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絶対に内緒

 二人の目の前には、未知(みち)へと続く(みち)が続いていた。


(なんてくだらない冗談、考えている場合じゃないな)


 新たな隠し通路の存在に恵二はひどく浮かれていた。


「入ってみるか?」


「勿論!」


 ジェイサムの提案に即答する。こんなにも惹かれる物を見せられて、お預けというのは御免であった。ジェイサムも元よりそのつもりであったのか、躊躇うこと無く先へと進んでいく。その後を恵二も直ぐに追いかけた。


 さっきまでなんの変哲もない壁であった箇所は開けており、その先にはダンジョン内で今まで散々見てきた通路と特に変わらない平凡な道が続いていた。


 二人が通過し暫く経つと、また音を立てずに仕掛けが動きだし道が塞がっていく。この新たに発見された道の壁面にも発光石が使われており、普段歩き回っている道よりかは若干暗いものの、視界は十分に確保できていたので問題は無い。


 道を歩き続けて数分後、特に変わったものは見られなかった。最初こそ未知のルートに期待で胸が一杯な恵二であったが、もしやこの平凡な通路がずっと続いているだけではと不安が過った。


「安心しろ。この先、変化がある」


 恵二の心情を察したジェイサムが、具体的に何があるのかは一切明かさず、ただ簡潔にそう告げた。


(何かがこの先にある。ジェイサムはそれを知っているからこそ未踏破ダンジョンだと言ったんだ!)


 ジェイサムがこの隠し通路を前にして、ただそのまま引き返しただけの筈はない。恐らく彼は既にこの先へと単独で進み、そして何かを見た。このダンジョンが“仮死状態”ではないと思えるような何かをだ。


(何を見たか伏せているのは、きっと自分に気を使っているんだな)


 それは、まるで内容を知っている映画の結末を黙ってあげているかのような、そんなジェイサムなりの気遣いなのだろう。恵二もジェイサムに何があるのか尋ねるような野暮な真似はせず、そのまま黙って歩き続けた。


 そして、そこそこの距離を歩いた二人の目の前には下りの階段が見え始めた。


(降りる、のか?この先は地下16階層・・・?)


 てっきり地下15階層に何かがあるのかと思っていたのだが予想が外れた。思ったよりも道のりは長いのだろうか。


「ケージ。この先からは必ず俺が先行する。ゆっくりと進むぞ。場合によってはすぐに撤退するからな」


「・・・分かった」


 今まで歩いてきた道に罠は勿論、魔物の姿も見当たらなかった。だが、その下の階層はどうやら今まで以上に危険なエリアのようだ。地下25階層より下でも、ジェイサムはここまで警戒するような発言はしてこなかった。


 ジェイサムはゆっくりと階段を一段一段降りていく。その後ろをしっかりと付いて行く恵二の聴覚に、何かの音が聞こえ始めた。


(生き物が、蠢いている音・・・!それに生臭い匂いもする。間違いない、この先に魔物がいる!)


 魔力探索(マジックサーチ)にも引っかかった。それも魔力の波長に覚えのない生物のようだ。それは今まで恵二が出会った事の無い魔物がこの先にいる事を示していた。


 恵二の前を歩いていたジェイサムは、もうそろそろで階段を降りきるといった一歩手前で停止した。


「・・・ここまでは魔物は来ない。反応すらしない。だが、この先進むと奴らに感知される」


 ジェイサムがそう告げながら見つめていた先には、数匹の骸骨のトカゲのような化物が闊歩していた。


「あれは・・・もしかして骸骨の蜥蜴(スケルトンリザード)か?」


「そうだ!このフロアは骸骨の蜥蜴(スケルトンリザード)の巣窟のようだぜ」


 見るのは初めての恵二であったが、その知識だけは所持していた魔物大全集に記載されており頭の中に入っていた。


「確かCランク、だったか?でも、骨だけだから泳ぎは不得意だって・・・」


「良く知っているな。水辺に出没する不死生物(アンデッド)だが、エイルーン近郊にはいない珍しい種族だ」


 リザート種は水辺を好む。更にアンデッドは日の当たる場所には出没しない。この二つの条件に当てはまる場所でないと現れない事から、そうそう見かける魔物ではなかった。


「どうやらここの地下16階層は、あっちの方とは違い水場があるようだ」


 確かに耳を澄ませると、水が流れる音や雫が滴り落ちる音も聞こえてくる。それに今まで恵二が探索していた≪古鍵の迷宮≫と雰囲気がまるで違っていた。


 今まで歩いてきたダンジョンは良く言えば綺麗に塗装された通路、悪く言えば特に特徴も無いただの迷路といった風景だったのだが、ここの階層はまるで鍾乳洞のようであった。岩や鍾乳石があちこちに見え神秘的な光景であったが、当然ろくに道は整備はされていない。足場も悪く、戦闘の際には注意しなければいけなかった。おまけにさっきの隠し通路よりここは更に暗くなっており、ぼんやりと岩肌が光っている箇所もあるのだが、視界は悪くなっていた。


「この先を進むのか?」


 だとすれば、相応の準備が必要だと思えた。足場や視界が悪い上に、見えている範囲だけでも討伐難易度Cランクの魔物が3匹もいる。スキルを使えば一瞬だが、素の状態で戦うのだとしたら相応の覚悟が必要だろう。


「逆に聞くが、ケージは俺達二人だけでこの先進めると思うか?」


「・・・厳しい、と思う。奥の方にも何体か魔力の反応がある。それに・・・」


 言葉を詰まらせると恵二は、16階層の地面や天井、それに壁面のあるポイントを睨みつけるように観察しこう告げた。


「罠も相変わらず多いようだし、それを避けつつの戦闘はリスクが大きい」


「どうやら俺の教えは無駄じゃなかったようだな」


 二人では厳しいと返答したのに何故かジェイサムは笑みを浮かべていた。どうやら罠をちゃんと察知できたことを自分の事のように喜んでいるようだ。


「ケージ。前に“生きたダンジョン”の説明はしたよな?」


「ああ、ジェイ。確か長い年月を掛けて階層を増やして行くんだろう?後、魔物の配置や種類もちょくちょく変化し、罠も段々と増えてくる。後、道もゆっくりとだが変化する、だったか?」


「上出来だ。実はあそこの床にある罠なんだがな、俺が一週間前に様子を見に来た時には無かった罠なんだ」


「―――え?」


 ジェイサムの告げた事実に恵二は驚愕する。たった一週間で罠が増えるとは想像以上であった。通常≪古鍵の迷宮≫で探索をする冒険者達は、罠の少ないルートや階層で魔物を狩る。だが、生きているダンジョンだとその常識が通用しない。一週間で罠が増えてしまっては、その都度ルートを見直さなければならない。


 恵二は不安そうな顔をジェイサムに向けるも、彼は笑みを崩さなかった。


「大丈夫だ!お前はきちんと罠を見つけてみせた。俺はケージに、罠の場所を覚えるのではなく、技術で察知するようにと教えてきたな?それがここでは活きる!」


 そう恵二は探索職(シーカー)の技術を教えて貰っている際、罠の配置を暗記するような真似はするなと再三注意を受けていた。恵二自身も技術を高める事によって、将来は単独で未知のダンジョンに挑戦したかった手間、それを良しとして技術を磨くことに集中していた。


(まるで、中学校で教えてくれていた社会科の先生のようだな)


 こちらの世界に召喚される前に、歴史を教わっていた教師の顔を思い浮かべながら彼が話していた事を思い出していた。


 “一夜漬けの暗記で覚えようとするな!それでは身につかないぞ!”


 確かに試験範囲の問題になりそうな答えだけを丸暗記してしまえば、点を上げることは容易いだろう。だが、それだと結局は身につかない。答えは分かっていても何故そうなのかが良く分からなくなるからだ。恐らく時が経てばそんな覚え方をした知識など忘れてしまう。それでは意味が無い。


「“生きたダンジョン”で求められるのは、十分な戦力と適応力だ。探索職(シーカー)として俺はお前にその適応力を叩き込んだつもりだ。だが、ここはCランクの魔物がうようよいやがる。悔しいが、俺達では根本的に戦力が足りない!」


 確かに、罠に関しては恵二もそこそこ察知できるようにはなったが、何よりジェイサムというエキスパートがいる。そっちは問題ないのだが、厄介なのは魔物の方であった。


≪古鍵の迷宮≫は罠こそ多いダンジョンだが、魔物のレベルはたかが知れている。精々Cランクが偶にでるくらいのダンジョンだ。


 そう、今までは――――


 だが、この裏ルートの地下16階層、裏16階層とでも呼ぶべきだろうか。ここはどうやらCランク以上が多数居そうな様子だ。剣や魔術の腕も無ければ攻略など不可能だ。


「やはりパーティを組まなければ無理か。一旦帰るぞ、ケージ」


「ああ、分かったよ」


 そう、どうして彼がパーティを必要としているのかが分かった。そしてそこらの冒険者に声を掛けないのかの理由もだ。


「ジェイはこの隠し通路を、公にせず攻略したいんだな?」


「そうだ。それも、これはただの隠し通路ってだけじゃない。恐らくこのダンジョンは“仮死状態”を偽装しているんだと思う」


「偽装している?」


 まるでダンジョンに意志があるかのような物言いだ。だが、そもそもダンジョンの“心臓(コア)”だとか“仮死状態”という単語も、通常生物に使う言葉だったかと恵二は考えを改める。


「実はこういった事例は過去に他のダンジョンにもあったんだ」


「そう、なのか?」


「ああ。そのダンジョンは確かにコアを破壊され活動を停止した。そう思われていたんだが、暫くあとに別のルートが発見されてな。なんと更に深い階層が出てきたんだ」


「・・・それで?その先には何があったんだ?」


「本当のコアさ。破壊したと思われたコアはダミーだったんだ。その間そのダンジョンは人知れず成長を続けていた」


 それが事実だとしたら、ダンジョンはかなり知恵を持った存在だといえる。そんな存在の体内で歩き回っているのかと思うと、恵二の背中に軽い寒気が走った。


「・・・結局、ダンジョンって何がしたいんだ?というか成長を続けたら一体どうなるんだ?」


「分からん。有力な説だと養分を摂る為だとか。ここで言う養分とは俺達探索者の事だな。冒険者や魔物の死骸や装備品は全てダンジョンに飲み込まれる。それらを取り込んで成長しているって話だ。最終的にどこで成長が止まるのかはそれこそ分からんなぁ。何せ最大の階層を誇る≪底なしの迷宮≫は地下355階層まで続いていて、いまだに最下層が分からず未到達だって話だぜ?」


「―――さ、さんびゃくー!?」


 文字通り桁違いのダンジョンであった。しかもジェイサムの話が本当ならそのダンジョンは更に下層があり、今もなお成長をし続けているとのことだ。


「だからケージ。そんな難しい事を考えるのは学者たちに任せて、俺達はただ攻略する事を目指そうぜ!」


「だけど、ここのダンジョンも相当深いんじゃないのか?」


 一緒に探索したいのも山々であったのだが、春には学校も控えている上に、他の地も周ってみたい。終着点が気にはなるものの、流石に100階層もあるのならば付き合いきれない。ここのダンジョンだけに縛られる気は毛頭なかった。


「大丈夫だ。俺の考えが正しければ、恐らくここの最下層は35あたりだ」


「?その根拠はなんなんだ?」


 どうしてそのような事が分かるのだろうかと恵二は首を捻る。


「簡単な理屈さ。俺は、ここがまだ公に“生きたダンジョン”だった時から冒険者として既に探索をしていた。・・・アドガルと、他のメンバーとも一緒にな・・・」


 ジェイサムはどこか表情に影を落としながらもそう語ってくれた。


「当時の最下層は28だった。だが、どいつも中々攻略出来なくてな。罠が多い上に競争相手も多かった。それに“生きたダンジョン”はしょっちゅう罠の配置も変わっていった。なんとか最下層までたどり着けてもボスに返り討ちってパーティが昔は多かったんだ」


 その時、まだ若いジェイサムはそこまでの探索技術を持っていなかったそうだ。パーティリーダーのアドガルもまだCランクと実力不足で、ジェイサム達のパーティは少しずつ進めていったそうだ。


「そして、まぁ色々とあって4年の月日が経った。結局俺達以外のパーティがボスを倒し、コアの破壊に成功した。その時の最下層は30だ。つまり4年間で2階層成長した計算になる」


 ダンジョンの成長速度の話は以前聞いた事があった。ダンジョンによってその成長速度は様々で、だいたい平均で5年に1階層といった早さのようだ。それを考えると2年で1階層ペースの≪古鍵の迷宮≫は異常な早さとも言えるだろう。


「そして、≪古鍵の迷宮≫が“仮死状態”と認定されてから、おおよそ10年が経った。その間、隠し通路さきの裏階層が同じスピードで成長を続けていたとしたら―――」


「―――5階層分、成長しているって事か!」


「そうだ!つまり最下層は地下35階だと思われる」


 ジェイサムは頷きながらそう結論付けた。


 そのくらいの階層なら、確かに攻略不可能といった深さでは無い。だが、今の戦力では明らかに無謀であった。入口ともいえる裏16階層でさえCランクがうじゃうじゃといるのだ。それを後20階層分降りなければならない。戦力増強は必須事項だ。


「それなら、早くキュトルさん達を誘って攻略を始めたらどうなんだ?」


「それはそうなんだが・・・不安なんだ」


 ジェイサムは再び“不安”という言葉を口にした。彼は恵二をここに連れてくると決意する前、“不満”と“不安”を口にしていた。


 今となっては“不満”の方は理解できた。


 ジェイサムは大型クラン<到達する者>がエイルーンに滞在している事に不満があると話してくれていた。それもその筈、<到達する者>の目標は“未到達の迷宮攻略”にあった。まさに灯台下暗し、このダンジョンこそ彼らの求めている条件にピッタリな迷宮であった。


 ジェイサムはこの事を公にするつもりはないようだが、もし彼らにここの存在を知られればクランメンバー総出で攻略に当たるだろう。それではジェイサム達に勝ち目など無かった。


 では、不安の方は何の事だろうか。話の流れからすると、キュトル達を誘う事を不安視しているようだ。腕も信用も足る存在だと思うのだが、一体何が“不安”なのだろう。


「・・・ケージ。俺はあまり人と組んで探索をすることはない」


「ああ、そうなんだってな」


 ジェイサムは恵二と組む前は、殆ど単独でダンジョンを歩き回っていた。そう他の冒険者達から聞いてはいた。強い魔物の沸くダンジョンこそ無理ではあったが、罠に重きを置くダンジョン内でなら彼は1人でも自由に動き回れたのだ。


「俺は怖いんだ。誰かと一緒にパーティを組めば、また仲間を死なせてしまうんじゃないかってな」


「・・・」


 ジェイサムの告白に恵二は無言で耳を傾けた。何となくだが想像はついていた。ジェイサムやアドガルと一緒に冒険していたパーティ仲間が死んでしまったことを。そしてそれ以降、ジェイサムはあまり人とつるんでダンジョンを探索しなくなったという事も。


「ここの隠し通路を見つけたのは、実は結構前なんだ。お前と出会う1ヶ月くらい前だったか。今日と同じように階段から中の様子を伺って悟ったんだ。俺一人では絶対に無理だとな」


 その話には若干驚かされた。つまりジェイサムは恵二と出会う前からここの存在を知っており、恵二に組まないかと声を掛けたのも、裏ルートの攻略を一緒にする為だったと告白したのだ。


 だが一つ解せない事がある。何故ジェイサムは自分を誘ったのだろうか。優秀な人材なら他にもいると思うのだが。


「・・・ジェイはどうして俺に声を掛けてくれたんだ?」


「そりゃあ、あれだ。罠の解除も碌にできない奴が、単独で≪古鍵の迷宮≫を突き進んでたんだ。こいつは使えるって思ったのが始まりだったが・・・。後は、まぁこいつのタフさなら、俺がしくじっても生きて帰ってくれるって、そう思えたから、だなぁ」


 どうやらジェイサムはパーティメンバーの死にトラウマのようなものがあるようだ。そこでちょっとやそっとじゃ死なないような人材を探していた所に恵二が現れた。


「でも、キュトルさん達も相当腕は立つだろう?はっきり言ってジェイより強いんじゃないか?」


「はっきり言うなよ・・・。少し気にしてたんだから・・・」


 ジェイサムの探索職(シーカー)としての腕は超一流だ。だが、それが戦闘になるとジェイサムの腕は正直Bランクというのは怪しい。魔術抜きならCランクでも並レベルである恵二とどっこいな実力だ。


「でも、だからこそなんだ。俺が弱い所為でキュトル達を危険な目に会わせるんじゃないかって不安なんだよ!」


「あー、そういう事か」


 どうやらジェイサムの一番の不安は、自分の実力不足とキュトル達<白雪の彩華>のメンバーの安否にあるようだ。


「実はよ・・・。これは絶対に内緒にして欲しいんだが・・・。俺はキュトルの事が好きだ!」


「うん、知ってる」


「そうだろうとも!意外だっただろう・・・っえ!?」


「知ってるよ。見てれば分かるって」


「・・・マジか?」


 こくりと無言で恵二は頷く。二人の態度を見ていれば一目瞭然であった。そしてその二人が、自分の気持ちが周りには気付かれていないと考えている事までも分かってはいた。


(分かってはいたけれど、こうも鈍いのか・・・)


 いつも素早く罠や魔物を察知するこの男のキレの良さが、こと恋愛に関しては全く活かされていなかった。一方自分の片思い(実際は多分両想い)を見破られていたと知った30を超えたおっさんは、身もだえしながら頭を抱えていた。


「だったら、尚更告白してしまえよ!それで二人一緒に探索すればいい。お互い近くに居れば守ってやれるだろう?」


「―――こ、告白ぅ!い、嫌だ!怖い、怖すぎる!!振られたら、もう一生≪古鍵の迷宮≫から出て来れなくなる!」


 迷宮(ここ)はお前の家かと突っ込みそうになったのをギリギリ抑え、恵二はなんとか説得しようと恋するおっさんに助け船を出した。


「大丈夫だって。多分、キュトルさんもジェイの事、好きだぜ?」


「―――な、何!?それは本当か!?」


「ああ。間違いない」


 恵二はそう断言した。もしかしたら勘違いかもと少しは思ったのだが、こういう時ははっきり強く言ってやるのが良いのだ。


 ジェイサムは恵二がそう強く言うものだから、本当にそうなのかもしれないと自信を持ち始めていた。


「・・・よし、決めた!俺、このダンジョンを攻略したら告白することに―――」


「―――いいからとっとと告って来い!」


 恵二は相棒が口にしそうになったフラグを全力で阻止しにかかったのであった。

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