外れだったか
ベレッタが無事戻ってきたことで緊張の糸が切れたテオラは、最初こそ大泣きしていたのだが、時間が経つと恥ずかしくなってきたのか徐々に落ち着きはじめた。
事情をよく知らなそうな態度を取っているベレッタも、始めは娘のただならぬ様子にあやすのに必死であったが、今は恵二たちの方へ説明を聞きたそうな表情を向けていた。
恵二とエアリムの二人もベレッタからは聞きたいことが山程あったので、ここいらで今までで起こった経緯を説明し始めた。
テオラ曰く、今日のベレッタが少しおかしかったことと不審な言動の数々。そして恵二の突然の異変からここまでの流れをベレッタに一つずつ説明していった。ちゃんと言葉を選んだつもりであったが、詰まる所怪しい行動をとっていたベレッタを探すところであったと本人に告げたようなものだ。
自分が犯人扱いされているにも関わらず、ベレッタは気を悪くせず最後まで話をしっかりと聞いた。そして今度はベレッタから、今まででこんな遅くまで何をしていたのかを尋ねた。返ってきた彼女のその話は何とも不思議な内容であった。
「……つまり、テオラさんが今日は夕飯を一人で作りたいからベレッタさんはゆっくり骨休めをして欲しい、と。そう仰ったんですね?」
エアリムの問いにベレッタは頷く。
「ええ、テオラから直接そう言われたわね」
ベレッタがそう発言をすると、それに真っ先に反応をしたのはテオラであった。
「ええ!?私、そんな事言ってないよ!?だってお母さんが殆ど一人で作っていたじゃない。それでコロッケだけ作ってみないかって私言われて……」
どうも二人の証言が食い違う。整理してみるとこうだ。
まずテオラの証言ではベレッタがほとんど夕飯を作り終えており、コロッケだけをテオラに作るよう勧めた。毒が入っている可能性のあるソースを勧めたのもベレッタだそうだ。コロッケを作り終えたのを見届けたベレッタは、明日の食材を買い忘れたと言い残して<若葉の宿>を出た。ベレッタが料理をしている所はエアリムも見ており、ベレッタが外出する所は恵二も目撃をしている。証言の時刻とも一致している。
そして問題なのはベレッタの証言だ。彼女が言うにはベレッタは午後3時過ぎに家を出たきり、一度も宿には戻っていないそうだ。
まずこの時点で証言が食い違う。テオラの話では3時あたりにベレッタがテオラに留守番をお願いし外出したのは間違いないとのことだが、その後1時間も経たない内に夕飯の買い物を済ませて戻ってきているという。
そして更に奇妙な証言もある。外で買い物をしていたベレッタの元へ、なんと留守番をしている筈のテオラがやって来たのだそうだ。その時テオラは“自分が夕飯を作るから今日はゆっくり羽を伸ばして”といった内容の発言をしたそうだ。普段の彼女らしからぬ言動にベレッタは違和感を覚えるも、その時はそれを娘の気まぐれな親孝行と捉え甘えることにしたのだそうだ。
そしてすっかり暗くなり<若葉の宿>に戻ってみるとテオラに大泣きされた、というのがベレッタの証言だ。
二人の話を信じるのならば、ずっと宿に居たというテオラと、暗くなるまで宿に戻らなかったというベレッタの証言が完全に食い違ってしまうのだ。
その話を聞いた恵二とエアリムは考え込んでしまう。やはりどちらかが嘘をついているのだろうか。だが二人の態度を見るにそんな風には全く思えなかったのだ。
「きっと偽物だったんだよ!だってさっきまでのお母さん変だったもん!」
「うーん、そうねぇ。私は宿に戻った覚えがないし、そうなのかもね。それだと私の所に来て夕飯を作るって言ったテオラも偽物なのかしら?確かに普段のこの子らしからぬ発言だったわね」
テオラとベレッタは二人の偽者が現れたのだと口を揃えて主張した。これが恵二の元居た世界での話なら、そんな映画やアニメじゃあるまいしと鼻で笑うのだが、ここは魔術の存在する異世界だ。あながち出鱈目な意見とも言えないのだ。
「エアリム、どう思う?」
「……可能性は十分あるかと。姿を変える魔術は存在します。ですが余程高位な魔術師でないと短い間しか変装できません。それとある程度の術者にならば見破られてしまいます」
変装魔術があるのは知っていた。以前春の外来魔術大会で恵二は変装をしたミルワード校長と戦った経験がある。だがなかなか難易度が高い魔術な上に、余程巧く隠ぺいしなければすぐ露見してしまうのだそうだ。王城などの重要な機関には大抵変装を見破る術者やマジックアイテムが設置されているのだと前に聞いた事がある。
「俺は宿を出て行くベレッタさんをチラッとしか見なかったからなぁ。エアリムはどう?」
「すみません。流石に警戒しておりませんでしたので……。それでも稚拙な変装であれば気が付くと思います。仮に魔術で変装していたのだとすると、かなりの使い手ですね」
無警戒であったとはいえエアリムの目を欺いたのだ。その偽ベレッタはなかなか侮れない術者のようだ。恵二とエアリムが偽者について議論をしていると、ベレッタが横から話しかけてきた。
「えっと……自分で言うのもなんだけど、偽者って説を鵜呑みにしていいの?私が嘘を言ってるのかもしれないわよ?」
「嘘つく人はそんなこと言いませんよ。それに偽者説の方が色々とスッキリするんです」
毒を盛った犯人が偽ベレッタだとしたら色々な事の辻褄が合うのだ。テオラは他にも気になる証言をしていた。
一度帰ってきてからのベレッタは何時もと様子が変であった。料理の際もミスが多く調味料や調理機材の位置も忘れていたと言っていた。更に大事な薬の入った救急箱の位置も分からなかったのだ。
これだけでも十分偽者だと言えるが、恵二の中で最も肝心なのは、テオラとベレッタの二人は絶対に毒を盛るなどしないという点だ。
(この二人が犯人な訳がない。きっと偽者だったに違いない!)
それは良く言えば信頼でもあり、悪く言えば現実逃避になるのかもしれない。だがあれほど優しかったベレッタが自分に毒を盛るなど恵二は考えたくもないのだ。故に恵二もエアリムも偽者説をすんなりと受け入れる事が出来た。幸いにもその他色んな証言がそのことを示唆している。まず間違いないだろう。
「その……ごめんなさい。ケージ君には迷惑を掛けたわね」
「そんな!謝らないでください。寧ろ頭を下げるのはこちらの方ですよ」
自分の偽者の犯行とはいえベレッタは恵二に謝罪をしたが、それを恵二は慌てて頭を下げ返した。今回の一件はテオラやベレッタも被害者だ。勿論一番の被害者は毒殺されかけた恵二であったのだが、犯人のターゲットが自分であるとしたら、マージ親子は完全なとばっちりだ。危うく殺人犯の冤罪を着せられるところだったのだ。それに先にコロッケを口にしたのがエアリムであったら……。そう考えただけでも恵二の腸は煮えくり返りそうだ。
(畜生、何処のどいつだ!ふざけた真似しやがって……!この借りはキッチリと返させてもらう!)
結局犯人は分からず終いで時間だけが経っていった。時刻ももう遅く、色々と動くのは明日からにして今日はマージ親子が作り直してくれた夕食をとってそのまま寝る事にした。ただ毒殺を企てた輩が再度襲撃してくる恐れもある。恵二とエアリムは交互に見張りを立てながら夜が明けるのを待つのであった。
早朝まだ日が昇ったばかりの時刻、男は欠伸を噛み殺しながら<若葉の宿>を目指した。
「ふわあぁ……昨夜は遅くなっちまったからなぁ。ターゲットが早起きなのがしんどいぜ……」
まだ人気の少ない路地を歩きながらそう愚痴を溢したのは情報屋ジョニーであった。昨日はターゲットであるケージ・ミツジから離れ、主に冒険者方面から少年に関する情報を収集していた。できれば彼の師匠であるジェイサム・ターラントや、女性で構成されている冒険者パーティ<白雪の彩華>のメンバーとも接触をしたかったが、生憎彼女らは現在ダンジョンに潜伏中とのことだ。
だがその他の冒険者に当たってみると中々に面白い情報が聞けた。何しろ彼らは当時何かと目立っていたのだそうだ。
ケージ・ミツジ17歳、見た目はもう少し幼く見えるが、その若さで既にCランクと将来有望な冒険者だ。どうやら彼は東の国出身の冒険者だそうだ。同じく中央大陸の東側で活動をしていたジョニーは、そんな目立つ冒険者を見落としていたかと首を捻るも、ここでの調査が終わったら東方に帰りがてら調べてみるかと思い直した。
昨日は二桁にものぼる冒険者たちから話を聞き出したのだが、一番興味をそそられたのはケージ・ミツジの所属していたパーティが、少し前に発覚した≪古鍵の迷宮≫の真ルートを見事攻略したという噂だ。
あくまでも噂で公式の発表こそなかったが、ジョニーの調べではまず間違いないと睨んでいる。大半の者はエイルーンの大手クラン<到達する者>が攻略したのだと考えているようだが、未踏破ダンジョンの制覇を目標と掲げる<到達する者>は依然活動中のままだ。今は人員補充と物資調達の為エイルーンに戻っているそうだが、ダンジョンを攻略したのならそれに満足をして止める者も少なからず出る筈だが、そういった兆候は全く見られない。故に≪古鍵の迷宮≫を踏破したのはケージたちだとジョニーは予測を立てた。
(これだけでも小銭を稼げる情報だぜ。本当にこの仕事は面白い。叩けば叩くほど話の種が零れ落ちてくる)
ケージ・ミツジの話題はこれだけではない。ジョニーは昨夜、ヴィシュトルテ王国出身の冒険者から話を聞けたのだが、どうもあの少年はエイルーンへ来る前はヴィシュトルテで活動をしていたようだ。しかも一年以上前に起こった元将軍の反乱事件に関わっていたのだという。その冒険者も仲間からその話を聞いたため実際に姿は見ていないそうだが、あの少年と特徴が一致する幼い冒険者が大暴れしたことを聞かされていた。
(そうえいばヴィシュトルテの内乱は冒険者ギルドも関わっていたって話だしなぁ。ケージがエイルーンに来た時期を考えてもおかしい所はない。間違いなく関係しているな)
実際には関わっているどころか内乱を治めた最大の功労者でもあるのだが、時間が経っている上、国外からの情報ではこれが限界であった。それでもジョニーは短時間の間にかなりの情報を集めることに成功をした。その為に昨日は遅くまで酒に付き合わされて冒険者たちに大盤振る舞いをしてしまったのだが。
(後はアルバード市長や千のミルワード辺りのとの関係性も調べたいけど……流石にこの二人はガードが固いしなぁ……)
外堀の情報も重要ではあるが、一番肝心なのはターゲットからの生の情報だ。今日からまた暫く少年を観察することにしたジョニーは、ケージの日課である早朝訓練から張り込むべく、こんな時間から<若葉の宿>を目指していた。
そして宿の前に近づくとジョニーはある違和感を覚えた。
(―――何だ?何かおかしい……)
それは普通の人から見れば何の変哲も無い日常の風景、普段の<若葉の宿>であった。だが観察眼に優れ長年の経験を培ってきたジョニーだからこそ、ほんの少しだけの違和感にすぐ気が付いた。
(今日は間者が少ねえな……。それに嫌な空気だ)
現在この街には何故か多数の諜報員が潜んでいた。ジョニーもどちらかというとそっち側の人間ではあるのだが、だからこそ街の異常性に気が付けた一人だ。その全員がケージ・ミツジを監視しているという訳ではないのだが、この少年には何かあるのか決して少なくない人数の監視者が日頃付きまとっていたのだ。
だが今日に限ってはその人数が少ないように思えたのだ。正確には距離を置いているのか、あるいは気配を絶つのが巧い者が割り振られるようになったのか、とにかくジョニーの目から見て普段より少年の周りからは怪しい影の者が目減りしていた。
(こいつは……何かありやがったな!?くそ!目を離すんじゃなかったか!?)
どうやら自分が色々と嗅ぎまわっている間に何かが起こったようだ。こんなことなら昨日も少年を観察しているべきだったかと後悔するも既に遅い。
(……いや、まだだ。俺なら他の奴らよりもっと踏み込める!こっから挽回してみせる!)
今日もまた忙しくなるなと心の中で愚痴りながらも、ジョニーは他の監視者同様、まずは普段より距離を置いてから慎重に観察を始めた。
まずジョニーが驚いたのは、雨の日だろうと欠かさなかった朝の鍛錬を少年がしなかったことだ。それどころかケージは早朝の時間一歩も宿の外へと出なかったのだ。様子を伺っていたジョニーは、もしや少年の身に何かあったのかと懸念をする。
だがその心配もすぐに杞憂のものとなった。早朝の鍛錬にしては遅く、そして登校するには少し早い時間、少年は一人宿を出てきた。それを見たジョニーは慎重に尾行を開始する。他の監視者もかなり警戒をしながらそれに続いていた。中には同業者であるジョニーに気取られる者もいたが、それでもかなり訓練された者ばかりだ。尾行者がいることを前提に考えてもそうそう気付けないレベルの持ち主だらけだ。
(本当に何があったんだ?一昨日まではもっとレベルの低い間者ばっかだったけど、今日はやけに腕の立つ奴ばかりじゃねえか!)
ジョニーの予想ではこうだ。昨日少年の身になにかが起こった。毎朝の鍛錬もできない程のなにかがだ。そのなにかを目撃した間者たちは少年への警戒レベルを上げた。問題はそのなにかが何であるかなのだが、現時点では流石に知り様がない。
(くそ、こういう時ピンで活動している俺は不利だよなぁ。つっても信用できる腕利きのパートナーなんかそうそう転がってねえからなぁ……)
ジョニーにも情報屋仲間くらいはいる。だが実際に活動をする時ジョニーは常に単独行動だ。別に一匹狼を気取る訳でも人付き合いが下手な訳でもない。単にジョニーのレベルで動ける者との出会いがないだけだ。こういう時ジョニーはよく妄想するのだ。自分と同等かそれ以上の腕利きパートナーが、しかもとびっきり美人の女性パートナーが現れないものかと。
そんな馬鹿な事を考えていた時に事は起こった。
突如監視対象者である少年の姿が消えたのだ。
(……え?)
その突然の出来事にジョニーは呆気に取られた。確かにちょっとだけ仕事とは関係のない妄想に気を取られこそしたが、尾行中のターゲットを見失うほど耄碌してはいない。
(―――!?ど、どこに……!?)
ジョニーが慌てて周囲を探ると少年の場所は直ぐに割れた。だがその場所こそが問題であった。
(―――なっ!?)
少年の姿を見たジョニーは固まってしまった。それも無理はない。何しろ少年の姿はジョニーのすぐ近くにいたのだから。ケージ少年からジョニーまでの距離は相当離れていた。その長距離を一瞬にして詰め寄ったのである。
「おはよう。あんた宿から俺のことを尾けていたよな?何か用?」
「―――!?」
尾行していた筈の少年にいきなり声を掛けられ男は言葉に詰まっていた。更に少年は言葉を続ける。
「まあ、あんたの事情はいい。逆にこっちはあんたに用があるんだけどさ。あんたかそのお仲間の中に変装の得意な奴はいないか?例えば、知人に成りすまして毒を盛ってくるクズ野郎とか―――」
「―――し、知らない!俺はただ君のことを監視していただけだ。本当だ!」
少年の鬼気迫る雰囲気に気圧されたのか、フードを被った男は間者にあるまじき口の軽さで白状をした。それほど今の少年からは言葉の力強さが伺えたからだ。
(あ、あぶねぇ……。まさか隣に潜んでいた奴がこうも簡単に見つかっちまうとは……)
ケージに尋問されている男を気の毒そうに横で見ながらも、ジョニーは少年の感覚の鋭さに戦慄をした。少年に尾行がばれたこの男だが、それでも十分一流と呼べるだけの腕前があるとジョニーは見積もっていた。だからこそジョニーはこの男の近くに潜んでいたのだ。万が一自分の切り札が発覚した際、この男をスケープゴートにする為に。
幸い自分は少年の感知に引っかからなかったようだが、ここまで鋭いとは完全に想定外だ。
(こりゃあもっと慎重にいかなきゃなぁ。変装だとか毒だとか話は気になるが……ここは一旦距離を置くべきか)
ジョニーは少年に気取られないよう慎重にゆっくりとその場を離れていった。
「外れだったか……」
宿を出た直後、恵二はスキルで五感を鋭く強化させていた。そして複数の監視者を捉えたのだ。その一人に山を張って恵二は接触した。その中の誰かが昨日恵二に毒を盛った犯人と同じ組織の者ではないかと考えたからだ。
だが捕まえた男の正体はミルクス国からの間者であった。顔を隠したフードを取るとそこには狼族の獣人特有の姿があった。その男は機密情報こそ決して口を割らなかったが、彼はエイルーン担当の間者で、恵二の監視をしていたのは全くの偶然なのだと白状をした。恵二の目からは嘘を言っているようには思えなかったが、本当のことかどうか定かではない。かといって恵二には拷問をする趣味もない。
だが全くの無駄骨という訳でもなかった。それは獣人の男が恵二を監視対象にした理由にあった。その理由とは恵二の周りに複数の監視者の目が多かったからだそうだ。その中には明らかに血生臭い裏稼業の者もいると獣人の男は親切に忠告までくれた。獣人なだけに鼻が利くのかもしれない。だからこそこの男も気になって一緒に恵二を観察し始めたのだという。
(他の奴らは既に逃げたか……)
もしかしたら逃げた間者の中に恵二の暗殺を企てた者の手先がいたのかもしれない。そう思うと恵二は接触する相手を誤ったかと後悔をする。ここは問答無用で全員気絶でもさせてしまえばよかっただろうかと過激な考えも過る。
(いや、流石にそれはやり過ぎか?兎に角こんな状態じゃあのんびり学校にも行っていられない。市長と校長に事情を話して当分は犯人捜しだな)
今<若葉の宿>にはエアリムが見張りについている。彼女も学校を休むと言ってくれたが流石にそこまで迷惑を掛けられない。用件が済んだら恵二は宿に戻り、エアリムを学校に行かせるつもりだ。毒殺を狙った犯人はほぼ間違いなく恵二を標的にしているのだろう。エアリムが暗殺対象になるとは思えないし、反面恵二には心当たりが有り過ぎたのだ。
(一体犯人は誰だ?赤の異人か?勇者絡み?それともまさか教会の連中がまだ諦めていないのか?)
現時点で犯人を特定するのは難し過ぎた。後手ではあるが当面は守りに回るしかなかった。
(くそー、大会も迫ってるってのに、本当タイミングの悪い暗殺者だ。見つけたら絶対に許さねえ!)
次から次へと沸き起こる問題の多さに恵二は頭を抱えるのであった。




