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183 オーダーメイド 1

お久しぶりです。

「それじゃあ、どんな装備を作るか決めるんだけど、きちんと合わせたものを作りたいから、リーダーさんと一緒に一人づつ話し合いながら決めたいけど、いいかな」


 詰りは俺の考えるパーティーの方針とみんなの希望を聞きながら、どんな装備にするか決めるって事か。


 まあ、せっかくのオーダーメイドなんだから、一人一人にしっかりとマッチした装備を作って貰ったほうがいいもんね。


「こっちとしては、願ってもない話だが良いのか、それだと時間がかかるだろう」


 他のお客さんとかが、お店に来たら対応できないんじゃないかな。


「うちの店が受ける気になる様な仕事を持って来てくれるお客さんなんて、たまにしか居ないからね、君達にかかりっきりでも大丈夫よ。せっかくの良い素材なんだから拘りたいでしょ。それに、もしもこれだけの物で下手な製品を作っちゃったら、うちの店の沽券にかかわるもの。何か食べ物を用意して貰うから、待っている間はそれでも抓みながらゆっくりしててね」


 お姉さんの言葉に、ミーシアとトーウが目に見えて反応したな。


「ご、御飯ですか、い、いいのかな、でも、歩いたからおなか減ったし……」


「よろしいのですか、こちらのような実力の有る方々が利用なさるお店ですと、おそらくは出て来る物もそれなりの物になるはずですが、ああ、図らずも胸がときめいてしまいます」


 うん、二人とも食べる気満々だね。


「お菓子もあるかなー」


 あ、アラも食べる気に成ってるか、お菓子とかだと結構食べるんだよな。


「わたくし舌はそれなりに肥えているつもりですけれど、はたして満足させてくださるのかしら」


 ハルはなんでハードルを上げにかかってるんだよ。と、とりあえずお姉さんにひとこと言っておかないとな。


「いいのか、うちの子達は見た目以上に食べるぞ」


 ミーシアとか一人で何人分も食べるから、食べた後でこんな筈じゃ無いなんて言われたらね。


「大丈夫よ、近くの飲食店からお任せで持って来て貰うんだけど、貴族様が使うようなお店や冒険者向けのお店もあるから、質の方も量の方も大丈夫よ、お代もうちの店持ちだから安心して食べてちょうだいね」


 え、いや俺言ったよね、みんな食べるからって。


「これだけの仕事だもの、それなりの報酬は貰うつもりだから、こう言った事も仕事を円滑に進めるための必要経費でしょ、だから気にしないでね」


 まあ、確かに営業とかでも喫茶店で顧客と話し合ったり食事したりしたときに、交際費って事で領収書を切って経費で落とすことはあったから変な話じゃないんだろうけど。


「わかった、ありがたく頂こう」


「それじゃあ、順番にお話と、それに武器を見せてもらえるかな。新しく材料から作るのもいいけれど、これだけの魔物を倒した武器ならレベルも高いだろうから、それを材料に組み込んだ方がいい装備が作れるだろうし、どんな武器をどんなふうに使っているかを見れば、武器の設計の参考にできるから」


 そうか、それじゃあ皆にも『アイテムボックス』にしまってる装備を出してもらうか、せっかくだから予備の物でも素材にできる物があるかも、ん、あれ、そういえば……


「トーウ、『アイテムボックス』に装備品が幾つか入ってるはずだから出してくれ」


 トーウに持たせてる『アイテムボックス』は神官長に貰ったやつなんだよね。トーウが仲間になった直後だったから、ちょうど良いと思って持たせてたけど、考えてみればアレの中には神官長が差し入れとして武器を入れてくれてたんだよね。


「装備品でございますか、あ、あら確かに入っておりました、すぐにお出しいたします」


 トーウが出してきたのは大剣、長剣、大盾、片手剣、小盾、杖、短剣、細剣が二つづつか、たぶん壊れた時の予備も含めてなんだろうけど、この『アイテムボックス』同じ武器が二個づつ入るのか、もっと早く知ってれば戦利品を入れれたのにな。


 うーん、この感じはサミュー達に合わせた装備なんだろうな。


 パーティーメンバーを神殿に伝えたつもりはないんだけど、しっかりこっちの事を把握されてるってわけか。カミヤさんの言ってた通り神殿の情報力は凄いのかな、さすがにトーウの分はなかったけどさ。


「フーン、『黒霊鉄』の装備品か、素材は悪くないけど作りが少し甘いかな、それにほとんど使った痕跡がなくて新品同様、レベルも低いし、これを使ってた訳じゃないんでしょう」


 一目見ただけで、そんなに分かるんだ。『鑑定』系のスキルもあるんだろうけどやっぱりプロなんだな。


「これは、貰い物だ、各一組を予備に取っておくとして残りは素材になるか」


 さすがに貰い物を売るのはアレだけど、このままにしてても『アイテムボックス』の肥やしになるだけだもんな。それなら素材にして活用した方がまだいいだろうから。


「そうねえ、『黒霊鉄』は『魔道具』の嵩増にも使える金属よ、『付与』や『付加』なんかの付いてる装備と混ぜても、他の金属ほど効果を減衰させずに馴染む特性があるから、魔物の素材のスキルも残しやすいわね」


 お、これはいい感じじゃね。もしかしてあの神官長こういう再利用も予想してこの装備を用意したのかな。


「それじゃあ、まずは、坊やっとと、お客さんから始めましょうか、奥へどうぞ」


「坊やでも構わないが」


 元おじさんとしては、若く言われるのは嬉しいし。


「そう、それじゃあよろしくね、坊や」




「それじゃあ、装備品を見せてもらえるかしら」


 お姉さんに言われて、俺の装備品を並べていく。『切り裂きの短剣』『ゴブリンズソード』それに百足殻の籠手、具足、胸当てでとりあえずいいかな。


 三つの指輪や『長命の魔法輪』『軽速の足環』なんかの装飾品は奥の手だし今回はやめとこうかな。


「フーン、軽装の防具で素早さ重視の切り合いをするような感じかな、あまり動きを阻害しない作りだし、素材も軽くて丈夫、魔法防御も高そうだし、この防具は少しいじるだけでいいかな、下手に重たくなったら使いにくいでしょ」


「動きの邪魔にならないなら、重量の事は気にしなくてもいい」


 俺には『軽速』が有るから、装備の重さは問題にならないもんね。


「そお、それじゃあ『感知の大鬼鎧』の欠片を『黒霊鉄』で伸ばして防具の表面にメッキするかな、かなり力のある魔物の殻を使ってるみたいだし、まだ何の効果も付いてないまっさらの状態だから、少しの量でも効果がいくらか残るだろうしね。それに坊やの戦い方なら、多少なりとも敵の位置を把握できるっていうのは有利になるでしょう」


 確かにそうかも、一対多数の戦闘が結構あるから後ろを取られたりした時にそれが分かるっていうのは強みだよね。


(セコイ戦法でギリギリの戦いをするお主にとっては、ちょうど良いじゃろうて)


 うん、首飾りさんもこう言ってることだしね。こないだみたいにアルコールを使った罠や、毒瓶攻撃、指輪を使った範囲攻撃なんかでも敵の数や位置を把握してれば効率が良くなるだろうから。


「そうだな、防具はそれで頼む」


「わかったわ、それと剣なんだけど、ずいぶんと正反対な組み合わせよね。短剣は坊やの戦い方に合ってそうだけど、これだけ大きな剣だと振り回すのも大変だろうし、持ってるだけで走り回る速度も落ちるんじゃないかな」


「そこはスキル等でどうにかなる」


 うん、実際に今までどうにかなって来たもんね。レネル達との戦いでも有効だったしね。


「そう、でもよく見るといい剣ね、強度や威力も結構高いし、それに『付与効果』も『聖属性』『浄化』(不死者・呪)『軽麻痺』の三つか、どれも加工した感じがないから、自然に定着したんだろうけど凄いわねこれ」


 お、最近『鑑定』してなかったけどトーウの『麻痺毒』もラクナの予想通り、剣の効果になってたんだ。


「それで、坊やはお姉さんにこのおっきいのをどうしてほしいのかな」


 おーい、お姉さん言い方がちょっと怪しいんですけど、貴方はサミューの同類ですか。いやいや、気にしちゃだめだ。


「この剣と『切り裂きの短剣』を一つにして貰いたい。大型で硬い魔物と戦う場合、『ゴブリンズソード』だと威力が足りずに刃が通らないが、『切り裂きの短剣』だと短すぎて急所まで届かないなんて事が有るからな」


 前にラクナから話を聞いてから、ずっと考えてたんだけどやっと二つの装備を一緒に出来るな。これが出来てれば『青毒百足』との戦いも楽だったろうな。


「うーん、この剣をかあ、ちょっと難しいかな」


 え、マジで、どっちもレベルを結構あげたつもりなんだけどな。


「この短剣は元々細剣だったのを短くしたものでしょう、だから太さも厚さもそんなにないけど。こっちの剣は長いし太いし肉厚だから」


 な、長くて太くて、熱いだと、イヤイヤそうじゃないそうじゃない、どうした俺、そこまで欲求不満だったのか。


 落ち着け、今は装備の事を考えるんだ。


「この小さな短剣と大きな剣を混ぜると、その分だけ効果が薄まっちゃうのよね」


 いや、だから武器のレベルを上げたんだけどさ、高レベルになれば多少威力が落ちても効果が残るって話だったよねラクナさん。


「『ゴブリンズソード』の方は三つも効果が付いてるから、レベルアップで増えてただろう効果の受け入れ容量がほとんど使われちゃってるのよね」


 キャパオーバーって事ですか、ウソだろ、効果が付いて喜んでたのに、まさかそれがアダになるなんて。


「『切り裂きの短剣』の方が元の細剣の長さだったり、もっとレベルが高ければ、この状況でも無理やり効果を押し付ける事は出来たかもしれないけど、今のままじゃね」


 うわあ、ダメだったか、これで一気に戦力アップできると思ってたのにな。


「それなら今有るものでどんな強化が出来るんだ」


「そうねえ、将来的に『切り裂き』の効果が付いた大剣が欲しいなら、アレを使おうかしら」


 あれって『鬼人刀』か、一体どう使うんだろう。


「『ゴブリンズソード』の刀身を削って、その分をあの太刀を溶かした素材で覆えば『魔力斬』と『鬼族の祝福』の効果が付けられるわ」


 ん、それっておかしくないか。


「ちょっと待ってくれ、『ゴブリンズソード』の容量が足りないのが問題なのに、そんな事をすれば逆効果だろう」


 二つも効果が追加されたら、なおさら『切り裂き』の入る容量が無くなっちゃうんじゃないか。


「『ゴブリンズソード』と『鬼人刀』はどっちも『鬼』の因子を持っていて相性がいいから馴染み易いはずだし、『鬼人刀』はレベルも大きさも十分にあるから、受け入れる方の負担が少なくて済むわ。容量の消費はほとんど無い上に『鬼人刀』と混じれば威力も上がるだろうから、『魔道具』と十分に言えるだけの剣になって、容量も増え易くなるはずよ。更に『鬼人刀』の余った部分を黒霊鉄と混ぜて『切り裂きの短剣』を嵩増すれば」


「そうか、『切り裂きの短剣』にも『鬼』の因子が定着して、『ゴブリンズソード』との相性が良くなるし、短剣の金属量も増える」


 そうなれば、将来『ゴブリンズソード』と混ぜる時に、やり易くなるって狙いか。


「ご名答ー、それに、この短剣は細くて短くて薄いから、レベルが上がる前に折れちゃうかもしれないけど、ここで補強しておけばその心配は減るしね。まあ『切り裂き』の効果を落とさないのが前提だから、そんなに沢山は追加できないけどね」


 いや、それでもありがたいから、鎧の隙間に差し込む時とかさ、間違って折れちゃわないかってビクビクしてたんだから、その恐れが減るなら使いやすくなるよね。


 これは、なかなか期待が出来そうな感じだな。


大変お待たせしました、一人一人武器を考えていたら、文量も執筆時間も凄い事になってまして、全員分出来るまで投稿を控えてました。

という事で今日から、一日一話六日間連続で装備の話をしようと思います。


H28年5月15日 誤字修正しました

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[一言] そうか…元は細剣でしたね。
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