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Sランクパーティー役立たずと追放された僕。でも俺のスキルは、ガラクタを伝説級に変える最強鑑定士でした  作者: 黒崎隼人


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第10章:物語を紡ぐ者たちの決意

 ガイウスの卑劣な要求に、俺の中で何かがぷつりと切れた。

 これまで、俺は争いを避け、静かに生きることばかりを考えていた。だが、もう違う。目の前で大切な人が脅かされている。守りたい場所が、踏み躙られようとしている。

「……断る」

 俺は、はっきりとそう告げた。俺の口から出た拒絶の言葉に、ガイウスは意外そうな顔をする。

「なんだと?」

「聞こえなかったか?断ると言ったんだ。僕の力は、誰かを支配するためのものじゃない。忘れられた物語に光を当て、誰かの心を救うための力だ!」

 俺は隠遁生活を捨て、大切な人々を守るために戦うことを決意した。俺の覚悟を感じ取ったのか、セレスティアが隣に並び、杖を構える。

「ガイウス、あなたの横暴もここまでよ。アルトはもう、あなたの所有物じゃない」

「アルトさんの言う通りだ!」「この街から出ていけ、偽物の勇者め!」

 倒されていた衛兵たちが立ち上がり、元騎士団長が剣を抜き、街の人々が農具や棍棒を手に、俺たちの後ろに集まってくる。彼らは皆、俺が鑑定した武具を手にしたり、俺との関わりの中で勇気や希望を得た者たちだった。

 ガイウスは、予想外の抵抗に目を見開いている。

「……雑魚がいくら集まろうと、結果は変わらん!」

 ガイウスはリリアナを部下に預け、自ら剣を抜いた。決戦の時は近い。

 俺は店の奥へと駆け込んだ。そして、これまで集めてきた、まだ物語を解放していない全てのアイテムの前に立つ。

「みんな、力を貸してくれ!」

 俺は片っ端からアイテムに触れ、【物語鑑定】を連続で発動していく。

『国を守るために城壁に立ち続けた衛兵隊長の盾』、『愛する人のために炎の中に飛び込んだ鍛冶師のハンマー』、『家族を守るため、決して折れなかった狩人の弓』――。

 次々とガラクタが輝きを取り戻し、魔法のアイテムへと生まれ変わっていく。俺はそれを、駆けつけた仲間たちに次々と手渡していった。

「騎士団長にはこの盾を!」「衛兵さんにはこの剣を!」「セレスティア、この魔力増幅のサークレットを使ってくれ!」

 俺の魔力はすっからかんになり、立っているのもやっとだった。だが、心は燃えていた。

 俺は一人じゃない。この街の人々と、彼らが紡いできた物語と共に、戦うのだ。

 店の外では、ガイウス率いる勇者パーティーが、決戦の準備を整えていた。

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