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君がいてよかった  作者: どらさん


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22/24

作詞は専門外

ナオさん宅から帰宅中に浅倉に連絡を入れたら詳しく話を聞きたいと返事があり、ファミレスで会うことにした。


「持っていった新曲、1曲は採用になったよ」

「そうですか。もう1曲はダメでしたか?」

「ダメではないけど、これまでのバンドの色とは異なるから、今回はナオさんの曲とバランスを取るために1曲だけ採用だってさ。もう1曲はストックとして残しておくと言われたよ」

「そういうことですか…。そこまで考えて作ってなかったです。なるほどバランスか…」

「まったく別のバンドになっちゃうとファンも戸惑うからじゃないかな?」

「確かにそうですね。Base Areaの曲はナオさんのカラーが強いから」

「でも、僕はそれでいいと思うけど」

「えっ?」

「だって、ナオさんと同じような曲書くくらいなら浅倉がバンドに曲書く意味ないし、バンドだってそれは求めてないと思う」

「…」

「浅倉の作る曲がそのうちバンドに馴染むようになる日がきっと来るよ。そうなったら今よりもっとカッコいいバンドになると思う」

「そのうちっていつですかね?」

「僕が在籍してるうちに頼みますよw」

「クビにならないように頼みますよw」


まぁ、実際メンバーからの反応は良かったと思うし、そんなに時間はかからないと僕は思った。そこは心配してない。

だがそれとは別に…。


「あと、もう一つあって」

「何ですか?」

「浅倉の作った曲って、メロディーは入ってるけど、歌詞がないじゃん?」

「ええ」

「歌詞は誰が書くの?」

「それは…私の専門外です」

「でも、T28の曲は歌詞あったよね?」

「あれは歌詞というか、音やメロディーに合う言葉を適当に拾って乗せただけですし。日本語だと恥ずかしいから英語で」

「今後も歌詞は書かないと?」

「うーん、今すぐには難しいですね」

「てことは、誰かに頼むか?」

「頼む人がいれば…って松本さん書いたらどうですか?」

「僕が?!」

「だって、することなくて暇そうにしてるじゃないですか?」

「暇そうにって、そう見えるだけで実際は…まぁ、暇だな」

「試しに書いてみませんか?」

「書けるかなぁ?」

「やればできる子だと信じてます」

「まだ付き合い浅いのに?」

「やれよバカ!!」

「?!」

「これが欲しかったんですよね?」

「いや、そんなの欲しがってないからw」


ということで、半ば強引に歌詞を書くことになった。

浅倉ばかりに負担かけるのもなんだし。

普段漫画ばかりで活字ばかりの本とか読まないからなぁ。

歌詞なんてどうやって書けばいいんだろ?

フィーリングでいいのかな?

今度ナオさんにでもコツを聞いてみるか。


「バンドの今後の予定はどうなってますか?」

「とりあえずは今日上がったナオさんと僕らの曲合わせて4曲を完成させること、それからレコーディング、その後に新曲披露のライブを何本か行う予定だと言ってた」

「時期に関しては未定ですか?」

「曲を完成させてからじゃないとあとのスケジュールは未定じゃないかな?もしかしたら締め切りありきでスケジュール組んでるかもしれないけど」

「どちらにせよ作詞を優先させないとですね。私も何かしら考えるので頑張りましょう」

「そうだね、よろしく頼むよ」

「アナタも考えるんですよ。丸投げは許さないですから」

「あ、バレてたか」

「私に関しては本格的な曲作りは一旦ストップして、今回の新曲をライブで聴いて、ファンの反応を見てからにしたいです」

「そのほうが迷いなくやれそうだからそれでいいんじゃない?」

「じゃあ、そういうことで」


そう言うと浅倉は席を立った。


「あれ?もう帰るの?」

「今夜観たいお笑い番組あるので」

「あ、そうなんだ。お疲れ」


そう言うとそそくさと帰ってしまった。

浅倉、お笑いとか好きなんだ…。

さて、僕も帰るか。


自宅に帰宅。

ベッドに寝転がり作詞のことを考える。

何も浮かばないな。

今日は寝るか。

ん?久保からメール来てた。


『こんばんは。BAの活動どうなってる?しばらくライブがないから毎日物足りないよ。飢えた私にとびっきりの情報解禁くだされ』


『こんばんは。今日バンドで新曲ミーティングしてきたところ。僕の書いた曲も1曲採用されることになって、メンバーみんなで仕上げる予定。それが終わればレコーディングで、そのあとに新曲お披露目ライブもやる予定。で、困ったことに作詞もしなきゃならないんだよね。何か良い作詞の題材ある?』


『すごい!いよいよ本格的にメンバーになったっぽいね!ライブで聴くの楽しみにしてるよ。作詞のアイデアか…。バンドに加入できた喜びみたいなことを書くのはどう?それ以外だと定番になるけどラブソングとか?それなら書けそうじゃない?』


ラブソングって、高校生がそんなこっ恥ずかしい歌詞なんて書けるわけないだろ。

久保みつ子好き好きソングになるだけやないか。

でも、まぁ、いつかは告白したいとは思っているが、まだ時期尚早だろ。


『ラブソングね。それは却下。バンドに加入したときの喜びなら書けるかも。一応アイデアの一つとして頭に入れておくね』


『スキスキ光線 君にゲッチューみたいな歌詞どう?』


いや、相談した人間違えたわ。

そのまま既読スルーして眠りについた。









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