表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

わがまま、始動!

 中学校の2学期が本格的に始まったころ、中学3年の村上浩介(むらかみこうすけ)は、金曜日の夜、ケータイをいじっていた。

『明日、ヒマ?』

送信先は後藤百合(ごとうゆり)浩介が想いを寄せる女性だ。百合は引っ込み思案であまり話さない。にもかかわらず、行動だけは大胆だった。夏休みに部活に顔を出せば部活が終わったころに現れ、話かけずに帰る。そんな百合に浩介は最初、「なんだあの女」程度にしか意識しなかった。だが、もともと強引でわがままな性格の浩介は、引っ込み思案の百合に、惹かれていった。メールアドレスを交換したのは、同じ部活で友達の、栗山雅紀(くりやままさき)と斎藤俊(さいとうしゅん)と一緒に祭りに出かけたときだ。百合もその祭りに来ており、そのときに、雅紀と俊が好きな松本織(まつもといおり)、工藤未来(くどうみく)も来ていたのだ。雅紀と俊はアドレスを交換しなかったのだが、浩介は思い切ってアドレスを聞いたのだ。それも、1ヶ月ほど前。

『うん、ヒマだよ』

メールでの百合は以外と大胆だ。言葉にするのは苦手でも、文章だと楽なのだろう。

『明日、映画観にいかない?』

『いいけどぉ、2人で?』

『俺は雅紀と俊を誘うからさ、誰か誘えよ』

誰かと銘打ってはいるが、浩介は100%織と未来が来ると予想していた。百合にとって、2人は安心できる居場所なのだ。

『分かったよ。織と未来誘っておくね』

「オッケー」

浩介はつい口で言ってしまった。本心では、普段でもこうして百合と話していたかった。

『明日ヒマ?カラオケ行こうぜ』

百合との約束をすませると、浩介は俊にメールを打ち始めた。映画ではなく、カラオケといえば、ノリのいい俊は必ず食いつくと考えたのだ。俊は自分がわがままなのはしっているのだから、と浩介は決め付けていた。

『オッケー♪さぁ~てと、十八番の準備でもしておきますか♪』

この文面で、俊がカラオケを楽しみにしていると分かった浩介は、映画の後にカラオケに行こうと決めた。浩介の計画は隙がないので、雅紀と俊はいつも引っ張られている。

『じゃぁ、明日の8時30分にカードショップな。雅紀も誘っておくから』

浩介はすばやくメールを打つと『送信』を押した。

「雅紀は、どうせヒマだから明日でいいか・・・」

浩介はそういうと、ケータイを閉じ、ベットに潜りこんだ。

 翌日、浩介はカードショップに自転車を走らせた。朝おきてすぐに、雅紀にメールを送った。

『やっほぉ~♪今日はヒマかな?あのさぁ、コンパあるんだけどくる?3対3で!来るなら早めにメール返信頂戴ね』

メールを送ってすぐに返信がきた。雅紀は織がすきなのだが、告白に失敗、気を間際ら世帯のだろう。

『オーケー』

『じゃさ、いつもの店で集合ね。』

『どこでやんの?』

『カラオケ。支度できたらすぐ集合ね』

『ん』

そこでメールは終了した。一言の文面なので、返信はしない。

「おお~い」

浩介がカードショップにつくと、雅紀の姿があった。

「よっ」

「おっす」

浩介の挨拶に続いて雅紀もあいさつを返した。

「なぁ、ほかのメンバーって誰よ?」

雅紀がもっともらしい疑問をだした。

「ん?あぁ・・・。俊、そろそろくんじゃね?」

浩介は近くにあった自動販売機でコーラを買いながらいった

「ちーっす」

浩介の来た方角から、俊も到着した。俊はスポーツバックを持っていた。いつものバックだ。その点、雅紀と浩介は身軽だ。軽めのショルダーバックを持っている。浩介のバックには、P○Pと財布、ケータイしか入っていなかった。ふくらみからして、雅紀も同じようだ。浩介も雅紀のバックを見ていたのだが、なぜか目線があった。

「さぁ~てと、行動開始といきますか」

3人が揃ったのを見計らってか、浩介が言い放った。

「女子の皆さんはもう会場についてるってよ」

ニヤリ。今はその効果音が一番似合うだろうと思わせる顔を浩介はした。

「?」

「?」

雅紀と俊には意味が理解できなかった。

「今日って、カラオケっしょ?」

俊が浩介に聞く。

「違う!今日は、映画の後にカラオケ!」

声を張り上げて浩介は叫ぶ。

「はぁ!?」

雅紀は意味がわからないといった風に言った。だが、浩介の意見だからか、文句はいわなかった。

 15分後、自転車で隣町の映画館につくと、私服の女子3人組がいた。

「お~い」

浩介が声を大きくして呼ぶ。3人が振り向いた。そこには、あの3人がいた。

「!?浩介、何考えてんだよ!メンバー、聞いてねぇぞ」

雅紀は緊張のあまり、声が裏返ったが、今はそんなことは気にしていられない、といわんばかりに言った。

「そうだよ、意味分かんね」

俊も緊張気味で言った。

「だって、今日は告白コンパだぜ?」

浩介の言葉を聞いて、2人は「えっ?」といった顔をした。

(俺だって、告白してやんだ!)

浩介は心に決めた。いざ、戦場に。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ