1-2 シュレディンガーの魔書?
初作品です。
性癖打ち込めるよう頑張ります。
しばらく、するとアンリも落ち着き
冷静を取り戻していた、未だに顔はニヤケっぱなしだけど。
ランさんは朝食を作りに厨房へ戻って行った。
朝食に私は、ヨーグルトと紅茶。
この世界でも同じような食事が提供されているのは正直ありがたい。
ちなみに、アンリは麦泡と枝豆を頼んでいた。
仕事前の飲酒は毎度口論になるけど、
不利になるとアンリが泣きそうになるので了承せざる負えないのだ。
見た目こそ女性ではあるけど、
中身はまだ男なワケで女性の泣き顔には正直弱い。
というか、まじで卑怯技だからやめて欲しい。
「そういえば、今日の護衛ってなんなんですか?
荷物運びぐらいならアンリ一人でも問題ないのでは?」
「え?内容話してなかったっけ?
なんか港街まで書物を届けるらしいぞぉ。
今回は一人じゃあちょっと行けない理由がありましてぇ…
なによりこれはあまり大きい声では言えないんだけどよ…報酬はなんと50金貨だぞ!」
「え!?運搬で50!?アンリまた変な商売に手出してないでしょうね!?」
「ば、馬鹿声が大きいって。
しかも、あたしはあんたとの約束通り闇商売とはもう無縁だよ
付き合い長いのに未だに信じてもらえてないのは少し傷つくなぁ……」
ふてくされるアンリであった。
50金貨。日本円にすると50万ぐらいの価値である。
隣の港街まで、3時間ぐらいで到着出来る距離であるというのと
ここらは低級の魔物しか出没しない。
「ちょっと、依頼書見せて下さい」
明らかに詐欺である。
「え?あ、ほい」胸元から依頼書を取り出すアンリ。
おい、どんなところに収納してるんだよ。
【ギルド依頼書】
・2等級以上の傭兵のみ受注可能。成功報酬50G
1人~ 指定時刻までの運搬厳守
・隣港町アクアヴェールギルドまでの書物及び食料物資の運搬。
※物資はこちらのギルド長に直接渡すこと。受渡す際はこちらのギルド証とドックタグが必要である。
・港町アクアヴェールより中央村センターベースギルドへの書物の及び食料物資の運搬。
(運搬当日は朝9時までにはギルド商会裏にて荷物を受け取ること)
・書物の中身を絶対に見ないこと。また、書物を保管している箱の封印魔術を解かないこと。
・想定外の出来事が発生しても、書物はどんな理由があろうと守り抜くこと。
・以上遂行出来なかった場合、階級取り下げとする。
~ギルド運営 センターベース ギルド長 シイナ・アカネ ~
「うぅん…ちゃんと指定用紙ギルド長の直筆サインあるし本物みたいね」
「だから言っただろぅ?」
なるほどそういうことか
2等級以上って相談も無しに勝手に依頼請けてきたなコイツ?
いろいろ気になるけど書物ってギルド重要書類の運搬なのか?
そうだとしたら、最低人数が少ないか。もしかして、魔術書とか?
うぅん、考え出すときりがない。
「はぁい!おまたせー♡朝ごはんだよぉ~」
「あ、ありがとうございます。」
「わぁい、酒だ!酒だ!」
こっちの気も知れないで勝手に受注してきたやつは能天気だった。
「これからお仕事なんでしょ?飲み過ぎはダメよぉ~♡」
さっきまでセクハラをしてた相手に対して良くもまぁ
そんなに優しく接客出来るなぁ。懐が大きすぎる。
「すいません、ランさん少し確認したいんですけど」
「ん?何かしら?」
「こちらのセンターベースギルドの証明書で間違いないですよね?」
「うぅん?何か不備があったの?ちょっと、失礼」不思議そうに書類を手に取り目を通す
「うん、ちゃんとウチで発行しているもので合ってるわよぉ~。この文字は間違いなくアカネちゃんのだしね!」
「そうですか。ありがとうございます。」
「また闇商人に手を出したって思ってるんだぜ?嫌になっちゃうよね?」
さっきの発言を相当気にしてるらしい
こっちはこっちでネチッコイ性格してるなぁ。
「それに関しては失礼致しました。
運搬での報酬があまりにも高いものだったので。
でも、ギルドの依頼を受けられるようになってきたのも
アンリの実績が認められてる証拠ですすよね。」
苦しいけど、いちよフォローを入れておこう
「そ、そっかなぁ。そぅか!えへへへ」
単純で良かった。
しかしまぁ、そうやって普段から
素直に喜んでくれると可愛いとも思えるんだけど
「まぁ、朝食食べ終えてたら指定場所に向かいますか」
朝食にヨーグルトだけ?とも思うかもしれないけど
1食で1日の栄養が取れるぐらい忙しい人向けに
ギルドが開発した健康食品である。
なにより、試行錯誤されて作られたのであろう
まろやかな濃くでありながらクドい甘さはないヨーグルトは絶品である。
朝食はこれ!と決めているているぐらいお気に入りの品である。
パクパクと食べていると
アンリがやたらこっちを見ている。
えっ何?その視線気持ち悪いんですけど!?
「ずっと、見つめてきてなんなんですか?」
「いやさぁ、ヨーグルトってエロいよな!
口内を白い液体で満たすんだぜ?まるで、せい」
「それ以上言ってみなさい?本気で殴りますからね?」
「相変わらず冗談の通じない人だことで」
さっき、少しでも可愛げがあるなんて思った自分が馬鹿であった。
こいつは頭真っピンクで年上欲情しているタダの変態だった。
一気に食欲がなくなった私はお構いなしに
上機嫌で麦泡を飲んでいる彼女はとても幸せそうだった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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