表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君がいてよかった  作者: どらさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/23

いざライブハウスへ

ライブ当日の朝。

いつものように目が覚める。

睡眠もバッチリだし体調も良い。

大げさかもしれないが運命の1日になる。

さて、準備して会場入りだ。



昼前に会場着。

今日の舞台となるライブハウス『ZONE』

キャパ200人の老舗ライブハウスだ。

イベントには6バンド出演となっている。

僕ら(あえて浅倉も含む)の出番は2番目。

そしてBase Areaは5番目。

以下タイムテーブル。



16:00〜開場

17:00〜17:10 タンブリンダイス

17:20〜17:30 T28

17:40〜18:10 武家諸HAT

18:20〜18:50 ルミナス

19:00〜19:45 Base Area

19:55〜20:40 November Rain

〜終演



僕の持ち時間は10分で演るのは2曲。

Base Areaは45分でおそらく8〜10曲程度。

最後のNovember Rainも45分だし、実質この二組がトリ扱いだろう。

2回目の出番までは1時間ほど空きがあるから楽屋でイメトレでもしておくか。


「こんにちは」

少し遅れて浅倉が到着。

ん?この感じは…。

そう、初めて会ったときのような黒髪のロングヘアに大人メイクで現れた。


「気合入ってるね」

「??当然ですよ」

メイクのことを言ったのだが、今夜のライブのことで頭がいっぱいの様子だ。

しかし、この子はガラッと雰囲気変わるな。


「おーい、浅倉ちゃん」

店内から30代半ばくらいの大人の男性が声を掛けてきた。


「松本さん、こちらの方はライブハウスのオーナーの貴水さんです」

「どーもー、タカミーって呼んでね」

なんか軽い感じの大人だ(汗)


「初めまして、今日はよろしくお願いいたします」

「初ライブなんだよね?フレッシュだねぇ。いっぱい楽しんでいこうよ。よろしくぅ!」

軽いけど悪い人ではなさそうだ(笑)


「オーナーさん面白そうな人だね」

「そうですね、結構苦労されてるようですけど」

「何かあったの?」

「昔は戦隊ヒーローの主役やってたんですよ」

「えっ?それって芸能人ってこと?スゴイじゃん!」

「いや、外の人ではなく中の人です」

「中の人ってスーツアクターのこと?」

「はい、歌いながら激しい動きの連続で腰を痛めて引退されたそうです」

「スーツアクターって歌うの??」

「世界初のキャラソンまで歌うスーツアクターだったそうです」

「見た目以上にキツい仕事なんだな…」

「引退後に夢の一つであったライブハウスの経営を始めて、今あんなキャラです」

「人生いろいろだな」


ライブハウスの楽屋、といっても出演者ごとに部屋が用意されてるわけではなく、少し大きめな部屋を出演者全員で利用する形だ。


「あ、他の出演者もすでに楽屋入りしてる」


インディーズバンドばかりなので名前と顔が一致しなくて申し訳ないが、見た目怖そうな人がいないことは確認出来た。

部屋の隅っこのほうに浅倉と座る。


「浅倉はここに来てる人たち全員知ってるの?」

「いや、ほとんど知らないです」

「よかった、仲間がいて」

「あそこにいるNovember Rainだけは知ってます。結構有名なので」

「へぇ、そうなんだ」


November Rain、通称ノベレン。

80年代風サウンドを現代に蘇らせたバッドボーイズ・ロックンロールバンド(フライヤーの紹介文より抜粋)。

見た目怖そうな人いないと言ったが、メイク前なのでそう見えただけで、これから変身するのだろう。

それにしてもみんな髪長いな。


「私、セッティングの打ち合わせがあるので、出ますね」

「うん、よろしく」


「ちわーす」

誰かが入ってきた。

Base Areaのナオだ。

他のメンバーも一緒だ。

彼らは奥の方のスペースに座った。


「ウツは遅れて来るって」

座るなりギターのチューニングを始めたナオが言った。


「オッケー」

「アイツ低血圧だもんな」

他のメンバーもいつものことのように慣れた感じのやり取りだ。


「みんなおはよう!リハの順番だけど、出演順に始めるから、あと10分後にえーと、タンブリンダイスのみんなからお願いね」

スタッフの1人が声を掛けに来た。

僕は2番目だからすぐだな。

少し緊張してきた。

早めにステージ行って袖で見ておくか。


ステージに行くと浅倉がスタッフと打ち合わせをしていた。

彼女がセッティング等やってくれるので、僕は演奏に専念できる。

逆に言えば言い訳できない状況でもある。


「あれ?衣装まだ着てない」

僕を見るなりそう言い放った。


「まだ早いでしょ。お楽しみは後に取っておかないと」

「私は好きな物は先には食べるタイプなんで」

「リハで燃えつきたらどうするのよ?」

「燃料追加するだけです」

不敵な笑みを浮かべてそう言った。

何か奥の手でも用意してるのか?

サプライズとかいらないから。


「それじゃT28さん、リハ始めてくださーい!」

よし、やるぞ!



















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ