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083 食べ物の問題はあります

2018. 11. 24

夕食が済み、廉哉は泣きながら五年ぶりになるプリンを味わっていた。彼は純粋だ。


「もう、レン君ったらまた泣いてるわよ?」

「うぅ、すみません……っ、美味しいです」


寿子はおかしそうに笑っており、なぜか律紀と美希鷹はもらい泣きしていた。


「私でも懐かしいって思うもん。五年って長いよっ」

「おれっ、オレ、今度作り方勉強しとくっ」

《んま〜いっ》


律紀はうんうんと頷き共感し、美希鷹は何だか燃えていた。キュリアートは構わず堪能している。


「大げさだなぁ……まぁ、確かに分からんでもない……」


宗徳も久しぶりに食べた。こんな味だったなと思い出しながら、どこかほっとする。優しい味だ。


「プリンでこれとか、ショートケーキとかどうだ?」

「っ、ケーキ! スポンジのっ、あっちはアップルパイのようなものはあったんですけど、そういうのなくてっ……チョコの、チョコレートケーキと……モンブランが小さい頃好きで……懐かしいです……」


食に対してのストレスというものが強かったのだろう。日本で何不自由なく食事のできた子どもが突然、僻地の外国へ飛ばされるようなものだろうか。


さすがに虫を主食にするという所ではなかったが、不安はあっただろう。それが今爆発しているのだ。


「そうねぇ、そういうの、むこうでも作れないかやってみたいわね。子ども達にも食べさせてあげたいし」

「そうだな。善じぃもたまには食べたくなるだろうしな」


今はこうして頻繁に戻ってきているので宗徳と寿子もそういうストレスはないが、最近あちらに行きっぱなしになっている善治のこともある。


仕事に集中してもらうためにも、そういった宗徳達で解消できるストレスはどうにかしておきたい。


「僕もっ、僕も料理覚えたいですっ」

「良いんじゃねぇ? 俺らよかあっちに長くいたんだ。向こうの植物とか、色々わかるだろ」

「はいっ。そうですよね……見た目と味が結構違いましたから」

「そうなのよね。この前も、きゅうりみたいな野菜が、すっごく酸っぱいレモンみたいな味だったのはびっくりしたわ」


見た目はきゅうり。少し違ったとしても、そんな味はしないだろうと思ったのだが、食べてびっくりだった。


「あ〜、腐ってんのかと思ったよな。美味かったけど」

「果物の部類だとは思わないわよね」


あの見た目で甘いなら、ウリに似ているからと納得もできたのだが、まさかの酸っぱさ。けれど、それがちょっとクセになりそうだった。


「あれ美味しいですよね。カリカリ食感できゅうりにしか思えませんけど、味はレモンなんですから。僕はお菓子感覚で食べてました」

「薄く輪切りにすると良いよな」

「はい。それになんだか体に良い気がして」


向こうでは風邪の初期症状が出た時に食べるらしいので、あながち間違いではないだろう。


「へぇ……やっぱり異世界なんだね」


律紀が感心したような声を上げた。羨ましいという思いが見え隠れしているのが分かる。


「でも、気をつけないといけないものもあります。大根にしか見えないものが毒を含んでいたり、毒キノコにしか見えないものが、すごく美味しい高級食材だったりしますから」

「それ知らんかったら怖くね?」

「怖かったですね……骨ごと食べる魚は分かりますけど、骨ごと食べられる鳥とかびっくりでしたし」

「なんだそれっ。そんなんあったんか」


初耳だった。


「あの辺ではどうでしょう……生息していないかもしれません。ヒラーリュバードとかヒラリバードとか呼ばれるんですけど」

「美味いのか?」


気になるのはそこだ。


「それが、鳥っていうか白身魚って感じなんです。さっき食べたヒラメっぽいです」


夕食はヒラメの姿煮だった。それで思い出したらしい。


「そりゃ良い。今度手に入らんか探してみるか」

「そうですね。あの辺りは川魚しかないですし」


宗徳達がいる町のある国は内陸だ。川はあっても海はない。ちなみに徨流のいた湖では小さな魚が獲れる。本当に小さいワカサギのような魚だ。


「そういやそうだな。なら、徨流と釣りにでも行くか」

「僕も行きたいですっ。悠遠達とも」

「おっ、家族で海ってのは良いな」


家族旅行の定番だろう。落ち着いたら是非決行しようと決めた。


「ズルイっ、私も海行きたいっ」

「俺もっ」

《プールで我慢しなさいよ》

「やっぱ違うじゃん」


そんな他愛もない話で盛り上がるのが、廉哉も嬉しかったようだ。良い笑顔を浮かべていた。



読んでくださりありがとうございます◎


次回、一度お休みさせていただき

土曜8日です。

よろしくお願いします◎

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