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第二十二話:アルスVS増援の一般兵士達、その結末

「それにしてもよ」

「おぉ?」


 街への道を行く、砦から派遣された王国兵の一団。


「砦に来てた騎士団の奴ら、美人が多かったよなぁ」

「……あぁ、確かになぁ!」


 長槍を担いで進行する兵達の一人が、気の知れた同僚と出撃中だと言うのに無駄話をしていた。


「やっぱお偉いさんの坊っちゃん嬢ちゃんが多いんじゃねーの? 知らねえけど」

「俺も騎士団に入りてぇなぁ。そしたらこんなむさ苦しい奴らと肩を並べる事も無いし」


 自分たちは今から異変の起きた街へと救援に向かっている最中であるのに、その空気感はどこか緊張感が無くてボンヤリとしている。


 それもその筈で、砦から街へと兵士が出陣するのは今回が初めての事では無い。


 元々治安の悪さが極まっていた街からは、大きな盗賊の一団が抗争を行うなどの理由で幾度となく救援の要請が飛び込んで来ていたのだ。


 それが砦の兵達に緊張感を失わせている、唯一で最大の原因だった。


「今度はなんだろうな、またヨソ者が暴れてんのか?」

「さぁなぁ。あー、騎士団にさえ入れればウハウハ生活だろうになぁ……」

「バカ、団長が女なんだぞ。しかも若いらしいし、お前みたいなスケベ野郎は即刻追い出されるに決まってら」


 そんな低俗な会話を繰り広げる二人に、周りを歩く兵達も話題に乗るように無駄話をし始める。


「アーシア騎士団長だっけ? いいなぁ、俺は顔を見たこともあるが最高に美人だったぜ」

「男連中はよりどりみどりだろうしな。ヤりまくってんだろうな」

「俺もあの騎士団長をベッドでヒーヒー言わせてやりたいもんだぜ」

「じゃあ副官の子は俺が貰うか。小さいのを泣かせながらってのはたまんねーぜ?」

「ド変態が! ヘヘヘッ!」


 品性も理性も無いような会話を広げる、王国の兵達。

 だが、そんな感性は王国軍の一般兵達の間では当然の価値観となっていたのだ。


 兵達は長らく命の危険に至るような戦争に参加した事が無く、しかし大陸の人類圏内を制覇したような王国の兵士達という自負がある。


 それが兵達の中から良識や理性を削ぎ落としていた。


「お前ら! 女の話は後にしろ、気が散るだろうが! そろそろ街が見えてくる頃合いだぞ!」

「おっと、いけねぇいけねぇ! ヘヘヘ」


 隊長の男が笑いながら歩く者達の気を引き締めるように大声で警告を出し、それに兵達もダラダラとした態度で槍を握り直していく。


「この丘を超えたら街が見えるな。お前もバカな事言ってないで、またよそ者を適当に数で追い殺すだけの仕事に戻ろうぜ」

「はー、騎士団入りしてぇなぁ……」


 先頭を歩いていたのは、最初に無駄話を始めた二人組の兵士。


 だが、その二人組は次の瞬間この世から永遠の別れを告げる事になった。


「なぁ、お前知ってるか? あの隊長、実は街に救援に行くたび身寄りの無いガキを金で……」


 次の瞬間、相手に更なる無駄話を持ちかけようとした兵は一瞬で姿を消してしまう。


 一団が進軍を進める辺り一体には、巨大な影がかかった。

 

「うわぁぁっ!?」


 それに続いて、後続の兵達は目の前で何か巨大な者が爆発でもしたかのような衝撃に襲われてしまった。

 目の前の視界が一瞬で土埃つちぼこりで塞がれ、少しだけ先を歩いていた場所には「何か」が木のようにそびえ立っている。


「なっ、何だっ!」


 顔を腕で庇う隊長はそんな声を出すが、少しだけ晴れた土煙の中から姿をあらわしたのは。


ーーーー。


 ただ一言も声を発しない、あまりにも大きな、黒い鎧を(まと)った巨人の姿をだった。


「……なんだ、こいつは……!?」


 上を見上げて、隊長はその巨大な黒騎士の頭に当たる部分を見た。


ーーーー。


 その目には禍々しいまでに赤い光が二つ。

 そしてその胸の部分には、何かで傷付けられたような傷跡が残っていた。


「……聞いて、無いぞ……」


 同じようにその姿を眺めていた周りの兵達は、自分達と同じ感想を持った隊長の言葉を耳にした。


ーーーー!!!


 そしてその場に居た者達は全員が全員、その黒騎士が剣と呼ぶには大き過ぎる武器を振りかぶるのを見て。


ズズゥン……


 それを最期の光景にしたのだった。








「あーあー、ありゃ全員くたばったな」


 砦ではフリオが、投げ出された兵達がピクリとも動かないのを見ながら他人事のような声を出していた。


「あの感じじゃ、アーシアは死んじまったかなぁ」


 奥の方にほんの少し見える街から出る煙を見て、考え始める。


――――アーシアが死んで、そして砦には来ていなかったドルベも死んだだろう。

 それはつまり国王にとって、目の上のタンコブと便利な使い捨てが両方無くなったという事だ。

 ならこれからは、唯一悪巧みをできる俺の価値が更に上がる。


「……だったらよぉ」


 体中に溢れる魔力を、備え付けられた魔導兵器に流していくフリオ。


ギュィィィィン……


 スキル「魔力増幅」によって上限知らずに流れ込む魔力によって、それは光り輝き始めていた。

 フリオにとって聞き馴染みのある、機械的な音を出しながら砲身を回転させる魔導兵器。


「早く来い……! お前を殺せば、褒美は思いのままだぜ……!」


 強力な武器を持って待ち構えるその顔には、邪悪な笑みが浮かび上がっていた。


――――騎士団長の夫ってのもいいが、やっぱ狙うなら次期国王かもな。

 今の国王も良いジジイだから、俺様がそうなるのは遠い先の事じゃない。


「だったら、数年後には国王フリオ様が誕生するかもなぁ……!」


 迎撃準備を済ませたフリオは、近い将来に起こる絶対権力の変化によって起こる景色に胸を膨らませながら。


―――――――!!!


な。妹を殺された、馬鹿な田舎者野郎……!」


 遥か彼方で自分の姿を捉えたアルスへ、挑発的な言葉を吐いたのだった。


ちょっと変になったかなあ。

後から話を付け足すと地理やサイズ感がイカれますね。

フリオは余裕しゃくしゃくですが、もちろんアルスは砦と仇を撃破します。




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