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1-11 港街アクアヴェール①

恐らく、1章折り返しになります。

書き溜めしているので次章近いうちに更新出来そうです。



いろいろあった湖での休憩は余計なエルフ情報を得たという結果になった。

内戦原因ともなったエルフ村に流れ着いた本というのも結局のところ

今回の依頼で運んでいる魔書(?)と無関係なのかも疑わしい状況ではあるけど、

これ以上に首を突っ込んだら引けなくなりそうなところまで来ている気がする。


神に再度合う方法を模索する方法をみつけることを

最優先にする生活をしているので争いごとに巻き込まれることは避けたい。


このまま、何事もないと良いけれど…。


「そう言えば、賭けの勝負ってどうなるんだぁ?」


そんなコトを考えているとアンリが話かけてきた。

そう言えば、そんなコトもしてたっけか


「魔物使いって魔術師扱いでいいんじゃないんですか?」


「それは、ダメだろぉ!どちらかって言うと洗脳して操るんだから幻術士とかの部類になるんじゃねぇの?それに魔物を行使して索敵出来るんだから先鋒ってのも間違えてないと思うんだがなぁ…」


「本人達に聞いてみたほうが早いそうですね……って」


荷物と一緒に荷台で運ばれていた2人の様子をみてみると


「だ、ダメよ…エル、そんな、ふふふふ」


「うぅ……うぅう…。」


やけに静かだなぁと思っていたら爆睡していた…。

クラムとかいう名前の姉は良い夢を見ているのか変な寝言を言ってる反面

エル君に至っては悪夢を見ているのか少しうなされている。


「アンリ…寝てるんですけど?」


「あぁ?このあたしが荷台押してるってのにどういうつもりだぁ!?クラムを叩き起こして交代させよう!」


「私が交代しようかと提案したら、あなたがエル君にいいところ見せつけようと意気込んで後半も運ぶこと選んだんじゃないですか…」


「そうだけどよぉ…。エル君寝てたし、この『頑張って運んでるんだぞぉ!』って姿見てくれてないし…正直、モチベダダ下がり…。」


「先程の湖での出来事もそうでしたけど…なんか緊張感ないですよね。エルフってこういうもんなんですかね?」


「どうなんかなぁ、マイペースなヤツは多そうだけどよぉ…。」


この世界に来てからお目にかかりたい種族であったのだけど

知らぬが仏、案の定私の知る常識とはかけ離れた種族だった…。


ブラコン+おっさんみたいな下着の姿で優雅という言葉から程遠いし

村全体で男(弟)の貞操を奪い合い内戦というフルコンボで私のメンタルはボロボロですよ神。


「確かにそうですねぇ…。もう引き分けって形でいいのではないでしょうか?」


「まぁそうだなぁ。既に1枚チケットは貰ったし。それに、おまえの買い物は長いし退屈だから付き合いたくないしなぁ」


「それは残念です…。」


だって、知らないものが多いから商店街歩くでも楽しいだもん!


「おまえ普段無愛想なのに買い物とかクラフト関連の話になると表情豊かになるよなぁ…。

それが個性なのかも知れないけど。お、見えてきたんじゃね?」


先には高い壁が聳え立つのが見えてきた。


「何事もなかったですけど、思ってたより時間かかりましたねぇ…。」


「そうだなぁ…、とりあえずエルフちゃん達を起こすかぁ。

おぉい!そろそろ到着するぞ!起きろぉ!!」


声をかけられビクッと体を震わせ勢いよく目を覚ます

口を開けて寝ていたのか、よだれ跡が少し見える…。


「あ!?私としたことが!?何事!?ここは何処!?」


「おねえちゃ、うるさい…むにゃむにゃ…」


「おはようございます。もう少しで目的地だったアクアヴェールが見えました。

一緒にギルド動向して頂きますがエルフというのは少々目立ちそうなので

フード深く被って静かにしていて下さいね。…その物騒な銃はどうしますか。」


「あぁ、これ?今しまうから待って。えっと…“マスターチェスト”」


謎の光の渦が姿を表し。銃がスルスルと収納されていく。

長い銃が取り込まれると、何事もなかったのように渦は消えてしまった。


エル君も自分の杖を当たり前のように収納していた


「なんでそんな便利な最高位のスキル平然と使ってるんですか…。」


「そんな便利なスキルあるんだったら、この重い物資取り込んでくれても良かったのに…」


「えっ!?あなた達普通に使えないの?エルフは普通に使えるからそういうものだと思っていたけど…改めて不便な種族ね…。それに私の所有物じゃないもの入れた瞬間消滅するから無理よ。空間に所有物認定させるのも時間かかるんだから!」


よくわからないけど、いろいろ制限あるみたいだなぁ。

こっちのマスターチェストは魔術教会管轄だから一定の公共機関でないと活用出来ず取り出し出来ない。魔術が施された重量不問なカバンとか売ってるけど高級品である。


「今度、そのスキル伝授して下さい!」

無理を承知でお願いしてみる。


「えっと…うぅん?出来るのかなぁ…?」


「おねえちゃ、素材あれば、ボク、スクロール、作れる…。」


「本当ですか!?じゃあ、部材用意するのでお願いしますね!」


「ぴぃ!?わ、わかりました…。ひ、必要なもの、こ、今度メモしときまふ…」


生活改善待ったなしなので絶対欲しい!

何処でも収納出来る夢のカバンにワクワクしてきたぞ!


「おぉい?盛り上がってるところなんだが、もう門前着きそうだぞぉ?このまま進んでも大丈夫なのかぁ?」


「目立たないようにすればいいのよね?引きこもりのエルフはそういうの得意だから大丈夫よ!」


理由が少し悲しい。

隠密が得意なんだろうと考えておこう。

いや、隠密も下手だったわ…。


道成を進んで行くと大きな石門にたどり着いた。

門の前には2人も門番がおり1人の門兵がこちらに気がついたみたいで近寄ってきた。


「おい、そこの荷物を持ったお前等止まれ!!」


白い軽鎧を身にまといロングソードと小さな鉄盾を持った茶髪の女騎士が話しかけてきた。

鎧の胸の部分にある紋章をみるからに聖騎士団の一員だろう。聖騎士団の人達って頭硬いイメージがあるから正直苦手なんだよなぁ…。


「この荷物と要件はなんだ?」


「センターベースギルドから荷物の依頼でやって参りました。アン・エメリーと申します。

依頼書と傭兵ドックタグはこちらをどうぞ。」


そう言うと、ガサツに依頼書奪い読み上げ

首掛けているドックタグに目を向ける。


「うむ、確かに確認した。なにせ、依頼で傭兵なんてそうそう来ないのと

少し見覚えがある顔が荷物運んで来たので不審に思ってしまった。失礼な態度を取り謝罪申す。」


明らかにアンリに顔を向けて言っていた。


「はいはい、その節はどうもぉ。お陰様でこうやって傭兵の手伝いで日々を過ごしていますよぉ」


「今のあなたは我々の管轄外なのでそちらの件は不問だ。気を悪くしたら申し訳ない。あと、荷台で商品と一緒にいる2人は誰だ?」


「えっとぉ…道中で何者かに襲われてしまったみたいで保護致しました。傷が深かったので運んでいた物資の一部を拝借させて頂いております。

もし、請求などあれば私宛にお願い出来ればと。ショックが大きいみたいなので今はそっとして頂きたい状況です。保護が私で傭兵の問題になるかと思うのでギルドで問題解決致しますのでご心配なく」


とは言ったもののちょっと無理あるかなぁこれ…。


「ふむ…わかった。本来ならこちらが関与すべきなのでしょうがあなたほどの実力者でしたら大丈夫であろう。何かあれば聖騎士団まで連絡するように」


これぞ、階級特権!!

良かったぁ…。大きな問題には繋がらなそうだ!!


「わかりました。その時はよろしくお願いします。」


「長い時間の運搬ご苦労であった。街の西側に大きな聖騎士団の拠点があるのでそちらの目印に建物の正面にギルドがあるからまずはそこを目指すように。

それと、改めて街中では問題を起こさぬようお願い申す。門を開けよ!!!!」


ゴゴゴゴっと鉄格子が開かれる。


「っち…うっせーなぁ。雑魚には興味ないし何もしねぇってのにぃ…」


小声でアンリがつぶやくのを聞いて頭にポンっと軽くチョップを入れる。


「ご配慮感謝致します。それでは」


最後のアンリの一言で門番の目つきが変わり

少しヒヤッとしたけど無事に目的地であったアクアヴェールに到着し

とりあえず、本の運搬という任務は完了出来そうであり少し安心するのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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