人生が変わった日
どうもお久しぶりの方はお久しぶりです。
改訂版と言うことである程度内容が変わってたりします。
これ無理だ、と思ったらそっとプラウザを閉じてください。
誤字脱字、意見も募集しています。
「お前に辛い思いは絶対にさせないからな」
気が付いたら無精ひげのオッサンに抱き上げられていた。
視覚的情報はなく、だたそんな感覚がしたのだ。
--何かを悲しむような声も周りから聞こえた。
○×
「おはようございます、兄上」
「ああ、おはよう」
現在、12歳だからなのか、どうなのだか声変わりの前兆すらを感じさせない声。
椅子に深々と座り込むさまは流石貴族と言う所なのだろうが、座っている本人の姿がツッコミどころ満載なのだ。これに突込みを入れずになんとする。
そのツッコミどころは容姿についてなのだが、まず一言でいうと丸い。
表現的には子オークと言ったところだろう、とても見にくい。
体中に脂肪が集まり、脂肪のせいで首がどこにあるのか判別することができない。顔はぽっちゃりとか言うレベルではなく、目があいているのかどうか分からないレベルであるし、あごは何段になっているのだろうか。
体系は以下同文に近く、形容しがたいものになっている。
もはや移動は魔法なくしては成り立たないレベルとなっている。
つまり、そんな形容しがたい何かに声をかけてくる少年はかなりの肝が据わっていると言えよう。
実際は兄だからと言う理由で挨拶をしているのだが。
この少年は父の現正妻の息子だ。
俺の母は正妻だったが俺を生んだ際に亡くなったらしい。
その関係でこいつの母親にはいつも厭味ったらしく長々と愚痴を吐かれるのである。
「兄上、自身の足で運動しないのでしょうか」
「…断る」
ちなみにこの弟レン・アルカディナ・ソルドは全くの嫌味と言うものを知らない純粋無垢な少年で只々俺の健康を気遣っているのだ。
実際、このレンは俺と同い年で見た目は清潔感ある将来美形を約束されたような容姿の少年だ。
その上、魔法の才は俺には及ばないものの十分にその歳では優秀な部類に入る。
「そうですか。あ、そうでした兄上。母からこのようなものを渡せと預かり物をしていました」
そう言って渡されたのは封筒。
「嗚呼」
そう言って封筒を預かり、下がらせた。
「国王からか」
優秀な魔法使いとして、勲章を頂く程度には優秀な俺はそれなりに隣国の橋渡しや、魔法の発展に貢献してきた。
それの延長線上でたまに依頼が入るのだ。
…隣国への護衛任務か。
それに了承の返事を書き、近くの者に出すように渡した。
--その手紙が偽物と言うことに残念ながらその時気づくことが出来なかった。
○×
「ったく、俺にこんな餓鬼殺せとは…あの依頼人は何を考えてんだか」
体が動かない。
大破した城へ向かう途中の馬車は壊れ、それを運転していた従者、御つきのメイドも完全に死んでいた。
たった一人の男の前に俺のからは微動だにすることが出来ず、生まれて初めて会った強者への畏怖が募っていた。
--おれは さいきょう じゃなかったのか--
今思えば確かに天狗である。
上には上がいる、当たり前だ。
自分は転生者で気が付いたら魔法の才が溢れて、周囲に甘やかされて育った、自由奔放に何不自由なく過ごした。
完全に俺のプライドはズタズタにされていた。
目の前のたった一人の男に。
「許せよ餓鬼、運がなかったな」
黒のフードの先には、蒼く光る冷たい瞳が俺を見ていた。
至極つまらなそうな、感情のかけたような瞳で。
「っ!」
- 否、落ちる所まで落ちた。
- 醜く、立ち上がろう。
「感謝する、立ち上がり方をしばらく忘れていたんだ」
俺が、こんなにうまく物事が進んでいたことが間違いだったのだ。
前世に挫折を味わっていて助かった。
死ぬ前に少しあがいてやろう。
「良い目をするじゃないか」
その眼に色がついた。
-×-
目が覚めると暗く、一本の蝋燭がある檻に閉じ込められていた。
「ようやく起きたか」
その声の先には銀色の髪をひと纏めにした中年に近い無駄に格好の良い男がいた。
「----」
喉から声は出ない。
あの戦いでどうやら潰れたらしい。
「声が出ねえか面倒くせえ」
その言葉にイラつきを覚え、即興の術式を描く。
指先を噛み、血を流し魔力をこめ空中に書きあげる。
『声は出ないがどうにか返答はできる』
「…こりゃ驚いた」
『驚いたような顔をしてから言え』
無表情に近い顔を変えることなく、そう言い切る男は椅子に座ったまま、動こうとしない。
「とりあえず、お前俺の弟子決定だ」
『は?』
そう言ってローブを投げられた。
「お前には俺の名を継いでもらう、拒否権はない。もう継承はした」
そう言った男の瞳にはあの蒼は無かった。
Q 改訂版なのに文章量少なくない?
A 仕様です。




