001 天気荒天ナレド、吾、プシチャク観測ヲ継続ス。
吾は、時を選びその地プシチャクに少しずつ少しずつ、吾が身を削り、物質素を送り出す。
物質素は、彼の地にて夕刻を告げるオーロラとなり、その地の者たちに眼福をもたらす。
その地の者たちは、吾が生きとしものを懐かしみ惜しむがあまり、再び生みだしていまいしもの。
吾が片時の喜びを彼の地の者たちに喜びを与えるにつけ、吾は哀しみを覚える。
なぜなら、吾の物質素は既に底を尽きようとしている今、プシチャクに温もりをもたらすことができよう恒星までは、未だ幾千年の時を必要とせんがため。
吾は悔い続けていた。この地で寒さに震える心優しき者たちに、吾が一時の迷いで手を差し伸べ、希望を与えてしまいしことを。
吾のこの生をより多く彼らに分け与え、彼らに温かな春をもたらしたい。しかし、その刹那の春にの後には、液体窒素の洪水が彼らを襲うことになる。そして、その後に来たる絶対10度を下回る寒気が彼ら全てを凍て尽くしてしまう。
そうした、苦悶の中、吾は感じた。
古の我が盟友リリス家の者により、このプシチャクに最後の転生者が送り込まれ生を受けたことを。
☆-------ひとりごつ-------☆
『もう、朕、ツルペタの后の娘として産まれちゃったんだからねっ!!』
ということで、切ないけれども笑える、異世界転生ラブストーリーが始まります。
ですが、お話は短め。
だってチンタラしていると、プシチャクの大地に、液体窒素の洪水が流れ込んできて、みんな凍ってしまってジ・エンドになっちゃうから。
さて、今ははいはいを始めたばかりの朕ちゃん@幼児、後にはツンデレ女帝チンとなります。
女帝は、支配した貴族たち(♂)を鞭打って、地の奥底に眠る古代の大王を掘り起こし、最愛の人の顔をもう一度見ることは叶うのでしょうか?