表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君がいてよかった  作者: 龍田まや


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/38

イベントでのライブ

「皆さま大変お待たせいたしました。これよりバンドBase Areaによるライブショーが始まります。是非お集まりくださいませ」


メンバーが順次ステージに上がると最前列に陣取っていたファンを中心に歓声が上がる。

歓声の大きさからバンドのことを知らなさそうな大人たちもチラホラ足を止めてステージに視線を送っている。

今この場所に200人くらいいるだろうか?

いつものライブハウスと変わらない人だかりが出来た。

しかし、いつもと違うのは全員がバンドのファンではないことだ。

完全ではないが若干アウェイ。

楽器のセッティングをしながらバンド始めた頃を思い出すなと思う面々。

そんなメンバーをよそに緊張してるのは僕だけだろうか。

準備が整った。

ドラムのカウントから始まる。


オープニングは新曲の“Round And Round”だ。

ここにいる人たちが誰も知らない曲を1曲目に演るというアイデアはナオさんからだ。

俺たちのことを知らない人たちがほとんどだから、それなら平等にファンのみんなも知らない曲から始めたら面白いんじゃね?という逆転の発想。

無難な曲から演ってファンの盛り上がりを味方につけることはあえてやらない。

ある意味ロックな考え方だと思う。

ナオさんのこの提案に反対する者は一人もいなかった。

サビのフレーズがシンプルでキャッチーなので、否応なしに盛り上がっている。

掴みとしては上々だ。

僕はアドリブで演奏中にクルッとターンする余裕すらあった。

誰かしらのライブ映像で観たのをパクったのだ。

曲が終わり、メンバーへの歓声が上がる中、最初のMC。


「こんにちは。初めましてのほうがいいのかな?Base Areaです。いつもは地元のライブハウス中心に活動してますが、今回このイベントにお招きいただき出演することになりました。ありがとうございます。短い時間ですが、皆さん一緒に楽しみましょう。それじゃ次…“Revolution”」


この曲も僕はライブ初演奏だ。

1曲目は自身の曲ではあるが、2曲続けてライブ初演奏となる。

リハもそれほど多くやってない。

正直この曲ではクルッとターンする余裕はなかった。回数重ねたら何れそれも可能だろう。


続けてこちらも自身ライブ初演奏となる“Bright&Dark”。

この曲に関してはバンド加入前の乱入予定曲として勝手に練習していたので、頭では忘れかけていても指が覚えていた。

スラスラっと動く動く。

この曲でターンを決めようとしたが、ミディアムテンポなので、回るタイミングを見つけることが出来ず、パフォーマンスとしては不完全燃焼に終わった。

ターン以外に何か目立つようなパフォーマンスを開発せねば…。


残すところはあと2曲。

バラードの“Just A Dream”でウツさんの歌声に酔いしれてもらう。

バラードだけにここでは僕のプレイも重要となる。

語彙力不足で申し訳ないが、ナオさんの泣きのギターソロもいつにも増してイイ感じだ。


残すところ最後の曲となった。

ここで今日来ていただいた皆様に感謝を込めて挨拶。

「皆さん、今日は集まってくれてありがとうございます。このようなイベントは初めてだったのですが、楽しんでいただけたでしょうか?もし今日のライブを観て、楽しかったな、また観たいな、と思っていただけたら、ライブハウスに来てください。僕らはいつでもライブハウスにいます。それじゃまたいつか会える日までお待ちしてます。今日は本当にありがとうございました」


ラストナンバー“Say You Love Me”が始まった。

定番曲なので、最前列のファンは待ってましたと言わんばかりに身を乗り出して拳を上げた。

これまで演奏に夢中で気付かなかったけど、久保も先生と一緒に来てくれていた。

先生も最前列で盛り上がってくれてる。

遠くの方にはバイト先の店長も家族連れで来てくれている。

ライブってやっぱり楽しいなぁ。


こうして、Base Area初のイベント出演は幕を閉じた。


「おつかれー」

「おつかれー」


そして、お互いが健闘を称えてのハイタッチ。

今終わったばかりなのにもうアルコール飲んでる人いるし(笑)。


「いやー、皆さんお疲れ様でした」

イベントの主催者である町内会会長が一人ひとりに握手して出迎えてくれた。

「こちらこそお招きいただきありがとうございました」

ナオさんが大人の対応をしてくれた。

「また次回開催する運びとなったらよろしくお願いします」

「その時はスケジュールが1年先まで埋まってるかもしれませんけど(笑)」

「なるほど。たしかに!ギャラとは別で野菜も用意しとかなきゃならないですね(笑)」

「野菜よりフルーツ盛り合わせを頼みます(笑)」


ステージ横のテントには久保と先生が来てくれた。コッチに来てと手招きしている。

「お疲れ様!それでは松本選手に伺います。正式メンバーとしての初ライブの感想は?」

プロ野球のヒーローインタビューのような質問を久保がしてきた。

「えー、最高です」

プロ野球選手がよく使う文言で返した。

「それでは現場からは以上です」

って、あっさりしてるなオイ!


そういや浅倉の姿は見てないが、どこにいたのだろうか?

来てないことはないと思うが。

ん?浅倉からメール来てる。

え?風邪引いて寝込んでるって?!

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ