うん仕事でもそうだけど、若手にはどんどん経験してもらわないとね。致命的な物じゃなきゃ何回も失敗して、そこから学んでもらえれば大きなミスも無くなるし、トラブル対策もできるようになるしね。


「ミーシア、慌てなくていい、落ち着いて対処していけ」


「わ、解りました」


 深呼吸しなおして罠に向かったミーシアの手元でカチリと音が鳴る、緊張でがちがちになっていた表情が目に見えて緩んでいく。


「で、できましたリョー様」


「ありがとう、よくやった」


 しゃがんだままのミーシアの頭を撫でると一瞬ビクリと身を竦ませたが、すぐに気持ちよさそうに目を細める、かわいいなー


「ミーシアちゃんだけですか」

「りゃー、アラもー」

「まったく、何をやっているのかしら」


 いや、褒めることは大切だよ、旧日本海軍の人も言ってたでしょ、「やらせてみて、褒めてやらねば人は育たず」って。


 やって見せたり、言って聞かせる事が出来ないんだからその分ね、他意は無いんだよ他意は、撫で心地よさそうな髪だなーとは思ったけどさ。


「よし先を急ぐか」




 複数の蝙蝠が俺達を囲む、廊下から広間に出たとたんに大量の魔物が待ち構えていた。


  モンスターハウスか、蝙蝠とでかいネズミ、犬くらいのサイズがあるな、てか見た目ドブネズミじゃねえか、もっとリスとかハムスターとかもふもふで可愛いのだったらよかったのに。


黒大ねずみ LV(3~7)


 それぞれ百程度か、これなら同じやり方で行けるか、ここまで何回も戦闘を経験してだいぶ慣れてきたしね。


(む、フロアボスもおるぞ、注意せよ)


コマンダーバット LV10

身体スキル 知力向上

特殊スキル 鑑定 召集


 たいしてステータスは高くないな、これなら雑魚を片づけてからでも。


「通路まで戻れ、ミーシアは扉で後衛を守れ、俺が蹴散らす」


 室内なら壁も柱も天井も俺の足場だ、俺って密閉空間向きじゃね。


(調子に乗るのはよいが、蝙蝠の密集に飛び込むのは避けるのじゃぞ)


 ん、密集こそ蹴散らすべきなんじゃないのか。


(軽いままでは、たとえ小さな蝙蝠でも触れただけで弾かれることを忘れるでないぞ)


 お、おう、とりあえずはまず指輪で削るか。


 狙いを定めて連続で氷の弾を放つ。


「キッチ」


 くそ、避けられた、こまごまと動きやがって、ならデカいのをお見舞いしてやる。


「キキキッ」


 あれ、散開された、大型の火球で数匹しか倒せないんじゃ割に合わないだろー


 これなら剣で一匹づつ倒したほうが確実かな。


 アラたちはどうなんだろう。


「と、通さない」


「アラちゃんには触らせません」


 うん、ミーシア達がしっかり守ってくれてるな、隙間を抜けてきたのもムチや矢が撃退してる、これなら向こうは大丈夫かな。


「蹴散らしてやる」


『軽速』を発動させて飛び上がる。


 空中で数匹を切り落とす。


 天井を蹴り方向転換し、更に数匹を叩く。


 蝙蝠を蹴飛ばし反動で方向を変える。


 いける、これなら。


「キッキッ」


 背後に軽い衝撃を受けて軌道が変わり、速度が落ちる。


 体当たりされたか、くそ勢いが潰された、どこかに足場は無いのか。


「キッテッ」


 クソ、続けざまに体当たりされて動きが安定しない、これじゃあまるで風船じゃないか。


『軽速』を解いて剣を振り手近な数体を倒し、それを蹴って加速と方向転換を狙っても直後に体当たりされる。


 これなら普通に地面で戦った方がましだよな。


『軽速』を切り、数体を倒しながら落下する。


「キキット」


 下にネズミが集まってる、このままだと、ええい多少噛まれても再生するんだ、蹴散らしてやる。


「リョー様」


「りゃー、『ひゅううが』」


 アラの魔法か、でもこれじゃあ数が多すぎる。


 イテッ、噛むんじゃない、この。


 手を休めることなく剣を振るってもその後ろに控えていた魔物が周りを囲む。


 幾らなんでも魔物が多すぎないか、ひょっとして他からも集まって来てるのか、そうか『召集』スキル、ボスが雑魚を集めてるのかよ、あれ、ひょっとしてこいつ等のこのいやーな動きも奴が仕切ってるのかな、それなら。


 ネズミが足元に噛みついて来るのを無視してボスに突っ込もうとすると、大量の蝙蝠が間に殺到する。


 くそ、群がる雑魚が邪魔でボスに近づけない、指輪は全部MP切れだし。


 仕方ないか、少しづつ数を削っていくしかないよな。


 奴が雑魚を集めるペースよりも俺が倒すペースの方が速いみたいだし、このまま続ければそのうち突っ込めるはずだよな。

 

 結構噛まれて痛いけどダメージ自体は少ないし、『超再生』もMPがまだ持つからいける、ミーシア達も大丈夫だな、よし、このまま粘れば勝てる。


「ご主人様、ご無事でしょうか」


「あ、あんなに群がられて、でも、私が動いちゃったら、みんなが」


「これでは通路からまともに狙えませんわ」


 ミーシアの脇をすり抜けてハルが室内に飛び込み、魔法を使って俺の周りの蝙蝠とネズミを薙ぎ払う、おいちょっと、何を勝手に飛び出してるの、危ないだろう、いやこれはうまく利用した方がいいのかな、なんとかボスを狙わせれば。


「ハル、俺のまわりより奥だ、奥にいる蝙蝠を焼き払え」


「キカッ、キカッ」


 複数の蝙蝠がハルに向かう、ああ、先手を打たれた。


「これでは、呪文が唱えられませんわ」


 群がる蝙蝠を仕込み杖を振るって牽制しているけど、所々噛まれだしてるし、この作戦はダメか、しかたないな時間がかかっちゃうけど最初の予定通り削るしかないか。


「ハル、通路に戻れ、他はハルを支援しろ」


「は、はい、こっち、こっちに来て」


 ミーシアが盾を鎧に叩きつけて叫ぶと、その音に引き寄せられるようにハルに群がっていた蝙蝠がミーシアへと向かう。


 これは重歩兵の使う『引き寄せ』スキルか、これならハルも大丈夫だよな。


「行きますわよ、『火矢幕』」


 ちょっとそこ、何を普通に命令無視してんのお嬢さん、でも懲罰が発動しないって事はこうした方がいいって本気で思ってるってことか、うーん性格で差が出るってのはどうなんだろ。


 まあ、ボスは倒せたけど危ないだろう、ほらー魔法直後の隙を狙ってネズミが群がってるよ。


「待ってろ、今助ける」


 よし、ボスが居なくなって魔物の動きも鈍くなってきたな、これなら軽速ですぐに。




 ああ、疲れた、何が疲れたって、魔物に纏わり付かれるハルを逃がすのがもう。


 そのお嬢様は今ミーシアから回復魔法を受けている、しかし壁役と言いさっきの引き寄せにこれまでの罠解除や開錠、色々できてほんとミーシアは助かるな。


 うん、性格も素直でいい子だし、しっかりと育てて一人前にしてあげないとな。


 おっ終わったみたいだな、ん、なんだ、ハルがこっちにくる、少しは休んだ方がいいと思うんだけどな。


「ちょっとあなた、一体何を考えていらっしゃるのかしら、わたくし達を殺す気ですの」


 え、いやこのお嬢さん一体何を言ってんの。


「あなたが魔物に群がられて死にそうになっているのを放置すれば、わたくし達の首輪が締まってしまいますのよ、そうなったら戦いどころじゃありませんわ、それを解ってらっしゃるの」


 あ、それはそうか、説明してなかったもんね『超再生』のこと、うーん悪いことしたな。


「奴隷の扱いがわからないのでしたら『迷宮』になんて連れてこないでちょうだい、そんなにボロボロになって、って、あら怪我がありませんわ、これはどういうことですの、こんなのは非常識ですわ」


「ああ、俺の持ってる『魔道具』の効果だ、大抵の怪我ならすぐに治る」


 いやあの、黙ってたのはさ、悪いと思うけど、そこまで怖い顔をしなくてもいいのでは……ごめんなさい。


「そう言う大事な事はきちんと教えて下さらないかしら、それさえ解っておりましたら助けたりはしませんでしたのに」


「そうだな、すまなかった、これは伝えておくべきだった許してくれ、それとさっきは助けてくれたんだろう、ありがとう」


 悪いのは俺の方なんだからね、こういうのはきちんと謝るべきだよな、あれなんか皆引いてるような。


(自らの非を認め奴隷に頭を下げる主人など珍しいじゃろうな)


 あ、そう言う事か。


「わ、解ればいいんですのよ、あら、ひょっとしてあの非常識な動きなども全部そうなのかしら」


「ああ、『軽速の足環』という「魔道具』の効果だ」


「あの三つの指輪でしたり、その『魔道具』でしたり、ただの冒険者が『魔道具』を何個も持っているなんて非常識ですわ、ですけれどここまで非常識が続きますともう何があっても驚けないような気がいたしますわ、ところで他にも何か隠しているんじゃありませんこと」


 う、隠してることはいくつかあるけどねえ、さすがに全部教えるわけにはなー


 いや、この子たちを信用してないわけじゃないけどさ、情報っていうのはどこから漏れるのかわからない物だし、『勇者』がらみの事とか決定的な弱点なんかに関しては隠しておいた方がいいよな、下手をすると彼女たちも危なくなるもんな。


「いくつか話せない事もあるが、戦闘に関してならハルも知っての通り剣の他に魔法を練習中だという事くらいだろ」


「ひょっとして、ご主人様のお食事も何か理由があるのですか」


 うーん、食べたら力が無くなるってことは言えないけど、軽く説明はしてた方がいいかな。


「ああ、僧侶の資格を貰った時に、酒、なまぐさ、後は他者との粘膜に触れあうような行為は避けるように言われてな」


 うん、嘘は吐いて無いよな、勘違いはされただろうけどさすがにここら辺は正直には言えないし、これでサミューが自重してくれたらなー


「という事はその手前くらいなら問題ないという事ですね、それでしたら」


 うわ全然効果なかったか、なんかピンク混じりの嫌な空気になりそう、と、とりあえず話を誤魔化さないと。


「よし、素材を回収したらさっさと先に進むぞ」


 あ、でもその前にミーシアをしっかり誉めとかないとね。


「ミーシア、今の戦いよくみんなを守ってくれた、この調子で頑張ってくれ」


「は、はい、でもハル様に怪我をさせて……」


 あ、しょんぼりしちゃった、内気で引っ込み思案なのは可愛いんだけどここまでだとなー


 何か手を考えたほうがいいのかな。

次の更新は明日か明後日を目標にします。


H26年4月13日 誤字、句読点、語尾、一部台詞修正しました。

H26年12月14日 誤字、一部モノローグ修正しました。

H27年4月5日 誤字修正しました。

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