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1-18 港町アクアヴェール ~早朝ギルド寝室にて~

楽しみに拝読して下さった皆様には失礼致しました。

連載再開致します。


酒は呑んでも飲まれるなそんな言葉が日本にはあったっけか。

生まれ変わる前の私は病弱というのもありお酒は強くなかったけど

こっちの世界の姿のほうががお酒が弱いというのは如何なものか…。


酒は呑んでも飲まれるな、そんな言葉があったような気がする。


草で覆われてる窓からは若干の日差しが差し込み。

チュンチュンと小鳥のさえずりで目を覚ます


酔っ払って寝過ごすというのはなかったみたいで少し安堵した。


「うぅん…体が重い…」


隣では大きな口を開けたアンリが大の字になって寝ている。

腕が胸の上に乗っているみたいで

体が重い原因は2日酔いではなくコイツのせいだったのか…。


そして、気のせいかな…肌温かい感覚が胸に伝わってくるんだけど…。

それに暑くなるこの時期というのに若干肌寒いような…。


とりあえず、体を起こすとしよう…。


「んん……ッ!?」


ムニュンっと胸が潰れる感覚でようやく事態に気が付いた。


上半身が裸になっている……。

「きゃ・・・きゃあああああ!!!!」

思わず悲鳴を上げてしまった。


「うにゃ!?」


アンリもその声に驚いて目を覚ましたみたいだ。

そんな私を見たアンリは頭にまだ寝ぼけているのか?マークを浮かべている。


そして私を一瞥すると

「うわああああああ!?!?」と驚きの声を上げた。


「ちょっと!どういうことですか!?これ!?」

訳もわからず、驚いていたのでアンリに怒りをぶつける。


「し、しらねぇよ!お前こそなんで上半身裸なんだよ!!」


「こっちが聞きたいですよ!酔った勢いで私の寝てる間にいろいろしてたんじゃないんですか!?」


「は?なんであたしがそんなことしないといけないんだよ!?

勘違いして欲しくないがあたしは男にしか興味ねぇ!!

それにあたしは服脱いでねぇじゃないか!?

そういう行為してたならお互い脱いでるだろ!?」


「でも、現に私は脱がされてるじゃないですか!?」


「わからねぇよ!勝手に脱いだんじゃねぇのか!?」


寝ている状況で服を脱ぐってありえるのか?

酔っ払った勢いの失敗談は元上司からいろいろ聞いてきたけど

それを考えると………確かにあるのかも……。変な汗が全身から吹き出るのがわかる。


「と、とりあえずお互い覚えていないみたいだからこの件は無かったことに!!いいですか!?」


「そ、そうだな……。なんか面倒なことになりそうだしなぁ…」


お互いに納得してこの件はなかったことにしようと決めたのだった。

話が(半ば強制的に)丸く収まろうとしていた時


バタンと勢いよく扉が開く。


「ちょっと!?2人の悲鳴が聞こえたけど大丈夫…なのか…し……ら…。」

クラムが勢いよく愛銃を構えながら部屋に入ってきた。


ここで今の状況を整理してみよう。

私は上半身裸でアンリとベットの上で見つめ合いながら何かを話している。

それを見たクラム…。


あっ終わったかも…。


「きゃあああああ!!!!」

「うわぁあああああああああ!!」

「ひゃあああああああああ!!」


三者三様の悲鳴を早朝の宿に響かせた。


「あの……これは違うんですよ!!」

「ち、違うんだ……誤解だってぇ!」

私とアンリは必死に弁解をする。


「お、おねえちゃたち…だ、だいじょぶ?」

あ…エル君まで来ちゃった…。

私をみるに顔が赤くなっていくのがみてわかる。


「ち、違うんですよ!?エル君も勘違いしないで!!」


「そ、そうなんだよ!!とりあえず、落ち着いて聞いてくれぇ!」


「ま、まずは服を着なさいよ!!」


その間エル君は顔を赤くしてコクコクと頷くのみで何も話すことはなかった……。


「とりあえず、着替えたいので皆さん出て行って貰っても宜しいですか…」


「あたしも、部屋から出ていったほうがいいのかぁ?」


無言でアンリを睨むと

「そ、そうだよなぁ。とりあえず、下で待ってるわ」と大人しくでていった。


「はぁ……。どうしてこんなことに……」


自分の不注意で変な勘違いをさせてしまったな……。

ちょっと、大人げなかったかな?

でも、慌てちゃうのも仕方ない…よね……。


「はぁ……」とため息をして服を探すと

ベットの下に落ちているのを見つけた。


ベットの下と言っても奥に入り込んでなかなか取れない位置にあった。

それに何故かブラジャーは椅子の上に垂れかかっていた。


もしかして、記憶にないだけで本当に自分で脱ぎ捨てたのかなぁ…。

だとしたら悪いことしたかなぁ…。


なんだか、罪悪感が胸の中で渦巻いてしまう。

とりあえず、服を着よう。


それにしても……


「エル姉妹まで見られるとはなぁ……」


きっとこの事はしばらく忘れられないんだろうな……。


今度、東大陸のお酒は禁止だと後悔の念を抱きながら服を着るのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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また、コメント指摘などあればよろしくお願いします。

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