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映画とゲームとワン!!

 浩介の言葉を聞いた瞬間、雅紀と俊は驚きを示したが、雅紀はすぐにグッと力を込めたことが、浩介には分かった。

  映画館で出会った6人。

「さぁ~てと、何みる?」

いつもの流れで、浩介が仕切る。

「俺、なんでもいい」

「同感」

俊と雅紀はふてくされ気味で並んでいた。浩介の目線は女子に移る。

「私も、なんでもいいや」

未来が可愛さ重視のスカートを触りながら言った。

「私も……なんでもいい」

百合が未来の後ろに隠れるようにして言った。この動作が、浩介は好きだった。

「織は?」

未来が織に聞いた。

「私も、なんでもいいよ」

5人ともなんでもいいといわれた浩介。リーダーの血が沸騰したのか、すごい提案をしてきた。だが、浩介の中では今最高にできる計画だった。

「じゃぁさ。この中から、見たいのを適当にえらんで、観たいの観ればよくない?」

雅紀が何か言いたげだったが、何も言わなかったので浩介はプリントを全員に見せた。浩介が指した作品は3つだった。多分、女子は3人が別々に分かれて、そこに男子が混ざろうとしているのだろう。作品は、全部最近はやりのものだった。『未来王』『家探し』『ミラクルケイト』。

「女子は何にすんの?」

浩介に振られた3人は少し相談した後、3人ともバラバラのものを選んだ。未来が『家探し』、百合が『未来王』、織が『ミラクルケイト』だった。この順番を聞いた浩介は、雅紀と俊の意見も聞かないで観る映画を決めた。俊が『家探し』、浩介が『未来王』そして、雅紀が『ミラクルケイト』だった。基本、自分のわがままのためだったら手段を選ばないのは、浩介の性格上仕方がなかった。雅紀と俊はあきらめを示したようにうなずいた。

 『8時56分より上映の『未来王』をお待ちのお客様。大変ながらくお待たせいたしました。ロビー向かいの、劇場までお越しください。尚、チケットは準備してお並びいただけますよう、お願い申しあげます』

「ん?俺らだ。行こうぜ、百合」

「う、うん」

浩介は百合の手を引いて椅子からたった。

「んじゃ、行ってくるぜ」

「リョーカイ!」

俊が親指だけ上げてサインをした。雅紀は隣で手を振っている。

 「楽しみだね・・・」

指定席に座ったとき、百合が声をかけてきた。

「あぁ、そうだね」

ついつい優しい言葉になってしまう。

「お前、この映画どうゆうヤツか知ってんの?」

「うん。確かね――」

百合は楽しそうにストーリーを話はじめた。

「――この時間の流れはね。光の速さを超えても、過去にはいけないの。でも、未来にはいける。でもね、未来に行っても過去に戻れない。つまり、家族にも、友達にも会えなくなるってことでね……。それで、未来にいった少年は、その未来の王様になること。それでも、孤独は消えない。それを問い掛けてくれるアニメーションらしいよ」

ゾワッ……。浩介は自分の体に鳥肌が立っているのが分かった。

(可愛すぎる……!サイコ―!)

浩介は拳を握り締めたい勢いだった。

「今日は良かったぁ。俺ヒマだったからさっ」

「私も……一緒だったから」

「そっか」

「うん」

やはり、会話は続かない。だが、浩介には『一緒にいる』という事実が大切なのだ。そこに会話がなくとも、意思はある。浩介の持論だ。

 そのうち、場内は照明が落ち少しの映画宣伝の後、映画が始まった。

 映画が終わり、浩介と百合はゲームセンターに足を運んだ。こうしていると、カップルのように見える。

「さて、何すっかなぁ」

「……」

百合は何も話さない。映画では若干の会話があったから良かったが、ここまで会話がないと緊張してしまう。緊張を隠すかのように、どんどん一人で進んでしまう。

「待って……」

「ん?」

浩介は百合の声を久しぶりに聞いた感覚に襲われた。

「どれかやりたいのか?」

「……コレ」

百合が指したのは、犬のぬいぐるみだった。小さいものなので、多種多様の犬が多々置いてあった。

「やっていい?」

小動物系の視線を飛ばす百合。浩介はうんとうなずくしかなかった。だが、結果はさんざん。3回ほど挑戦をしたのだが、1つとして取れなかった。

「……」

無言だけでなく、テンションも下がっているのがわかる。

「ったく、お前ぇはダメだな。ほら、俺がやる」

そういうと浩介は百合を退かして財布から100円玉をとった。コインを入れると、BGMが流れてきた。クレーンは右に動き、上に動き、1つの犬を取った。クレーンはそのまま取り出し口に犬を運び、落とした。

「ほら」

「あ、ありがとう!」

百合は満面の笑みで浩介に感謝を渡した。浩介は少しいいことを考えた。

(告白すんにゃぁ、今しかねぇ)

 ―村上浩介、遂に告白。わがままが描くサイコ―の告白とは?―

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