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君がいてよかった  作者: 龍田まや


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イベントのリハ始まる

新曲の制作中だが、急遽商店街のイベント出演が決まったので、そちらの準備も始めることになった。

新曲に関してはある程度形になったので、あとはライブで演奏してみて仕上げていくことになる。

今日はそのイベントで何を演るかの話し合いが行われる。

例によってナオさん宅に集合となった。


「商店街のイベントなんだけど、持ち時間は30分だからMC除いて演れるのは5曲くらいかな?」

「そうだね」

「新曲も1曲演んない?」

「いいね。いつも来てくれるファン以外の反応も見てみたいし」

「じゃあ、どの曲にする?」

「そりゃ決まってるでしょ?」


ウツさんがそう言うと全員が僕の方に顔をクルッと向けた。


「え?僕の曲ですか?」

「そりゃそうでしょ。新入りだし」

「アピールする機会にもなるから」

「今回だけは譲ってやんよ」


満場一致で決まったようだ。

うれし恥ずかしだが、嬉しさのほうが勝ってる。

あ、でも…。


「あの、歌詞がまだ出来てないんですけど」

「それなら大丈夫。俺が書いたから」

「え?いつの間に?」

「イベントまでそんなに時間ないし、アナタが学校行ってる間にキチンと仕事しといたのよ」

「仮歌も録ったから聴かせるね」


そう言うと録音された音源を再生し始めた。

ラフな音源だが曲にピッタリな歌詞に思えた。

これは僕には書けない。

経験の差が出た感じだ。


「タイトルは何ですか?」

「“Round and Round”」

「英語風に読むとランレンランね」

「響き重視ですかね?」

「キャッチーで覚えやすいでしょ?」

「他の4曲はセイユー、ジャスドリ、ブラダー、あと1曲はどうする?」

「“Revolution”にしとこうか」

「いいね。それじゃ音源と譜面渡すからテツヤくんは自主練しといて」

「分かりました」

「よっし、それじゃ今日は今聴かせた新曲をバンドでしっくりくるまで合わせようか。その後に残りの曲も一通りやってみよう」

「あ、ちょっといいですか?」

「ん?どうした?」

「僕の曲なんですけど、自分なりにイメージしたアレンジが思い浮かんで、それを試したいと思うんですが」


そう言うとキーボードの前に座っておもむろに弾きながら鼻歌で歌い出した。

歌だけではなく口ギターと口ドラムも演じた。

自分なりのイメージと言ったが、浅倉から伝え聞いたイメージだ。


「とまぁ、こんな感じなんです」

「…」


さすがに口ギターと口ドラムでは伝わらなかったか?


「もっとシンプルにって感じかな?」

「余計なものは削ぎ落とすみたいな?」

「そうですそうです」

「けっこうボーカルの力量が問われるよね」

「そこはウツさんだから何とかなると思って」

「…。よっし、何とかしましょう」

「何とかなるの?」

「ハードル高いほど燃えるから」

「やった!よろしくお願いします」

「それじゃ、今聴いたのをベースにしてバンドで仕上げますか」

「あの口ドラムを完コピすればいいのね」

「口ギターのほうがムズいわ」

「そこは皆さんの技量にお任せします」


よし!これで浅倉のイメージ通りの楽曲に仕上がりそうだ。

期待して待ってろよ〜!


バンド練習が終わり、僕は自宅に帰って“Round and Round”の練習を始めた。

他にもレパートリーあるから暇を見つけて練習しとかなきゃだ。

でも、ナオさんが作詞してくれて助かった。

改めて自分の作詞ノートを開いて見たけども、とてもじゃないが作詞と呼べる代物ではない。

明らかに語彙力が足りない。

やはり普段から本を読んだり映画を観たりして、言葉に触れなきゃダメだな。

新聞読むのもいいって聞いたことあるような気がする。

ん?それは違うか?

何にせよいろんなことから吸収しなきゃだわ。


しかし、商店街のイベントか。

久保と浅倉とバイト先の店長は来るとして、他は誰が見に来るだろう?

学校のクラスメイトにはバンドやってることは教えてないし、誰かからそのことを聞かれたこともない。

あのときのライブハウス出演時には学校関係者は誰もいなかったのかもしれない。

もしくは、僕の存在に気付いてないのかも?

普段学校でそんなに目立ってないからな。

まぁ、得意気にひけらかすのも僕の性分でもないし。

親には伝えておくか。

少しは親孝行になるだろ。

あ、母さん帰ってきた。


「おかえりー」

「ただいま、今から夕飯の準備するね」

「母さん、僕ね、今度イベントに出ることになったから」

「イベントって何の?」


母が素っ頓狂な顔をしたので、イベントのチラシを手渡した。


「これにアンタが出るの?バンドなんかやってたんだ。最近またエレクトーン弾き出したと思ったらそういうことなのね」

「よかったら観に来てよ」

「そうね、この日なら仕事も休みだし、友達誘って観に行こうかしら?」

「うん、是非そうしてよ」

「しっかし、アンタも偉くなったもんね。イベントに呼ばれるなんて」

「僕個人じゃなくてバンドとして出るんだから、そこは勘違いしないでね」

「バンド名って、このベースエリアって言うの?どういう意味なの?」


そういや意味まで聞いてなかったな…。


「野球好き?が集まってるのかな?」

「アンタ野球なんて興味あったの?」

「…これから好きになるから」







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