下心ある行動?
「まだあるのか」
「はい。あの、前にリオス様は、よく町の本屋へ行くって言ってたけど、それってたとえば、どのくらい、よく行くのかな、って…。
あと、前にお店に来てくれた時に、チーズケーキ食べてたと思うんだけど、チーズケーキ好きなのかな、って。もし好きなら、町のチーズケーキ専門店知ってるかな、って…。
あと、それから…」
「おい、ちょっと待て。それって全部、俺のことじゃないか…」
「そ、そうだけど。悪い…?」
リオス様は、ん--と考え込むような素振りを見せた。
「…お前の質問に答える前に、俺からも聞きたいことがある」
「え、なに? 」
「お前、あの、エピデンドと、何かあるのか? 」
「エピデンド? エルセのこと? 」
「違う。兄貴のほうだ。…ランチテラスではいつもお前と一緒にいるし、図書室でも一緒に勉強してるし、帰りもいつも一緒に帰ってるだろう。…婚約者か何かなのか? 」
「ああ、エキーザ兄さまのことね。違うわ、婚約者でも何でもない。
王子と仲いいからって嫌がらせされないように、エキーザ兄さまと親しく見せようとして、お願いしてただけ」
「そうなのか? 」
「うん、そう。エキーザ兄さまとは、エルセもだけど、小さい頃から私の兄と一緒に過ごしてきて、本当の兄妹みたいなものだから」
「ふうん…」
「な、なんでそんなこと聞くの? リオス様、もしかして…」
「なんでもねえよ! お前こそ、なんで俺のこといろいろ聞いてくるんだよ?」
「そ、それは…、それこそ別になんでもないわよ! 答えてくれたっていいじゃない」
「それなら俺も聞きたいことがある。お前、バイトの日はいつだ? 」
リオス様はぐいっと一歩、アリカに近づいた。
「へっ? 」
アリカは思わず、少し後ずさりした。
「学園のランチには何時ごろに行く? 図書室に勉強に行くのは何曜日が多い? いつも帰るのは何時ごろでどの道を通って帰る? 」
リオス様は、ぐいぐいとアリカに近づいてくる。
「な、なんでそんなこと聞くのよ」
今や、リオス様は、アリカの目の前にいて、にっと不敵な笑いを浮かべた。
「いいか、覚えとけよ。俺にだって下心があるんだぞ」
****************
「やあ、リオス。それにアリカ嬢。君たち、いい感じだね」
アリカとリオス様が、図書室で勉強してると、ルシオン王子がそばにきて、近くの席に座った。
「なんだよ、ルシオン。あっち行けよ」
「まあ、いいじゃないか。君たちがこうなったのも、僕のおかげとも言えるだろう? 」
アリカの顔は、カーっと赤くなった。
「だから、と言っては何だけど、どうだい? 今度、みんなで町へ遊びに行かないか?」
「え? 町へ? 」
「ん? みんな? 」
「そう、みんな。僕とリオスとアリカ嬢。そして、…エルセ嬢と」
「エルセッ??」
「シーーーーーーッ!!」
思わず大きな声を出したアリカに、ルシオン王子が慌てた。
今日も図書委員の当番で、カウンターの向こうにいるエルセが、自分の名前を聞きつけたようで、こちらを向いた。
「頼むよ…。アリカ嬢」
ルシオン王子は、にっこりとアリカに微笑みかけた。
「そうだったんですか…」
「下心って、こういうことか…」
リオス様はいつかの王子の言葉を思い出して、ボソッと呟いた。
********** 終
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