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087 母親ですし

2019. 1. 5


短めのです。

見えてきた港には、聞いていた通り大きな船があるようには見えなかった。


「港も小さいなぁ」

「船の数もそれほど多くありませんからね」


こちら側の大陸との間にある海にいるというリヴァイアサンが理由なのだろう。


「あ〜、でも距離あるなぁ。向こう側の大陸がこの高さでようやく薄っすらあるように見える感じか」

「そうですね。確か二日はかかったと思います。風向きとか、潮の流れとかありますから、平均三日と聞きました」

「遠いな」


三日も海の上。退屈しそうだ。


「そんで? お前の母親はどこに居んだ?」

《グルル〜っ》


徨流は任せろというようにスピードをあげる。


それからしばらく海の上を進むと、丁度大陸と大陸の中間くらいの位置だろうか。大きな渦が見えたかと思うと、そこからニュッと長細い何かが飛び出してきた。


「おお!?」

「あっ、あれですっ、リヴァイアサンですっ」


渦の中心から現れたのは、青い体の尖った顔と長いトビウオのようなヒレを持つリヴァイアサンだ。


「ほぉ……見た目違うな」


龍神様と呼べる東洋の龍というイメージ通りの姿をしている徨流に対し、こちらは派手な魚か蛇かという姿。宗徳はこれがリヴァイアサンなのかと感心しながら観察した。


「あれが母ちゃんか?」

《グルっ》


嬉しそうな徨流。しかし、リヴァイアサンの方はじっとこちらを見つめて微動だにしない。警戒されているのかと、宗徳と廉哉は緊張気味に息を詰めた。


不意にスッと目が細められた気がした。


《ーー、ー〜》


まるでオカリナを吹き損じたときのような、こもった高い音が響いた。


《グルっ、グルル〜ゥ》

《〜〜、、ーー、ー》


その音はリヴァイアサンから響いてきているのだと気付いた宗徳は、それが鳴き声であることを理解する。


今のところ、徨流や宗徳達を敵と認識していないようだ。親子の会話の最中に口を出す気もないので、邪魔にならないように注意する。


一方、廉哉はリヴァイアサンの鳴き声に聞き惚れていた。


「きれい……宗徳さんは何て言っているか分かりますか?」

「いや、徨流ので何となく内容が理解出来るって感じだな。今は俺らの説明をしてるみたいだ」


リヴァイアサンの方から、背中に乗せているのは誰かと聞かれたらしい徨流は、一生懸命説明してくれていた。


『困っているところを助けてくれた』

『住処を移した』

『大好きだから一緒にいる』


そんなことを徨流は必死に伝えているのだ。


「やっぱり警戒されてるんでしょうか……」

「まぁ、普通の親なら、子どもの交友関係ってのは気になるだろ」

「そういうものですか」


しばらくして気配が和らいだのを見ると、敵認定は回避されたらしい。


「お、決着したな」


戦ったわけでもないし、母であるリヴァイアサンは最終的に聞き手に回っていたので問題もなかったのだが、落ち着いたので良しとする。


そこでリヴァイアサンがついて来いというように一度伸び上がって鳴いた。


《〜〜、〜〜ーーー》

《グルル♪》

「おお!?」

「どこに行くんです!?」


徨流が嬉しそうに急激に上昇すると、リヴァイアサンが潜っていく渦の中に躊躇いもなく突入していったのだ。


読んでくださりありがとうございます◎

次回、土曜12日です。

よろしくお願いします◎

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