家の事情
「アキレオ兄さま、ごめんなさい。そういうわけで私には玉の輿は無理みたい」
「まあお前には最初から期待してなかったから、落ち込むことはないよ」
「そうだったの? 私、あんなに張り切ってたのに」
「お前ひとりで張り切ってただけだからな」
「うっ…」
「それにアリカ、うちはそんなに貧乏でもないぞ。近隣や同じような境遇の男爵子爵家たちと、共同で行う事業が進んでるしな」
「そうなの? お父様」
「ああ。それにお金があることも大事だけど、肝心なのは、たとえお金があったとしても、自分が幸せを感じられるかどうかだからな」
「父上、いいこと言いますね~」
「そうだろう」
こういうところが、アリカと父親は似てるのかもしれない。
「じゃあ私、バイトもしなくていいの? 」
「どっちでもいいよ。バイトだってお前が、家のために自分の分は自分で稼ぐ、って言って始めたことだからな」
「うーん、そっか…」
「それより気がかりなのは、学園での勉強とその嫌がらせだ。勉強がついていけないようなら、王立学園へ通う意味はないから、アリカに合った学校へ通ったほうがいい。
当てつけやこじつけのような嫌がらせがやまないようなら、そもそもの勉強にも身が入らないだろうし、無理してそんなところに居続ける必要もない。 どうだ? 」
「うん…。嫌がらせは減ってきてる、と思うし、勉強も、なんとかついていけてる。何より自分が頑張って入った学園だし、学べることもたくさんあるし…」
「わかった。まあ結論はすぐに出さなくていいから、思うところあったらいつでも言うんだよ」
「ありがとう。お父様、お兄様。もうバイトの時間だから、行ってくるね」




