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敗因は

今回と多分次回も主人公の出番無しです。楽しみにしていた方はもう少しお待ちください。

 幼い少女の周りには大小様々な憑代を持つ精霊が現れていた。その数は何と21体、現在任務に当たっている<蛇の手>の総数よりも多かった。


「……俺は何か悪い夢でも見ているのか?」


「何なのだ!?あの数は!」


 最初彼女が使役していた精霊の数は3体、それでも多いと兵士たちは感じていた。それが今では文字通り桁違いの数にまで増えている。


「おい、人型もいるぞ」


「ああ、それに大型の獣を憑代にした精霊もいやがる。ただ数が多いってだけじゃないぞ!」


 精霊自身にも格は存在するが、実態を得る為の憑代にもそれぞれ個性や強さがある。人型などの知性の高い憑代を選ぶ精霊は珍しく、その強さも相当なものだ。また、獣や魔物を憑代に選ぶ精霊も、元々の強靭さに比例してその強さも上がっていく。


 幸いに尤も危険とされている竜種を憑代にしている精霊はいないようだが、それでもこの数は今の戦力で対応できる許容を大きく超えていた。だが、それでも<蛇の手>は戦闘継続の意思を見せた。


「全員あれを使え!ここから先、命を賭して任務に当たれ!」


 一人の指揮官らしき兵士が命令を出すと、兵士たちは全員一本の瓶を取り出した。


(なんだ?ポーション?いや、少し色が違う)


 兵士たちが持っている瓶の中には、ポーションとはまた違った赤黒い液体が入っていた。見た目からして危なそうなその液体を兵士たちは一気に飲み干した。


「気を付けろ!あの薬、見たことない色をしている!どんな効果があるか分からないぞ!」


 ジルは皆に警告を発して兵士たちの様子を伺った。


「げえっ!あいつらドーピングしてるんじゃないの!?」


 コウキは心底嫌そうな顔をしている。こういう先の読めない状況の時、コウキの言うことは良く当たる。それを知っていたルウラードは彼に尋ねてみた。


「コウキ、こういう場合の“お約束”とやらだと、一体どうなるんだ?」


「そんなの決まってるよ!あいつらパワーアップしてくるよ!でも、ああいうアイテムの後出し展開って、きっと副作用があるとかだよ!」


 それを聞いたルウラードは“成程”と感心をした。それならば今このタイミングで奴らが薬を飲んだことにも説明がつく。これもコウキがよく口にする“げえむ”や“あにめ”から得た知識なのだろうか。


「―――ていうか、律儀にあいつらが飲み終えるの待っていなくてもいいからね!?そういうお約束はいらないからね!?」


 コウキは兵士たちの様子をただ見ているルウラードたちに抗議の声を上げた。確かに彼の言うとおり、手を拱いて見ているのは悪手であった。だが時すでに遅し、兵士たちは薬を全て飲みきると変化を見せた。


「魔力量が上がっている!?」

「心なしか、筋肉が膨れ上がっているように見えるな……」


 僅かに苦しそうな素振りを見せていた兵士たちだが、それが治まると再び武器を手に取り襲い掛かって来た。迫る彼らのスピードが先程より速く感じる。そして明らかに増えた魔力量、これはどうみてもパワーアップしていた。


「魔術師は精霊使いを集中攻撃しろ!精霊どもを自由に戦わせるな!他の者達から順に倒して行くぞ!」


 敵の指揮官が兵士たちに命令を下す。薬を飲んだ筈の彼らだが、どうやら意識はしっかりとしているようで技の切れも落ちてはいない。今のところ副作用らしき症状はみられなかった。


「多少強くはなったが応戦できないレベルじゃねえ!」


 ジルは自身の体にかけている強化魔術の魔力量を一気に増やし兵士たち3人を相手取る。薬で強化された兵士たち数人と渡り合っていた。まだ底があったとは流石はAランク冒険者だ。


「コウキ!ミイの援護を!ミイもこちらは気にせず攻めろ!その数の精霊ならやれるはずだ!」


「分かった」

「うん!」


 ルウラードは二人に指示を送ると、自身も強化された兵士に対応するべくギアを上げる。


「―――雷よ、纏え(レ・ヴェイン)―――強化(アプゥル)


 今度は剣に雷を宿すと、その威力を更に高めていく。


「―――雷よ、蠢け(レ・バリィ)!」


 魔操剣術の特徴ともいえる短い詠唱を唱えると、ルウラードは自身の魔力を込めた剣を天に掲げた。その剣に纏っていた雷がルウラードの魔力とともに天へと放出され、すぐに落雷へと変わり兵士たちへ襲い掛かる。いくら俊敏さが強化された兵士といえども、空からの落雷を避けられるほどではなかった。直撃を受けた兵士たちは感電し、そのまま心臓を停止させる。



お願い(・・・)、あの人たちをやっつけて!」


 一方精霊の数を一気に増やしたミイレシュも、防戦一方から攻めに転じた。ただし、その殆どの精霊とはまだ完全に打ち解けたわけでは無く、言葉では“お願い”と口にするも、それはスキルによる命令であった。


 21体の精霊のうち、18体は彼女のスキル<精霊女帝(エレメントクイーン)>によって戦闘命令が下される。その直後、ミイレシュに疲労感が襲い掛かる。スキルといえども無限に使える訳ではない。これだけの精霊を一気に行使するのはミイレシュも初めての経験であった。


「くそぉ、精霊ごとき!」

「やめろ!来るな!来るなぁ!」


 攻撃命令を与えられた精霊たちは、それぞれ好き勝手に兵士たちを蹂躙していく。元々人族よりも高い魔力を誇る精霊たちが、熊や狼など身体能力の高い憑代を得るとさらに脅威を増す。その上、今は数も精霊の方が多いのだ。


<蛇の手>の兵士たちは次々とその数を減らしていく。それでも彼らは引かなかった。せめて一矢報いようと最後まで抵抗を見せた。


 だが彼らのその原動力は決して愛国心からくるものではなかった。



<蛇の手>に選抜された兵士たちは、幼い頃から厳しい鍛練とともに、王の為、国の為に生きるよう教えこまれてきた。それが出来ないものは淘汰されていく。そんな世界で育ってきたのだ。


 仮にここで運よく難を逃れ生き延びても、待っているのは命令違反という不名誉と死罪だ。今まで必死に鍛えてきたのにそんな最期は御免であった。


 それに兵士たちにも意地がある。他の一端の兵とは違う、自分達は選ばれた<蛇の手>だ。このままで終われるかと兵士たちは最後の最後まで足掻いていた。



「こいつら、急に衰えてきたな」


「ええ。おそらくこれがコウキの予見した副作用なのでしょう」


 何人かの兵士を討ち倒して余裕の出てきたジルとルウラードは合流すると兵士を相手取りながら言葉を交えた。


「あちらもほぼ終戦でしょうね。あの数の精霊相手にはどうしようもないでしょう」


「ああ。まさかあそこまで多くの精霊を操るとは……」


 ジルの視線の先には、息切れをしながらも21体の精霊を使役する少女の姿があった。数多の精霊に囲まれているその姿は、まるで御伽話に出てくる精霊女王であった。


「ん?あいつ……」


 その姿に見とれそうになっていたジルだが、ミイレシュの近くで死んでいるかと思われた兵士が僅かに動くのを見逃さなかった。



<蛇の手>の一員である男は目を覚ました。先程まで精霊に襲われて完全に気を失っていたのだ。だが、そのお陰で意識のない男を無視して精霊たちは、まだ必死に抵抗を続けている他の兵士たちへ攻撃をしていた。


(身体は───動く!だが、鉛のように重い。魔力も殆ど残ってねえ……)


 先程飲んだ新薬とやらの影響だろう。あれを飲むと一時的に身体能力・魔力ともに増幅するが、時間が経つとその反動で逆に弱体化してしまうのだ。


(後は、こいつだけか………)


 男は懐に手を入れると、ある手応えを確認した。それは魔力を通すと数秒後に爆発するというマジックアイテムであった。


 名を魔術式爆弾(マジックボム)という帝国で開発された新型爆弾だ。その破壊力は討伐難易度Aの魔物すら仕留められるほどだという。


 だが余りに威力が強すぎる為、全力投球をせねば自身も巻き込まれかねない欠陥品でもあった。だが、それを踏まえた上で男の上官もこれを渡したのだろう。


(もう遠くへ投げる力が残ってねえ……。いいぜ、やってやるよ!)


 男は覚悟を決めて起き上がると、そのまま精霊を使役する少女の元へ一直線に駆け出した。



「───気を付けろ!まだ生きているぞ!!」


 男の行動に気が付いたのか、遠くで警告する声が聞こえるが最早手遅れだ。声の出所と男との距離は絶望的なほどあった。


 ミイレシュのスキルにより命じられて行動をしていた精霊たちは攻撃に夢中で、少女への守りが疎かになっていた。多くの精霊が自主的に彼女の為に動いていたのではなく、ただ命令されて動いていただけだったからだ。彼女の安否より命令内容の方が優先される。


 そんな中、ミイレシュと一番心を通わせていた風の精霊エルフィンは男の接近に気が付き、少女を守ろうと離れた場所から風属性の魔術で迎撃をする。肉を断つ風の刃を幾度も放った。


「ぐっ!糞がァッ!」


 それをいくつか被弾した男は叫びながら前のめりに倒れる。だが、距離はもう十分縮められた。既にエルフの少女は魔術式爆弾(マジックボム)の射程圏内だ。男はニヤリとほくそ笑み爆弾を取り出しスイッチを押す。後数秒で自身もろとも忌々しい精霊使いを抹殺できる。そう確信して笑みを浮かべたその時


「悪いけどさあ。僕って爆破オチ、あんまり好きじゃないんだよねー」


 声は男の近くから聞こえた。先ほど確認した時には付近に誰も居なかった筈で思わずギョッとする。


 その声の主はコウキであった。彼はミイレシュへ迫る男の姿を確認すると急いで転移空間(テレポート)してきたのだ。


「―――くっ!転移術者(テレポーター)か!」


 コウキは男が持っている怪しい魔力を秘めたそれを取り上げると、遠く離れた上空へと転移させた。大きさにもよるが自らが触れている物も任意の場所へと転移できるのだ。


 転移が完了した瞬間、魔術式爆弾(マジックボム)が発動し遠くから眩しい光と轟音が鳴り響く。


「あっぶなー!もう結構ギリギリだったじゃん!」


 コウキは思ったより早い爆発とその威力の凄まじさに、巻き込まれなくて良かったと安堵した。


 だが、まだそこで終わりではなかった。


「くっ!」


 自爆をし損ねた男は声を上げると、悔し紛れにコウキの足を右手で掴んだ。だが、それだけであった。男の足は精霊の攻撃で既に動かせず地面に伏したままだ。掴まれたコウキは一瞬びっくりするも、ほとんど死に体の男に警告を発した。


「おじさん、もう投降しなよ。命までは取らないからさ」


 争い事が苦手なコウキは相手の気持ちを思ってが半分、自分がこれ以上殺し合いをしたくないという気持ちがもう半分で優しく語り掛けた。だが、その甘さが戦場では命取りになる事を少年は知らない。


「くっ、くくく……、はーっはっはっはぁー!」


 コウキの足を掴んだ男は高笑いをすると、空いている左手で懐からなにかを取り出した。それは先程まで持っていた爆弾と全く同じものだ。男は既にそのスイッチに手を掛けていた。


「―――いいっ!」


 それを見たコウキは大慌てで逃れようとするが男は足を掴んだまま離そうとしない。


「くくく、一緒に死んで貰うぞ、小僧!」


「うわああ!離せよ!離せよー!」


 コウキは半ば混乱気味に男の手から逃れようと必死に身体を動かすも、死にかけの男のどこにそんな力が残っているのか離れてくれない。仮に転移で逃げようにもこのままだと自身に掴まっている男まで転移しかねないし、自分だけ逃げてもミイレシュが危ない。時間のない中コウキはどう行動すればいいのか焦ってしまう。


「貴様らの敗因は<蛇の手>を甘く見たことだ!あの世で悔いるがいい!」


 もう爆発まで猶予もない。死を覚悟し始めたコウキは、せめてミイレシュだけでも助けようと男と爆弾ごと転移しようと考え始めていた。


「では、貴様の敗因はご丁寧に爆弾をかざして見せたことだな」


 すると突如、いないはずの第三者の声が間近で聞こえ、コウキと男はそちらへと振り返り驚く。


「なっ!」

「ジルさん!」


 男は信じられないといった声を、逆にコウキは歓喜の声を上げた。振り返ってコウキが見たのは、少年の足元から沸いて出てきたジルであった。正確にはコウキの影から、まるで水面から浮き上がるかのように現れたのだ。


「―――馬鹿な、<影渡り>だとお!?」


 それはどういった術なのかコウキには分からなかったが、どこか不思議な魔力を感じていた。恐らく自分が見たことのない属性の魔術であろう。完全に少年の影から這い出てきたジルはすぐに剣を抜くと、コウキの足を掴んでいる男の手を斬り飛ばした。


「飛ばせ!コウキ君!」

「うわあああああああ!」


 ジルに言われる前に行動を取っていたコウキは男の頭に触れると、爆弾ごとすぐに転移させた。


「ち、ちきしょおお―――」


 男の絶叫は転移され途中で掻き消えた。その直後に二回目の轟音が遠くから鳴り響いた。危機から脱したコウキは深く息を吐くと思わずその場にへたり込む。


「た、助かったぁ……」


「コウキ、無事だったか!」

「コウキお兄ちゃん!」


 どうやら他の兵たちも一掃できたようで、残りの二人も集まってきた。完全に<蛇の手>の脅威は去ったようだ。九死に一生を得たコウキはそのまま地べたに座り込み、疲労困憊のミイレシュも膝を地に着けた。


 だが、ルウラードだけはまだ気を緩めていなかった。彼には新たな疑惑が芽生えていたからだ。コウキの元へ駆け寄り安否を確認すると、今度はジルへと視線を移し尋ねた。


「ジルさん。さっきの技はなんですか?」


「悪いが内緒だ。俺の切り札なんでね」


 ジルは即答したがルウラードはそれを予想していた。恐らく素直に教えてはくれまい。だが、このままこの話を流す気は毛頭なかった。それほど先程の技は特殊過ぎたのだ。


「では質問を変えます。どうして貴方は暗黒属性を扱えるのですか?」


「―――!?」


 ルウラードの質問にジルは目を見開く。周りでそれを聞いていたコウキは首を捻った。


「え?暗黒?それって確か魔族や魔物、それとダークエルフしか扱えないって属性じゃあ……」


 この世界の魔術には様々な属性(カテゴリー)があるのだとコウキは王城で習っていた。人族は人によって属性の得意不得意があるが、種族全体で見るとあらゆる属性を使いこなせる。ただその中でも暗黒属性だけは絶対に扱えない。この属性だけは得意不得意という以前に、人族の身であるコウキには扱えないのだ。


 だが目の前にいるこの男は暗黒属性を使ったのだとルウラードは言う。確かに先程ジルが使って見せた影から出現した移動術は不思議な魔力を感じていた。だが、何故それをルウラードが知っているのかが疑問であった。


「ふう、やはり迂闊に使うものではないね。そうだ、君の指摘通りさっきのは暗黒属性を用いた技だ」


 ジルはどうやら隠すのを止めたのか、先程の魔術を暗黒属性だと認めた。そして更に奇妙なことを語り出した。


「驚いたな。まさかそこまで勉強熱心だったとは。暗黒魔術はランバルド君から教わっていたのかい?」


「え?ランバルド、君?」


 それはとてもおかしな表現であった。目の前の男の年齢は20代くらいに見える青年であった。それに対してルウラードの師ランバルドは確か50近い年齢の筈だ。それを“ランバルド君”呼ばわりするジルがとても奇妙に思えたのだ。


 だがルウラードはすぐにある推察にいきついた。見た目が若く見えるのはあくまでも人族として見るならばである。だが、先程男は言ったではないか。暗黒属性を使ったのだと。人族に暗黒属性は使えない。そして見た目は人族と差ほど変わらない種族といえば答えは一つだ。


「まさか、魔族なのか?」


「まあ、そんなところだと思ってくれ」


 ルウラードの問いにジルは何とも言えない返答をした。だがもし彼が魔族なら先程の言い回しも理解できる。魔族の寿命は個体差があるようだが、中には不死に近い者もいると聞いていた。彼が見た目通りでない年齢ならば、50近いランバルドを君付けで呼ぶのは別段おかしい話ではない。


「ねえ、ジルさんはランバルドさんと知り合いなの?というか魔族って本当?魔族って人と敵対してるんじゃないの?」


 コウキも気になったのか色々と聞き出してきた。それにジルは丁寧に応えていく。


「ああ、昔会った事がある。だが、今は偽名を使っているからランバルド君は今回俺がいることを知らなかったと思うぞ。それと魔族にも色々といる。人と仲良くしているのもいるけど、殆どが敵対心を持っているから迂闊に近づいては駄目だぞ」


 ジルの説明に別段おかしな点は見当たらない。その話が本当ならばランバルドが事前に何も教えてくれなかった事には説明がつく。だが、腑に落ちない点はまだまだある。そもそも何故魔族が人間のフリをして冒険者をしているのか。更にどうしてルウラードたちの手助けをしているのかが疑問であった。


 だが、それを尋ねる前に逆に向こうから質問を投げかけられた。


「しかし、良くさっきので魔族だって気が付いたな。<影渡り>はランバルド君から教えて貰ったのか?」


「……いえ、キースさんから教わりました。上級魔族がよく使う技だから気を付けろと」


「ああ、騎士団長さんか。確かに彼なら魔族との戦い方は詳しいだろうな。君たちは良い師に恵まれているようだ」


 そう、その点も疑問であった。ルウラードは以前王城で騎士団長キースから直々に対魔族戦を想定して訓練を受けていた。ただキースはあくまでも武人であって魔術はそこまで知識があるわけではない。そこでランバルドにも魔族との魔術戦対策を教えて貰おうと訪れたのだが、“あんまり詳しくねえ”と言われ断られたのだ。


 その時はとくに疑問を持たなかったが、魔族の知り合いがいるのにも関わらず詳しくないというのはおかしくないだろうか。


(ジルという魔族の証言は怪しい。迂闊に信用するのは危険だ)


 ランバルドもキースもこの中央大陸では有名な存在で知っていてもおかしくはない。最悪ジルが知り合いを装っている可能性もあるのだ。


 更に情報を得ようと質問内容を吟味していたが、それは予想だにしない来訪者によって遮られた。


「おいおい、あいつら全滅してるじゃん!」


「ですから、早く行こうと言いましたのに」


「貴様がのんびりしていた所為だ、アルガン」


 ルウラードたちの前にはいつの間にか3人の男女が姿を現していた。

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