方針の変更
「そうか。アリカ嬢はそんなことを言ったのか」
リオス様はルシオン王子に、アリカ嬢との話し合いや嫌がらせのことをのことを伝えた。
「下心はあるけど、下心のための行動はできない、か」
「自分は下心はある、ってハッキリ言っちゃうんだからな。普通言わないだろ」
「そうだな。でも彼女の言うことも一理ある。下心があるからできることがあるからな」
「人間なんて、そんなもんかもな」
「それにしても嫌がらせは見過ごせないな。だが、アリカ嬢の言う通り、首謀者をあぶりだして抑えつけるだけでは、根本的な解決にはならないだろう」
「じゃあどうする? アリカ嬢とは関わらないようにするか? 」
「今回は、アリカ嬢のことではあるが、もし私が別のご令嬢と親しくしたら、また同じことが繰り返されるだろう。そういう意味でも、根本的に解決する必要があるのかもしれないな」
「まあ、そうか。意外とこの件に、積極的だな」
「僕にも、下心があるからね」
「どういう意味だ? 」
「さあ?」
そう言うと、ルシオン王子は馬車に乗り込んだ。
「じゃあ、リオス。また明日」
「…ああ」
リオス様はルシオン王子の馬車を見送った。
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「それじゃあ、玉の輿狙いの下心計画は、中止になったのね」
ランチテラスで昼食をとりながら、アリカはエルセとエキーザに説明をした。
「そういうこと。だからルシオン王子たちと会わないようにしようと思ってたの。でも最近、ルシオン王子のほうも、私を見かけても挨拶とかしてこなくなったのよ」
「あら、そうなの? 良かったんだか、悪かったんだか…」
「それで良かったのよ。あとは嫌がらせが収まるといいんだけど。」
「そうね。会わないようにしてるんだから大丈夫よ。エキーザ兄さま、アリカのことお願いね」
「ああ、任せて。帰る時は必ず教室まで迎えにいくから」
「ありがとう。エキーザ兄さま」
「あ、噂をすれば、ルシオン王子たちよ」
ランチテラスに王子たちが入ってくると、空気が変わる。
良かった。
王子たちは近づいてこないし、挨拶もしてこない。
図書室で、エキーザ兄さまと勉強していても、声をかけたりもしてこない。
アリカは王子と一緒にいるリオス様をチラッと見た。
やっぱり王子に何か言ったのかしら…。
言わないわけないわよね。
あーあ、これでこの学園に入った目的が、なくなっちゃったなあ。
ううん。もともと手の届かない人達だったのよね…。
そんな風に過ごしながら、学園は夏の長期休暇に入った。




